専門創造演習

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 専門創造演習
科目番号 0005 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造工学科(建築コース) 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 なし.必要に応じて資料としてプリントを配付する.
担当教員 岩下 勉,窪田 真樹,藤原 ひとみ

到達目標

1.与えられた課題(橋の模型製作,住まいの計画)を創意工夫しながら,チームで取組み,橋の模型製作および住まいの計画ができる.
2.それぞれの課題において,工夫しながら,チームでプレゼンテーションができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1与えられた課題を創意工夫しながら,チームで取組み,完成度の高い橋の模型製作および住まいの計画ができる.与えられた課題を創意工夫しながら,チームで取組み,橋の模型製作および住まいの計画ができる.与えられた課題を創意工夫しながら,チームで取組み,橋の模型製作および住まいの計画ができない.
評価項目2それぞれの課題において,工夫しながら,チームで,説得力のあるあるいは聞き手に訴えかけるプレゼンテーションができる.それぞれの課題において,工夫しながら,チームでプレゼンテーションができる.それぞれの課題において,工夫しながら,チームでプレゼンテーションができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
3年生になると建築の専門科目の授業が増えるが,それぞれの授業は建築の理論を教えるため,学べば学ぶほど難しく感じる者が増え,それがこうじると苦手意識が芽生え,理解を深めきれないもとになることもある.そこで,専門科目の授業を深める前に,深く専門を知らなくとも経験的にあるいは直感的に建築の本質を楽しく理解し,専門科目への興味を引き出し,理解を深めさせる橋渡し役として本科目がある.
一方で,学生の現状をみると次のような気質が感じられる.
1)本来,学問は学べば学ぶほど柔らかい思考力を身につけるはずなのに,その逆になっている学生が多い.
2)図面の書き方やものの作り方を習わないと,工夫して創り出すことや表現ができない学生が多い.
3)建築は1人で為し得る仕事は1 つもないのに,何でもが個人主義的になっていく中で,集団で物事を解決する喜びを知らない.また,集団が個人を成長させることを知らない.
4)これまでに発表の経験はあろうが,概して単語をいくつか並べるだけの言葉足らずが多く,ましてや,淡々として自身の感情を込めず,情熱を持って発表したことが1 度もない.
これらは建築技術者に求められる側面の裏返しと考えてよい.

そこで,本科目は上記に記載した4 つの課題を克服あるいは改善するために,身近な材料を使った橋の模型の製作と住まい計画の作成を行う.その際,提出する作品は以下のことが求められる.
[1] 身近な材料を使った橋の模型の製作(50%)
(1) 要求した条件を満足していること.
(2) 要求した条件下で,できるだけ軽量かつ高耐力なものを製作すること.
(3) 完成した橋の模型は美しい形態であること.
[2] 住まいの計画(50%)
作成した住まいをそのプレゼンテーションも含めて評価する.住まいの計画の中には,快適性と将来性(ライフステージに合わせた変化),表現力が要求される.具体的には以下のような要素が住まいの計画に求められる.
(1) ライフステージの変化が考えられていること.
(2) 計画した案が図面で表現できていること.
(3) 聞き手を納得させるようなプレゼン資料の工夫がなされていること.
授業の進め方・方法:
本科目は演習科目で,かつ,グループでの作業が中心となる.チームで協力して課題解決,作品製作に取り組むことが重要である.
また,課題作成のために,学生自らの必要に応じて授業時間外学習を行う.
[1] 身近な材料を使った橋の模型の製作
(1) 橋の模型の製作に必要な情報を得るため,早い段階で図書館やインターネットを利用して資料を収集する.
(2) 接着剤が固まる時間などを考慮して,計画的に橋の模型を製作する.
(3) 中間発表および発表会(載荷実験になることもある)の準備をする.
[2] 理想の住まいの計画づくり
(1) 将来を想定して具体的なライフステージ毎の暮らしを想像する.必要な資料の収集を行う.
(2) ライフステージ毎に必要となる住まいの空間を資料を収集しながら計画する.
(3)計画した案を図面化する.
(4)中間発表および発表会の準備をする.
注意点:
本演習は専門科目を学習する上での導入教育として位置付けられ,今後の専門科目の履修に活かしていくものである.したがって,高度な知識は前提としておらず,本科目の受講にあたっては国語,数学,物理,社会,美術に関する中学校程度の知識と能力を想定している.
また,予習として,発表の準備,橋の作成や住まいの計画およびその準備等が必要になる.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 科目ガイダンス,橋模型1 本科目の趣旨について理解できるとともに,橋の模型製作のための資料収集を進めることができる.
2週 橋模型2 製作する橋に関する発表および橋の模型製作図の作成を進めることができる.
3週 橋模型3 橋の模型製作を進めることができる.
4週 橋模型4 橋の模型製作を進めることができる.
5週 橋模型5 橋の模型製作を進めることができる.
6週 橋模型6 橋の模型製作を進めることができる.
7週 橋模型7 橋の模型製作を進めることができる.
8週 橋模型8(載荷実験) 製作した橋の模型について載荷実験する.その後,載荷結果に関してグループ内で問題点・改善点および良かった点をディスカッションして,それについてグループの代表者が発表することができる.
2ndQ
9週 住まい作り1 将来の暮らしを想像し、ライフステージ毎に必要な空間をイメージすることができる.
10週 住まい作り2 将来の暮らしを想像し、ライフステージ毎に必要な空間をイメージすることができる.
11週 住まい作り3(中間発表1) 中間発表でアイディアを説明できる.
12週 住まい作り4(中間発表2) 中間発表でアイディアを説明できる.
13週 住まい作り5 住まいの計画作成に取り組むことができる.
14週 住まい作り6 住まいの計画作成に取り組むことができる.
15週 住まい作り7(発表会) 発表会において住まいの計画案を分かりやすく発表することができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3前8,前12,前15
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3前8,前15
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3前2
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3前2
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前3,前4,前5,前6,前7,前13,前14
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前3,前4,前5,前6,前7,前13,前14
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前3,前4,前5,前6,前7,前13,前14
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前3,前4,前5,前6,前7,前13,前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00000100100
基礎的能力0000000
専門的能力00000100100
分野横断的能力0000000