基礎物理学Ⅰ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 基礎物理学Ⅰ
科目番号 1Z004 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 教科書:『総合物理1 様々な運動・熱・波』 植松恒夫、酒井啓司、下田正/啓林館、 副教材:『センサー総合物理 補訂版』 高校物理研究会・啓林館編集部/啓林館、 『改訂版 フォトサイエンス 物理図録』 数研出版編集部/数研出版
担当教員 酒井 健,鮫島 朋子,竹内 伯夫

到達目標

1.物体の運動に関する基礎的な計算をすることができる。
2.力のつりあいに関する基礎的な計算をすることができる。
3.運動の法則に関する基礎的な計算をすることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物体の運動について、変位・速度・加速度を時間の変数としてとらえ、それらの関係式を用いてやや複雑な問題を解くことができる。落体の運動についての応用問題を解くことができる。物体の運動について、時間・変位・速度・加速度の関係式を用いて、等速度運動や等加速度運動の基本的な問題を解くことができる。落体の運動についての基本的な問題を解くことができる。物体の運動について、時間・変位・速度・加速度の関係式を用いて、等速度運動や等加速度運動の基本的な問題を解くことができない。
評価項目2力のつりあい・剛体にはたらく力のつりあいについて、より一般的なつりあいの関係式を表すことができる。 剛体のつりあいについての応用問題を解くことができる。 物体にはたらくいろいろな力を指摘し、2次元の力のつりあいについて関係式を表すことができる。 剛体にはたらく力のつりあいについて、つりあいの関係式を表すことができる。 物体にはたらくいろいろな力を指摘できない。2次元の力のつりあいについて、関係式を表すことができない。 剛体にはたらく力のつりあいについて、つりあいの関係式を表すことができない。
評価項目3運動の法則について理解し、論理的に説明できる。力がはたらくときの物体の運動について、応用問題を解くことができる。物体にはたらく力との物体の運動の関係について理解し、等加速度の場合について運動方程式を立てることができる。力がはたらくときの物体の運動について、基本的な問題を解くことができる。物体にはたらく力との物体の運動の関係について理解できない。等加速度の場合について運動方程式を立てることができない。力がはたらくときの物体の運動について、基本的な問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 C-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 中学校の理科1分野で学習してきた内容の中で、力・運動・熱・電気などの分野を「物理学」という。私たちの身の回りに起こる現象を理解し、それを応用して物を作る優れたエンジニアになるためには、自然現象の中に潜む法則を理解し、それを応用する能力を身につけることが必要である。
 物理学は自然現象の規則性や法則性を実験的あるいは理論的に学ぶ学問で、その成果や手法は工学分野にも広く利用されている。特に、本校で習う専門科目を理解するためには、物理学を高学年まで系統的に学習し、物理学で習得した物の見方、考え方をしっかり身につけておく必要がある。1年の基礎物理学では、広範囲にわたる物理学の内容の中で、力と運動に関する分野(力学)について学ぶ。力学を最初に学ぶのは、他の分野のすべてにつながる最も重要な分野だからである。この授業では、力学のさまざまな現象を、数値や数式を用いて表現する方法を習得する。
授業の進め方・方法:
 講義中心の授業を行う。内容の理解と定着をはかるため、演習問題を適宜レポートとして、授業の進度に合わせて解答・提出してもらう。また、必要に応じて小テスト等を実施する。
 なお、定期試験および課題試験等 60%、小テスト 20%、宿題の提出および解答状況 20%の比率で総合的に評価する。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業の概要説明
第1章 物体の運動
1. 速度
・速さと速度
「速さ」と「速度」の言葉の定義、「平均の速さ」と「瞬間の速さ」について理解できる。
2週 ・変位と速度 位置と変位について理解できる。
直線上を運動する場合について「平均の速度」と「瞬間の速度」の基本的な計算ができる。平面上を運動する場合について「平均の速度」と「瞬間の速度」の基本的な計算ができる。
3週 ・等速直線運動
・速度の合成と分解
等速直線運動を表す式とグラフについて理解できる。
直線上と平面上の速度の合成について理解できる。
速度を x 成分と y 成分に分解できる。
4週 ・相対速度 直線上と平面上の相対速度について理解できる。
5週 2. 加速度
・加速度
「加速度」の言葉の定義、加速度の向き、v-tグラフと加速度、平面上での加速度ついて理解できる。
6週 ・等加速度直線運動(1) 等加速度直線運動の速度や位置を表す式について理解できる。
加速度が負の運動について理解できる。
7週 ・等加速度直線運動(2) 等加速度直線運動をしている物体の時間・変位・速度・加速度の関係について、基本的な計算ができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 テスト返却と解説
