概要:
現在の建物において、夏や冬に室内で快適に過ごしたり、能率よく仕事をするためには、冷暖房はなくてはならないものとなっている。また、建物の気密性能の向上とあいまって、事務所建築などに広く普及しているOA機器や照明器具から発生する熱、人体からの発生する熱を無視できず、年間を通じて冷房が必要な建物もある。このように空気調和設備は現代建築においては欠くことのできない建築設備となっている。
建築設備Ⅰでは「空気調和設備」についての基本的な知識を学んだが、設備設計演習ではその知識を実務に近い形でさらに深めるために、自らが設計した建物の冷暖房負荷計算を行い、その建物を冷暖房するために必要な空調機器の能力や冷暖房時に必要な風量が求められるように演習を行う。
※SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」に関連する。
授業の進め方・方法:
自ら設計した建物の冷暖房負荷計算、送風量算定、空調機器の能力の決定、ダクトサイズおよび配管の決定を行い、それらを計算書として作成する。設計した建物の配置図、平面図、立面図、断面図、設備図を作成し、計算書と共に提出する。膨大な時間を必要とするため、資料収集など授業時間以外でも計画的に実行すること。
注意点:
建築設備Ⅰの授業と並行して進行するため、授業内容を充分理解する必要がある。
評価については発表:20%、ポートフォリオ:80%とする。発表については、発表内容、発表姿勢、適切なタイムマネージメント、質疑での理解度を評価する。ポートフォリオについては、設備設計報告書の完成度(要求図面等が揃っているか、設備設計に関する説明が十分か、空調熱負荷計算等が正しく行えているか、分かり易くまとめられているか等)を評価する。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建築系分野 | 環境・設備 | 室内環境基準について説明できる。 | 4 | 前10,前11,前12,前13,前14 |
熱負荷計算法、空気線図、空気の状態値について説明できる。 | 4 | 前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4 |
エネルギー削減に関して建築的手法(建築物の外皮(断熱、窓など))を適用することができる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9 |
建築設備(配線・管、配線・管スペース、施工法など)を、設備(自然環境・電気・空調・給排水の分野)計画に適用できる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,後5,後6,後7,後8,後9,後10 |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 3 | 前1,前2 |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。 | 3 | 前3,前15,後11,後12,後13,後14,後15 |
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。 | 3 | 前15,後11,後12,後13,後14,後15 |