到達目標
1.周辺環境を考慮した適切なボリュームの提案、自らのテーマ設定などについて、その成果を作品に反映できる。
2.主体的かつ計画的にエスキスや作図作業を進め、期日までに各課題の要求に応えうる作品を完成させることができる。
3. それぞれの課題の解答として相応しい魅力的な空間を、明確なコンセプトを持って計画・設計できる。
4. 図面表現とプレゼンテーションを通じて、そのコンセプトを他人にわかりやすく伝えることができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 周辺環境を考慮した適切なボリュームの提案、自らのテーマ設定などについて、その成果を作品に反映でき、かつ作品として完成度が高い。 | 周辺環境を考慮した適切なボリュームの提案、自らのテーマ設定などなどについて、その成果を作品に反映できる。 | 周辺環境を考慮した適切なボリュームの提案、自らのテーマ設定などなどについて、その成果を作品に反映できない。 |
評価項目2 | 主体的かつ計画的にエスキスや作図作業を進め、期日までに各課題の要求に応えうる作品を完成させることができ、かつ作品として完成度が高い。 | 主体的かつ計画的にエスキスや作図作業を進め、期日までに各課題の要求に応えうる作品を完成させることができる。 | 主体的かつ計画的にエスキスや作図作業を進め、期日までに各課題の要求に応えうる作品を完成させることができない。 |
評価項目3 | それぞれの課題の解答として相応しい魅力的な空間を明確なコンセプトを持って完成度の高い計画・設計ができる。 | それぞれの課題の解答として相応しい魅力的な空間を明確なコンセプトを持って計画・設計ができる。 | それぞれの課題の解答として相応しい魅力的な空間を明確なコンセプトを持って計画・設計ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 A-3
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学習・教育到達度目標 B-3
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学習・教育到達度目標 C-1
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学習・教育到達度目標 C-2
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教育方法等
概要:
建築とは我々の生活に深く関わっているものであり、その設計においては、人間の行動や周囲の環境をよく観察した上で、使用目的に適した美しい空間を、合理的な構造によって創造しなくてはならない。
5学年では、劇場(演劇、映画館など)やホール、展示室といった、人々が集まる文化施設の機能を併せ持つ空間の設計が課題の中心である。課題は、高等専門学校連合会主催等が主催する「コンペ」等を利用して、課題で求められるテーマに応える作品作りに取り組むことを求める。本科目を通じて、以下を修得して欲しい。
[1] 自らテーマ設定ができること:与えられた課題に対して、現代または将来の社会課題を読み取りながら、問題意識を持ち、テーマを設定するデザイン力が重要である。それには、求められる課題に対し、どのようなテーマ設定のもとで計画すれば、建物のみでなく街全体が魅力的になるのかについて検討することが必要である。オリジナリティー溢れる魅力的な提案を導くためのテーマを設定してほしい。
[2] 総合的な計画力:人々が集まる空間を創造する場合、課題の対象とする地域やその周辺の敷地状況のみならず、その地域社会、コミュニティ、人々の生活の場を、敷地や各種メディア等から丁寧に読み取り(リサーチ)、仮説を立て、計画に反映することが重要である。計画する空間を誰が必要とするのか、その空間を誰が管理して成り立たせるのか、そして、計画する空間でどのような出会いや感動、地域での生活が生まれるのか等、求められる機能を基本としながら、必要とされるものを導く計画の力である。
[3] 作品に適した図面表現・プレゼンテーションができること:特に「コンペ」では提出した図面のみで全てを判断されることになる。限られた紙面上に、いかに自らの作品の魅力を表現できるか、図面表現能力を養わなければならない。また、プレゼンテーションの方法も工夫し、限られた時間内で的確に自身の作品の魅力を伝える必要がある。
この科目は企業で建築設計を担当していた正木教員が、その経験を活かし、複合施設の計画や最新の設計手法等について演習形式で授業を行うものである。
本科目は、SDGs「11.住み続けられるまちづくりを」に対応する。
授業の進め方・方法:
周辺環境を考慮した適切なボリュームの提案、自らのテーマ設定など下記の教育内容・達成目標に記載した事柄を理解できているかを、作品で評価する。成績の評価は提案される内容、図面等の表現、発表の内容等について、その主張の妥当性や完成度、独創性から総合的に評価する。評価方法の詳細については初回の授業で説明を行う。
注意点:
前期のみで複数の課題の提出を求めるため、4年次以上のスケジュール管理能力が必要であり、授業時間外も利用して自主的に取り組むことが必須である。
また、多くの事例や図面を見ることを通して、コンセプトと空間の関連性、形態の構成の仕方、図面表現の仕方等を学ぶ必要がある。
加えて、日頃から社会問題に精通しておかねば、魅力的かつオリジナリティ溢れるテーマ設定はできない。新聞やインターネット等に目をとおすことを習慣化し、今何が求められているのかの社会的ニーズについて、常にそのアンテナをはるようにしてほしい。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
