到達目標
1.整式の加減乗除の計算や基本的な因数分解ができる.
2.基本的な分数式の加減乗除の計算ができる.
3.恒等式を理解している.
4.積の法則と和の法則の違いを理解し,順列や組合せの基本的な計算ができる.
5.余事象の定理,確率の加法定理や乗法定理,事象の独立を理解している.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 複雑な整式の加減乗除の計算や因数分解ができる. | 整式の加減乗除の計算や基本的な因数分解ができる. | 整式の加減乗除の計算や基本的な因数分解ができない. |
評価項目2 | 複雑な分数式の加減乗除ができる. | 簡単な分数式の加減乗除の計算ができる. | 基本的な分数式の加減乗除の計算ができない. |
評価項目3 | 恒等式を利用し,式の変形ができる. | 恒等式を理解している. | 恒等式を理解していない. |
評価項目4 | 順列や組合せを利用して,いろいろな場合の数が計算できる. | 積の法則と和の法則の違いを理解し,順列や組合せの基本的な計算ができる. | 積の法則と和の法則の違いを理解できず,順列や組合せの基本的な計算ができない. |
評価項目5 | いろいろな確率が計算できる. | 余事象の定理,確率の加法定理や乗法定理,事象の独立を理解している. | 余事象の定理,確率の加法定理や乗法定理,事象の独立を理解していない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
工学(理系の学問)を学ぶとき,数学は絶対に必要不可欠です.なぜならば,工学の内容は,主に,数式などの数学の記号を用いて書かれていて,(微分積分法や線形代数的手法などと呼ばれる)数学の計算方法を用いて計算されたりしているからです.また,工学の問題を解くときの考え方(論理的思考:「これが,こうなって,次にこうなるから,ここはこうなる」というような考え方)は,数学の問題を解くときの考え方と似ているからです.つまり,工学を勉強するためには,数学の内容と考え方をマスターしなければなりません.
そこで,高専で数学を学ぶ上では,次のことが重要になります.
1) 中学までに学んできた数学の数式だけでは不十分で,工学に応用できません.新しい数式(さまざまな関数)などが必要になります.ですから,まず,この新しい数式などをしっかり理解することが第一歩になります.
2) 次に,数式だけが新しくなってもダメです.いくつかの新しい計算方法が必要になります.さらに,新しい計算方法を組み合わせて使ったりすることも必要になります.ですから,この新しい計算方法のことを理解し,応用できなければなりません.
3) そして,問題を解くとき,解くための筋道(「最初こうして,次にこうしていけば,・・・こうなって解ける」など)を考えることは,常に必要です.つまり,論理的思考能力を身に付けていかなければなりません.
ただし,2)に関係することは,上学年で学びます.
この科目では,上の1),3)に関連して,次のことに重点を置いて,授業を行います.
1) 数式(とくに分数の文字式)の計算が確実にできること.高次方程式の解法などを理解し解けること.
場合の数の数え方、確率についてのこと(確率の概念)を理解し,論理的な考えにしたがって,確実に計算ができること.
3) 常に,筋道を立てた考え方を行う習慣を付けること.
とくに,3)については,たとえば,例題の解法を理解し,その解法を類似の問題へアレンジして適用できるようになることは勿論のこと,新しい数式が専門科目に使われるときにすぐに応用できるようになること,さらに,数学や専門科目などの学問だけに限らず,日常のさまざまな場面でも,新しい数式などが利用できないかと考え続けることも含まれます.
授業の進め方・方法:
講義形式,グループワーク等による授業および問題演習の形で進めます.内容の理解と定着をはかるため,教科書本文中の演習問題あるいは教科書巻末の問題集の演習問題のいくつかを適宜レポートとして解答・提出してもらいます.
注意点:
中学校と異なり,授業の進度がかなり早くなるので,内容の理解度を上げるためには,予習を心がけるようにしてください.
成績には4回の定期試験を入れます。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業の概要説明,整式の加法,減法 |
文字式の足し算,引き算などの計算ができること.
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2週 |
整式の乗法 |
文字式のかけ算,展開などの計算ができること.
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3週 |
整式の除法 |
文字式の割り算の計算ができること.
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4週 |
因数分解 |
様々な式の因数分解ができること.
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5週 |
因数分解 |
様々な式の因数分解ができること.
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6週 |
因数定理,組み立て除法 |
次数の高い文字を含む式を因数分解する方法を理解し,計算できること.
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7週 |
高次方程式 |
次数の高い文字を含む方程式の解法を理解し,解けること.
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
分数式の乗法,除法 |
分母に文字を含む式の乗法,除法が計算できること.
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10週 |
分数式の加法,減法 |
分母に文字を含む式の加法,減法が計算できること.
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11週 |
繁分数の計算 |
複雑な分数式(分母や分子にさらに分数式を含む式)の計算ができること.
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12週 |
恒等式 |
恒等式の概念を理解し,恒等式の係数を決定する計算ができること.
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13週 |
等式の証明 |
等式を証明する方法を理解し,様々な等式の証明ができること.
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14週 |
不等式の証明 |
不等式を証明する方法を理解し,様々な不等式の証明ができること.
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
必要条件,十分条件 |
「PならばQ」および「QならばP」の真偽の判定ができること.
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2週 |
集合 |
ものの集まりについて考えるとき用いる様々な用語と記号を理解すること.
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3週 |
集合の要素の個数 |
複数の集合の共通部分の個数などの関係を理解し,個数を求められること.
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4週 |
場合の数・樹形図 |
・事柄が起こる場合の数の数え方についての基本的な考え「和の法則」「積の法則」を理解すること. ・ある事柄が起こる場合の数を,かけ算で求めることができるとき,その計算ができること.
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5週 |
順列 |
n 個のものから r 個取り出して,一列に並べる並べ方は何通りかが関係する問題が解けること.
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6週 |
組み合わせ |
n 個のものから r 個取り出す取り出し方は何通りかが関係する問題が解けること.
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7週 |
確率に関する用語,確率とその基本的性質 |
・確率に関係する用語と記号の意味を理解すること. ・確率の定義と,その基本的な性質を理解すること.
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
確率の加法定理 |
足し算によって計算される確率について,その計算ができること.
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10週 |
余事象の定理 |
ある事が起こらない確率は,1からその事が起こる確率を引いた値であることを利用して問題が解けること.
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11週 |
条件付き確率 |
あることが起こったという状況で,その次のことが起こる確率についての概念を理解すること.
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12週 |
確率の乗法定理 |
かけ算によって計算される確率について,その計算ができること.
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13週 |
事象の独立と従属 |
あることが起こることと別のことが起こることの関係について理解すること.
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14週 |
様々な確率の計算 |
いろいろな確率の計算ができること.
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。 | 2 | 前1,前2,前3 |
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。 | 2 | 前4,前5,前6 |
分数式の加減乗除の計算ができる。 | 2 | 前9,前10,前11 |
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。 | 1 | 前7 |
恒等式と方程式の違いを区別できる。 | 1 | 前12 |
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。 | 2 | 後4 |
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。 | 2 | 後5,後6 |
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。 | 2 | 後9,後10,後14 |
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。 | 2 | 後11,後12,後13,後14 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 0 | 30 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 70 | 0 | 0 | 0 | 30 | 0 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |