専門基礎演習

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 専門基礎演習
科目番号 0015 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造工学科(建築コース) 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 後期:1
教科書/教材 なし.必要に応じて資料としてプリントを配付する.
担当教員 岩下 勉

到達目標

1.建物・構造物に働く「力」とそれにより作用する現象(変形等)や力の流れを理解することができる.
2.主体性を持ちながら,協働作業を行うことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1構造物に働く力とそれにより作用する現象や力の流れを理解し,力に抵抗する合理的な形を説明できる.構造物に働く力とそれにより作用する現象や力の流れを理解することができる.構造物に働く力とそれにより作用する現象や力の流れを理解することができない.
評価項目2主体性を持ちながら,協働作業を行うとともに,グループ学習を活発できる.主体性を持ちながら,協働作業を行うことができる.主体性を持ちながら,協働作業を行うことができない.
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 B-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
建築の構造は,建物の安全性を保つために重要な役割があるばかりか,多くの魅力を持っている.しかし,「構造力学」や「材料力学」を受講後に,構造に苦手意識を持つ学生,さらには,構造嫌いな学生が出てくるのも事実であり,それによって構造の魅力に気づかない学生も少なくない.非常に残念である.
そこで本科目では,建物・構造物に働く力とそれにより作用する変形や挙動について,実体験をしながら学ぶことを目的としている.これらを通じて,構造力学や材料力学を学ぶ前に,建築構造の面白さや魅力を感じるとともに,建築構造の役割の重要性を認識してもらいたい.また,構造物に作用する力の流れを直感的に掴めるようになって欲しい.
授業の進め方・方法:
本科目は,講義と演習を組み合わせて授業が展開される.到達目標の1つである「構造物に働く力とそれにより作用する現象(変形等)や力の流れを理解」を達成するには,実際の現象とその現象に対する自分自身の感性・感覚がある一致,あるいは,近づくことが重要である.そのためには,自らが自立的,あるいは,主体的に考えて授業・演習に取り組むことが,より重要となる.
また,演習ではグループでの作業を行うため,グループで協力して取り組むとともに,話し合いをしながら,理解を深めていく必要がある.
各課題ではレポート提出がある.レポート作成のために,授業時間外学習を行う.
注意点:
本授業は専門科目,特に,構造力学と材料力学を学習する上での導入教育として位置付けられ,今後の専門科目の履修に活かしていくものである.
また,グローバル化や英語の重要性の観点から,必要性や内容に応じて英語での説明,課題提示が行われる.
なお,この授業は日本女子大学石川教授の「力と形」をベースに展開している.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 科目ガイダンス,美しい建物や地震被害等を見る 本科目の趣旨について理解できる.
2週 積み上げる 積み上げる建造物を学び,高く積み上げることを実践し,崩壊理由を理解できる.
3週 折板の制作 紙を折ったり,組み合わせたりすることで,折板を用いた構造を制作・実験し,折板構造の利点を理解できる.
4週 下から支える 紙を使って柱?のようなものを制作し,どのような形が強かったかの理解できる.
5週 両端から支える 紙を使って,梁あるいは橋のような構造物を制作し,どのような形が強かったかの理解できる.
6週 引張・圧縮 引張力と圧縮力は同じ軸方向力だが,部材に作用した場合,その挙動は異なることを理解できる.
7週 アーチ 圧縮力を利用したアーチを制作し,アーチの力の流れを理解できる.
8週 座屈・モーメント 引張力の作用による座屈やモーメントについて理解できる.
4thQ
9週 単純梁を用いて,梁の変形について理解できる.
10週 ラーメン1 柱と梁からなる門形骨組であるラーメンを制作できる.
11週 ラーメン2 制作したラーメンに水平加力を行い,ラーメンの変形性状やブレースを入れた場合のその効果について理解できる.
12週 ラーメン3 ぶるる*を用いて,ラーメンおよびブレース付きラーメンの動的挙動の違いを理解できる.
*名古屋大学福和研究室製作
13週 トラス1 トラスを利用した橋の制作ができる.
14週 トラス2 トラスを利用した橋の制作・実験し,どのような形が強かったのか理解できる.
15週 まとめ これまでの授業で学んだことをまとめるとともに,この授業で学んだことが,今後どのように展開するのか理解する.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合000206020100
基礎的能力0000000
専門的能力0000602080
分野横断的能力000200020