建築生産

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 建築生産
科目番号 5A009 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(建築コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 建築施工:大野義照/実教出版株式会社
担当教員 下田 誠也,上田 雅之

到達目標

1.建設業の特異性と生産管理の手法・体系および生産過程における各工事の管理の要点を理解できる.
2.上記の事柄の理解と習得により,自らの専門分野の専門知識を理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1建設業の特異性と生産管理の手法・体系および生産過程における各工事の管理の要点につ いて正しい語句を使用して詳細に説明できる.建設業の特異性と生産管理の手法・体系および生産過程における各工事の管理の要点について説明できる.建設業の特異性と生産管理の手法・体系および生産過程における各工事の管理の要点について説明できない.
評価項目2上記の事柄の理解と習得により,自らの専門分野の専門知識について正しい語句を使用し て詳細に説明できる.上記の事柄の理解と習得により、自らの専門分野の専門知識について説明できる.上記の事柄の理解と習得により、自らの専門分野の専門知識について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 建築生産の対象となる建築物の多様さとその技術的な進歩や変化により,施工技術はますます専門化し,複雑さや多様さも増しつつある.そのような中,先端的な技術や特殊技術については紹介する程度とし,一般的な施工技術の基礎的な知識を中心に,施工現場における心構えや施工の具体的なやり方について講義する.できるだけ理解を高めるために,ビデオなどのビジュアルな内容や実際の建築現場見学を取り入れるので,これらの内容を理解すること.
この科目では,当該科目に関する実務経験のある教員が,その経験を活かし講義形式で授業を行うものである.
*SDGsの目標9と11に関連
授業の進め方・方法:
講義を中心として,必要に応じて課題を与えるので,各自図書館の資料お よび教科書等を調べて,レポート等を提出してもらう.また,必要に応じてプリント等を配布し、理解度を確認するため、各自工事の小テストを実施する。
注意点:
建築生産は,建築各分野の知識をベースとして,理解した上でなされる建築設計に基づく図面に従って,建築物を造り上げる事である.従って,建築計画,構造,設備,環境や材料,測量等の知識と密接な関係にあり,その基礎的な理解が必要であるため,予習および復習を行うことが大切であ る.その上で,安全や運営を通じて,管理のあり方も学ぶ必要がある.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 工事管理および建築生産の概要 生産管理の概要,建築工事の流れ,工事管理技術の流れ,現場組織の編成,設計図書と施工図の関係について理解できる.
2週 工事管理(第1週)
施工計画
施工計画と工程,原価,品質,安全,環境の管理のあり方について理解できる.
3週 工事管理(第2週)
工程計画
要求された工期内に建物を完成する計画の各ステップでの留意事項を理解する.ネットワーク工程表の計算することができ、バーチャート工程表を説明できる.
4週 工事管理(第3週)
品質管理
品質は工程内で作り込まれることを理解できる.品質保証と瑕庇を理解できる.最近重要性を増しつつある ISO を理解できる.
5週 工事管理(第4週)
原価管理
請負契約,建築コストの構成要素,原価管理としての積算,予算,実施結果の対比を理解できる.
6週 工事管理(第5週)
安全衛生管理
各種書類の行政機関への届出先および期限,安全第一の意味,労働安全衛生法などの法規制,統括安全衛生責任者の役割を理解できる.
7週 保守および維持管理 建築物の保守および維持管理の概要および現状を理解できる.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 現場運営 生産現場の実際を Q ,C ,D ,S ,E をバランス良く運営することであることを理解でき,その組織と推進計画,情報管理のやり方,記録のとり方を理解できる.
10週 仮設および山留工事 仮設計画の留意事項を理解できる.また,山留め工法,地下工事の施工管理と留意事項を理解できる.
11週 地業
基礎工事
小テスト
地業および基礎杭工事の施工管理と留意事項を理解できる.
12週 く体工事(第 1週)
小テスト
鉄筋工事の重要性と施工管理のポイント(鉄筋の加工,継手,定着,鉄筋組立,かぶり厚さ等)を理解できる.
型枠工事の重要性と施工管理のポイント(型枠の材料および種類,組立手順,せき板および支保工の存置期間等)を理 解できる.
13週 く体工事(第 2週)
小テスト
コンクリート工事の重要性と施工管理のポイント(材料の試験および管理値,生コンの発注,運搬および締固め,養生等)を理解できる.
鉄骨工事の重要性と施工管理のポイント(現場組立方法等)を理解できる.

14週 仕上げ工事
主な外装工事、内装工事の施工管理と留意事項を理解できる.
15週 前期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野施工・法規請負契約(見積り、積算を含む)について説明できる。4前5
瑕疵・保証について説明ができる。4前4
現場組織の編成について説明できる。4前1
設計図書と施工図の関係について説明できる。4前1
各種書類の行政への届出先と期限について説明できる。4前3,前6
ネットワーク工程表の計算ができる。4前3
バーチャート工程表について説明できる。4前3
5大管理項目(品質、原価、工程、安全、環境)の特徴について説明できる。4前2
鉄筋の加工について説明できる。4前12
継手(重ね、圧接、機械式、etc.)の仕組みについて説明できる。4前12
定着の仕様とメカニズムについて説明できる。4前12
鉄筋の組立ての基準・仕様について説明できる。4前12
かぶりの必要性、かぶり厚さの基準・仕様・法令について説明できる。4前12
型枠の材料、種類をあげることができる。4前13
型枠の組立て手順について説明できる。4前13
せき板の存置期間について説明できる。4前13
支保工の存置期間について説明できる。4前13
使用材料の試験・管理値について説明できる。4前13
生コンの発注について説明できる。4前13
運搬・締固め(打込み)の方法・手順について説明できる。4前13
養生の必要性について説明できる。4前13
現場組立て(建方)方法、工法について説明できる。4前13
工事の流れ(仮設・準備・基礎・地業・躯体・仕上げ・設備(電気・空調・給排水・衛生)・解体)について説明できる。4前3,前10,前11,前14
建築物の保守・維持管理の概要・現状について説明できる。4前7

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合800001010100
基礎的能力0000000
専門的能力800001010100
分野横断的能力0000000