都市計画

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 都市計画
科目番号 0039 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 創造工学科(建築コース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 薬袋他『生活の視点でとく都市計画(彰国社)』と配布するプリント。副読本は,伊藤他『都市計画とまちづくりがわかる本(彰国社)』,饗庭他『初めて学ぶ都市計画(市ヶ谷出版社)』,中島他『都市計画学:変化に対応するプランニング(学芸出版社)』。参考図書も適宜紹介する。
担当教員 加藤 浩司

到達目標

1.都市を取り巻く環境の変化を理解しつつ,私たちの生活の場である都市空間のこれからの姿と,その実現を支える都市計画の枠組み・課題を説明できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1都市を取り巻く環境の変化を理解しつつ,私たちの生活の場である都市空間のこれからの姿と,その実現を支える都市計画の枠組み・課題を的確かつ詳細に説明できる。都市を取り巻く環境の変化を理解しつつ,私たちの生活の場である都市空間のこれからの姿と,その実現を支える都市計画の枠組み・課題を説明できる。都市を取り巻く環境の変化を理解しつつ,私たちの生活の場である都市空間のこれからの姿と,その実現を支える都市計画の枠組み・課題を説明することができない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 わが国では,人口減少時代・低成長時代を迎え,都市計画に求められる役割は少しずつ変わりつつある。
 このような社会の動きも理解しつつ,私たちの生活の場である都市空間,もう少し言うと,様々な人が集まり生活する場である都市空間のこれからの姿と,その実現を支える都市計画の枠組み・課題を説明できるようになること。ここが本科目でめざすところである。この過程で,その周りを取り巻くさまざまな環境との関係で都市を捉えることの大切さも知ってほしい。
授業の進め方・方法:
 授業は,配布するプリントと教科書を使い講義形式で行います。
 都市計画は,目の前に広がる景色全体が教科書です。問題意識や注意力をもって,日頃から景色を観察することが何より大切です。
注意点:
 授業には,予習をして臨んでください。授業終了後は,各回の学習内容の定着と理解を図るため,プリントおよび教科書の見直しをするよう心掛けてください。

 本科目の位置付けは,以下の通りです。
(1)本科目は「都市計画」という特定領域を扱う授業ですが,都市計画の専門家を育成することを目的に行うものではありません。本科目では,将来は建築の実務に就くことを想定し,都市を取り巻く環境の変化について理解するとともに,その中での都市計画の枠組みと課題を学んでほしいと考えています。
(2)都市計画・まちづくりを専攻する人にとっては,その入門編という位置づけです。このような人たちには,本科目の成果として,今後の研究・設計活動の手がかりをつかんでくれることを期待します。
(3)本科目で学習する都市計画関連制度の詳細は,5年生の「建築法規」で確認してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,都市と都市計画/都市の住まいと住環境(1) 本科目の目的と構成,進め方,ならびに評価方法等を知る。都市の特性(定義),都市計画の役割,わが国における都市の形成過程(概要)を説明できること。わが国における住まいと住宅政策の移り変わりについて説明できること。
2週 都市の住まいと住環境(2) 近隣住区論とニュータウン開発(代表的な事例の計画手法等も含む)について説明できること。住環境マネジメントの必要性を理解し,超高齢化・人口減少時代の住環境計画(郊外住宅団地,郊外戸建住宅地)について説明できること。
3週 都市計画法による都市計画のしくみとマスタープラン 都市計画法の位置づけ,都市計画法による都市計画のしくみ,都市のマスタープランの役割・種類について説明できること。
4週 土地利用と建築物のコントール(1) 土地利用コントロールのしくみを説明できること。区域区分制度と開発許可制度,建築物の用途・密度・形態コントールの方法,地区スケールの計画とルールについて説明できること。
5週 土地利用と建築物のコントール(2)/市街地開発事業 用途地域と実態としての土地利用の矛盾について理解すること。市街地開発事業の種類を知り,土地区画整理事業と市街地再開発事業について説明できること。
6週 土地利用計画と市街地開発事業をめぐる近年の話題 立地適正化計画制度とその創設背景,低成長時代の市街地開発事業のあり方等,土地利用計画と市街地開発事業をめぐる近年の話題について説明できること。
7週 中間試験 第6週までの学習内容について,達成度を確認できること。
8週 都市の機能と暮らしを支える交通計画 都市道路網の計画(道路の機能と段階構成,商業地・住宅地での計画等),公共交通の計画,都市交通計画立案のための調査手法について説明できること。
2ndQ
9週 都市と自然 都市の緑の種類と保全策,公園の種類と計画,農村の計画等について説明できること。
10週 都市と防災 防災計画の視座としくみ,都市の防災計画(単体・地域の規模別のハード対策,ソフト対策),災害復興の取り組みについて説明できること。
11週 都市の景観と景観まちづくり 都市景観の構成要素と種類,さまざまな景観まちづくり(歴史的市街地,住宅地等),景観法と景観計画,パブリックスペースの整備・活用等について説明できること。
12週 参加・協働のまちづくり 参加・協働のまちづくりの定義と意義,密集市街地再編等の事例学習を通じて,参加・協働のまちづくりの方法としくみ(計画プロセス等)について説明できること。
13週 近代都市論の発展 近代都市論誕生の動き,田園都市論とその後の住宅地開発への影響について説明できること。近代の都市,近代の都市計画の特徴について説明できること。
14週 現代に至る都市論の展開 ル・コルビジェが提案した機能的都市,ジェイン・ジェイコブスによる都市論,クリストファー・アレグザンダーによる都市論について説明できること。現代都市の特徴と課題を説明できること。
15週 期末試験 主に,第7週目から第14週目までの学習内容について,達成度を確認できること。
16週 総括 本科目での学習内容について,達成度を確認できること。本科目での学習内容の活かし方を理解できること。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3前2,前6
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3前6
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3前9,前10,前11
専門的能力分野別の専門工学建築系分野計画・歴史現代社会における都市計画の課題の位置づけについて説明できる。4前1
近現代都市の特質と課題について説明できる。4前13,前14
近代の都市計画論について説明できる。4前13
現代にいたる都市計画論について説明できる。4前14
市街地形成と都市交通のあり方について説明できる。4前8
街路計画の手法と理念について説明できる。4前8
日本の土地利用計画の仕組みについて説明できる。4前5
方法・制度の変遷について説明できる。4前6
景観形成・風景計画、用途・形態規制の仕組みについて説明できる。4前11
市街地を開発する仕組みについて説明できる。4前5
土地区画整理事業について説明できる。4前5
市街地再開発事業について説明できる。4前5
地区計画制度について説明できる。4前4
建築協定・緑化協定などの住民参加・協働のまちづくりの体制について説明できる。4前4,前12
都市と農村の計画について説明できる。4前9
都市・地区・地域・建築物の規模に応じた防災に関する計画、手法などを説明できる。4前10

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000100100
基礎的能力0000000
専門的能力8000010090
分野横断的能力100000010