建築材料実験

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 建築材料実験
科目番号 4A014 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 創造工学科(建築コース) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:1
教科書/教材 建設材料実験法:建設材料実験教育研究会/鹿島出版会
担当教員 金田 一男,下田 誠也

到達目標

1.実験課題を理解し,工学の基礎的な知識・技術を駆使して決められた時間内に計画的に実験を終え,期限内にレポートを提出できる.
2.得られた結果を適切に分析し,工学的に考察できる.
3.日本語による文章や図表を用いて論理的に説明できる.
4.発表会において,決められた時間内に実験内容や結果を正しく,かつ,分かりやすく説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1事前に予習を行い,正しく機器を使用して効率的に実験を終え,レポートを提出できる.決められた時間内に計画的に実験を終え,期限内にレポートを提出できる.決められた時間を超えても実験を終えられない,あるいは期限内にレポートを提出できない.
評価項目2得られた結果を適切に分析し,参考文献等からあらたな情報を追加して,工学的に深く考察できる.得られた結果を適切に分析し,それを工学的に考察できる.得られた結果を適切に分析できない.
評価項目3得られた結果を日本語による文章や図表を用いて論理的にかつ分かりやすく説明できる.得られた結果を日本語による文章や図表を用いて論理的に説明できる.得られた結果を日本語による文章や図表を用いて論理的に説明できない.
評価項目4決められた時間内に実験内容や結果,深い考察を正しく,かつ,分かりやすく説明できること.決められた時間内に実験内容や結果を正しく,かつ,分かりやすく説明できること.決められた時間内に実験内容や結果を正しく,かつ,分かりやすく説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 B-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
建築材料実験では,これまでの授業の中で学んできたこと,および,現在学んでいることを自ら実験を行うことで理解を深めるとともに,実験の内容を考察する.具体的に本授業では,鋼材,木材,コンクリート,コンクリートの構成材料である骨材や溶接に関する実験を行う.
*SDGsの目標9と11に関連
授業の進め方・方法:
4つの班に分かれ,7つの実験テーマをローテーションしながら,班ごとに1 週若しくは2 週で1 つのテーマに取り組む.なお,1つの班の中でもグループに分かれて,作業を進めることもあるため,班の中での連携,意思疎通も重要である.
限られた時間の中で,実験をより身のあるものにするためには,その実験のテーマの予習を行うことが必要である.それぞれのテーマでレポートを提出するので,計画的にレポートを作成する.また,一部の実験では,後日計測等を行うこともあるので,それについては適宜指示をする.
最終週には実験の発表を行う.
注意点:
本実験は,3 年次の建築材料Iの理解を深めるため,建築材料の知識が必要となる.また,実験結果の分析のため,材料力学の知識も必要となる.それとともに,4 年次の鋼構造や鉄筋コンクリート構造を学ぶ上で,材料の知識の基本となる.目的を把握し,実験を進め,結果を分析・考察し,レポートとしてまとめ,発表を行うという一連の流れは,4 年次からの卒業研究を行うための基礎になる.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 実験ガイダンス シラバスと安全事項の説明を受け、各実験の概要を知るとともに,実験における注意事項を理解できる.
2週 テーマ1:RC 梁鉄筋加工・調合設計(第1週) 骨材準備を行うとともに,コンクリートの調合設計を行うことができる.
3週 テーマ1:RC 梁鉄筋加工・調合設計(第2週) 鉄筋加工方法,含水補正の方法を理解できる.
4週 テーマ2:RC 梁試験体製作 コンクリート打設に関わる一連の作業を理解できる.
5週 テーマ3:コンクリートの強度試験 コンクリートの圧縮試験を行い,コンクリートの力学的性質を理解できる.
6週 テーマ4:骨材の単位容積質量・実積率試験 細骨材・粗骨材の単位容積質量および実積率を測定し,骨材の性質を理解できる.
7週 テーマ5:鋼構造骨組製作1(溶接練習および試験体作製) 溶接の仕方,溶接時に注意することを体得できる.
鋼構造物を溶接で作製できる。
8週 テーマ5:鋼構造骨組製作2(試験体作製) 鋼構造物を溶接で作製できる。
4thQ
9週 テーマ6:鋼材の引張試験(第1週) 鋼材の機械的性質を知るとともに,その測定方法を理解できる.
10週 テーマ6:鋼材の引張試験(第2週) 鋼材の引張試験を行い、鋼材の強度計算等ができる.
11週 テーマ7:木材の各種試験(第1週) 木材の縦圧縮試験を実施し,木材の力学的性質等を理解できる.
12週 テーマ7:木材の各種試験(第2週) 木材の曲げ試験を実施し,木材の力学的性質等を理解できる.
13週 発表準備(第1週) 発表のための準備を進めることができる.
14週 発表準備(第2週) 発表のための準備を進めることができる.
15週 発表会 発表による実験内容や考察等を説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
専門的能力分野別の工学実験・実習能力建築系分野【実験・実習能力】建築系【実験実習】実験の目的と方法を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
建築に用いる構造材料(例えば木、コンクリート、金属など)の物理的特性を実験により明らかにすることができる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
実験結果を整理し、考察できる。4後3,後4,後5,後6,後8,後10,後12,後15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。3後13,後14
合意形成のために会話を成立させることができる。3後13,後14
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3後13,後14
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後15
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後15
事実をもとに論理や考察を展開できる。3後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3後13,後14
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3後13,後14
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3後13,後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合020006020100
基礎的能力0000000
専門的能力000060060
分野横断的能力0200002040