建築実験実習

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 建築実験実習
科目番号 5A011 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 創造工学科(建築コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 配布する「実験の手引き」および次に示す教科書が必要となる。RC梁実験:RCの教科書,鋼構造実験: 鋼構造および構造力学で使用した教科書,建築測量:配付プリント,温熱環境と照度分布実験,環境工学の教科書
担当教員 岩下 勉,金田 一男,下田 誠也,窪田 真樹

到達目標

1.実験課題を理解し,工学の基礎的な知識・技術を駆使して決められた時間内に計画的に実験を終え、期限内にレポートを提出できる.
2.得られた結果を適切に分析し,工学的に考察できる.
3.日本語による文章や図表を用いて論理的に説明できる.
4.発表会において,決められた時間内に実験内容や結果を正しくかつ分かりやすく説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1事前に予習を行い,正しく機器を使用して効率的に実験を終え,レ ポートを提出できる.決められた時間内に計画的に実験を終え,期限内にレポートを提出できる.決められた時間を超えても実験を終えられない,あるいは期限内にレポートを提出できない.
評価項目2得られた結果を適切に分析し,参考文献等からあらたな情報を追加して,工学的に深く考察できる.得られた結果を適切に分析し,それを工学的に考察できる.得られた結果を適切に分析できない.
評価項目3得られた結果を日本語による文章や図表を用いて論理的にかつ分かりやすく説明できる.得られた結果を日本語による文章や図表を用いて論理的に説明できる.得られた結果を日本語による文章や図表を用いて論理的に説明できない.
評価項目4決められた時間内に実験内容や結果,深い考察を正しくかつ分かり やすく説明できる.決められた時間内に実験内容や結果を正しくかつ分かりやすく説明できる.決められた時間内に実験内容や結果を正しくかつ分かりやすく説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 本科目では、以下に示す構造系,生産系,環境系の実験 4 種類を,各実験に 3週間かけて実施する.
( 1 )RC梁実験:4年次に作製した RC 梁を使って曲げせん断実験を行うことにより,RC 部材の基本的な力学的性状を理解する.
( 2 )鋼構造骨組実験:筋かいつきラーメンに水平力を加えることにより, 筋かいの形状やその配置の違いによる復元力特性の差異を理解する.
( 3 )建築測量:測量に用いる機器・器具を使用して測定作業を行い, 測定結果を計算して,その精度を調べることで,建築工事を行う上で必要な測量の基礎知識を得る.
( 4 )温熱環境と照度分布の測定:教室の温熱環境と照度分布の測定を行い,測定結果を考察することで温熱環境や照度について理解する.
*SDGsの目標9と11に関連
授業の進め方・方法:
 4 班に分かれ,上記のテーマをローテーションしながら,班ごとに 3 週で 1 つのテーマに取り組む.なお,班内でもグループに分かれて それぞれの実験を行うことがある.限られた時間の中で,実験をより身のあるものにするためには,各実験のテーマの予習を行うことが必要である.それぞれのテーマでレポートを提出するので,計画的にレポートを作成する.また,一部の実験では,後日計測等を行うこともあるので,それについては適宜指示をする.
 最終週には実験の発表を行う.
注意点:
 実験実習は,実験をすることにより物理現象等を自分の目で確かめ,授業で学んだ種々の理論を確認することが主要な目的である.本科目では構造系,環境系,生産系の実験を4 種類行うが,これらの項目は構造力学・材料力学・RC構造・鋼構造・建築生産・建築環境工学の授業科目と対応しているので,予習および復習しておくことが大切である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験ガイダンス 各実験の概要を知るとともに,実験における注意事項を理解できる.
2週 テーマ 1:RC梁実験(第 1 週) ひずみゲージの貼付,コンクリート圧縮強度試験,RC 梁の強度予測の計算など,載荷実験にむけての準備ができる
3週 テーマ 1:RC梁実験(第 2 週) 載荷実験により,ひび割れの発生・進展を観察できる.さらに,予測値との対応を確認できる.
4週 テーマ 1:RC梁実験(第 3 週) 本実験の結果を考察し,レポートにまとめることができる.
5週 テーマ 2:鋼構造実験(第 1 週) 実験内容の説明および試験体の耐力計算をすることができる.
6週 テーマ 2:鋼構造実験(第 2 週) 静的繰返し載荷実験を行うことができる.
7週 テーマ 2:鋼構造実験(第 3 週) 実験結果を比較・検討することができる.
8週 テーマ 3:建築測量(第 1 週) 水準測量に必要な機器・器具の取り扱いおよび測定方法を理解して,土地の高低差を測定することができる.
2ndQ
9週 テーマ 3:建築測量(第 2 週) 角測量に必要な機器・器具の取り扱いおよび測定方法を理解して,測量の図面を作成することができる.
10週 テーマ 3:建築測量(第 3 週) 得られた測定結果を整理して,比較検討することができる.
11週 テーマ 4:温熱環境実験(第 1週) 教室の温熱環境を測定することができる.
12週 テーマ 4:光環境実験(第 2週) 教室の照度分布を測定することができる.
13週 テーマ 4:温熱環境及び光環境実験(第 3週) 得られた教室の温熱環境と光環境の測定結果について考察し,レポートにまとめることができる.
14週 発表準備 発表のための準備を行うことができる.
15週 発表会 発表を行うことができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力建築系分野【実験・実習能力】建築系【実験実習】実験の目的と方法を説明できる。4前4,前7,前15
構造材料(例えば木、コンクリート、金属など)によるいずれかの構造形式(ラーメン、トラスなど)の試験体を用い、載荷実験を行い、破壊形状と変形の性状を観察することができる。4前3,前6
実験結果を整理し、考察できる。4前4,前7,前15
実験の目的と方法を説明できる。4前13,前15
建築を取巻く環境(例えば音、光、温度、湿度、振動など)を実験により把握できる。4前11,前12
実験結果を整理し、考察できる。4前13,前15
建築生産で利用されている測量(例えば、レベル、トランシット、トータルステーション、GPS測量など)について機器の取り扱いができる。4前8,前9
測量の結果を整理できる。4前10,前15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。3前14
合意形成のために会話を成立させることができる。3前14
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前14
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前4,前7,前10,前13
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前14,前15
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3前14,前15
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前4,前7,前10,前13
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前4,前7,前10,前13
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前2,前5,前8,前11
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前2,前5,前8,前11
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前2,前5,前8,前11
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前2,前5,前8,前11
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3前14
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3前14
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合020006020100
基礎的能力0000000
専門的能力000060060
分野横断的能力0200002040