課題説明、課題の敷地調査 |
課題説明(第一課題:複合施設)、作品紹介。敷地調査:敷地分析・敷地調査発表、グループ分け。
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2週 |
エスキス1 |
コンセプトについて説明できる。全体計画について説明できる。
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3週 |
発表1 |
コンセプトと全体計画について説明できる。
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4週 |
エスキス2 |
配置図計画図の作成。配置計画について説明できる。平面計画図の作成。平面計画について説明できる。
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5週 |
エスキス3 |
ボリューム模型の作成。ボリューム計画について説明できる。
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6週 |
発表2 |
配置計画および平面計画、建物ボリュームについて説明できる。
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7週 |
作図1 |
設計図と模型を作成する。建築計画について説明できる。
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8週 |
作図2 |
プレゼンテーション図面を作成する。建築計画について説明できる。
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2ndQ |
9週 |
合評会 |
作品のコンセプト、配置計画、平面計画、デザインについて説明できる。
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10週 |
課題説明、グループ分け、資料収集 |
コンペの%
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11週 |
エスキス1 |
コンペの課題に応じたコンセプトを設定し、それを説明できる。
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12週 |
エスキス2 |
設定してコンセプトに応じて作品作成を行う。
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13週 |
作図 |
コンペ作品の作図を行う。
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14週 |
プレゼンテーション |
プレゼンテーション作品を作成する。
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15週 |
発表 |
作品のコンセプト、デザインを説明できる。
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16週 |
なし |
なし
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建築系分野 | 設計・製図 | 製図用具の特性を理解し、使用できる。 | 4 | 前7 |
線の描き分け(3種類程度)ができる。 | 4 | 前7 |
文字・寸法の記入を理解し、実践できる。 | 4 | 前7 |
建築の各種図面の意味を理解し、描けること。 | 4 | 前7 |
図面の種類別の各種図の配置を理解している。 | 4 | 前7 |
図面の尺度・縮尺について理解し、図面の作図に反映できる。 | 4 | 前7 |
立体的な発想とその表現(例えば、正投象、単面投象、透視投象などを用い)ができる。 | 4 | 前7 |
ソフトウェアを用い、各種建築図面を作成できる。 | 4 | 前8 |
各種模型材料(例えば、紙、木、スチレンボードなど)を用い、図面をもとに模型を製作できる。または、BIMなどの3D-CADにより建築モデルを作成できる。 | 4 | 前8 |
与えられた条件をもとに、コンセプトがまとめられる。 | 4 | 前1,前2,前4,前5 |
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。 | 4 | 前2,前4,前5 |
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などがかける。 | 4 | 前7,前8 |
敷地と周辺地域および景観などに配慮し、配置、意匠を検討できる。 | 5 | 前8 |
設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。 | 4 | 前8 |
講評会等において、コンセプトなどをまとめ、プレゼンテーションができる。 | 4 | 前3,前6,前9 |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 3 | |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 3 | |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0 | 10 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 80 | 0 | 80 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0 | 10 |