3. 落体の運動
・自由落下
落体の運動(自由落下)について理解できる。
10週 ・鉛直投射 落体の運動(鉛直投げおろし、鉛直投げ上げ)について理解できる。
11週 ・水平投射 落体の運動(水平投射)について理解できる。
12週 ・斜方投射 落体の運動(斜方投射)について理解できる。
13週 第2章 力と運動
1. 力
・力の表し方
・いろいろな力
・力の合成と分解
力の表し方、いろいろな力について理解できる。
力の合成・分解について理解できる。
14週 ・力のつりあい(1次元)
・作用と反作用
力のつりあいについて理解できる。
1次元の力のつりあいの問題について、基本的な計算ができる。
作用・反作用の法則について理解できる。
作用・反作と2力のつりあいの関係について理解できる。
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説
後期
3rdQ
1週 2. 運動の法則
・力のつりあい(2次元)
2次元の力のつりあいの問題について、基本的な計算ができる。
2週 ・慣性の法則
・運動の法則
慣性の法則、運動の法則について理解できる。
3週 ・運動方程式
・重さと質量
・単位と次元
運動方程式、重さと質量について理解できる。
運動の三法則について理解できる。
単位と次元について理解できる。
4週 3. 様々な力と運動
・いろいろな運動と運動方程式 (1)
糸でつるした物体の運動、糸でつながれた2物体の運動について運動方程式が立てられる。
5週 ・いろいろな運動と運動方程式 (2) 押し合う力がはたらく複数の物体の運動について運動方程式が立てられる。
6週 ・静止摩擦力
・摩擦角
静止摩擦力、最大摩擦力、摩擦角について理解できる。
静止摩擦力がはたらく物体について、力のつりあいの式が立てられる。
7週 ・動摩擦力
・あらい面上での物体の運動
動摩擦力について理解できる。
動摩擦力がはたらく物体の運動について、運動方程式が立てられる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 テスト返却と解説
・圧力(大気圧・水圧)
圧力(大気圧・水圧)について理解できる。
10週 ・浮力
・空気抵抗がはたらく落体の
運動
浮力について理解できる。
空気の抵抗がはたらく場合の運動について理解できる。
終端速度について理解できる。
11週 第3章 剛体のつり合い
1. 剛体のつり合い
・剛体にはたらく力のモーメント
力の作用点と作用線について理解できる。
力のモーメントについて理解できる。
12週 ・剛体のつりあい 並進運動、回転運動について理解できる。
剛体のつり合いについて理解できる。
13週 ・剛体にはたらく力の合成
・偶力
平行で同じ向きの2力・逆向きの2力の合成について理解できる。
偶力について理解できる。
14週 ・重心
・物体が倒れない条件
いろいろな形の物体の重心を求められる。
物体が倒れない条件について理解できる。
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前1,前5
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前3,前4
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前6,前7
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前2
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3前2,前5
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前9,前10
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前11,前12
物体に作用する力を図示することができる。3前13
力の合成と分解をすることができる。3前13,後13
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前13,後9
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前13
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3前14,後1
慣性の法則について説明できる。3後2
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前14
運動方程式を用いた計算ができる。3後3,後4,後5
運動の法則について説明できる。3後2
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3後6
最大摩擦力に関する計算ができる。3後6
動摩擦力に関する計算ができる。3後7
力のモーメントを求めることができる。3後11,後13
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3後12
重心に関する計算ができる。3後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力60000400100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000