工学基礎Ⅰ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 工学基礎Ⅰ
科目番号 1Z013 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造工学科 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 適宜
担当教員 清水 暁生,出口 智昭,明石 剛二,松野 良信,岩下 勉

到達目標

1.技術者が社会に果たしてきた,あるいはこれから果たすべき役割・責任を説明できる
2.様々な分野の概略的内容と他分野の関連について説明できる
3.科学と技術の関連及び技術者として必要な学習,心得を説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1技術者が社会に果たしてきた役割について的確に把握するとともに,これから果たすべき役割・責任について自分の意見を明確に持って,詳細に説明できる技術者が社会に果たしてきた役割についておおよそ把握するとともに,これから果たすべき役割・責任について説明できる技術者が社会に果たしてきた役割について把握することができず,これから果たすべき役割・責任についても説明できない
評価項目2様々な分野の歴史や概略的内容及び他分野との関連を的確に把握し,それを明確に説明できる様々な分野の歴史や概略的内容及び他分野との関連をおおよそ把握し,それを説明できる様々な分野の歴史や概略的内容及び他分野との関連を把握できず,それを説明できない
評価項目3科学と技術の関連を的確に把握し,技術者としてび必要知識や心得を十分に説明できる科学と技術の関連をおおよそ把握し,技術者としての必要知識や心得をある程度説明できる科学と技術の関連を把握できず,技術者として必要な知識や心得を説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-2 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
技術者とはどういう者か,技術者倫理とはどういうことかを学ぶことで,技術者の社会に対する責任・役割の理解を目指す科目です。また,電気,化学,生物,環境,機械,電子,情報,建築といった分野における現状と現在までのさまざまなみちのり(技術史)を学ぶことで,専門分野を問わず創造工学科学生として備えておくべき幅広い知識を深め,視野を広げます。また,技術者としての態度,志向性も学習し,技術者としての精神・素養を涵養します。
*SDGs 目標9に関連
*本科目は「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)」構成科目です。(「授業の属性・履修上の区分)では文字制限の都合上「☑AI関連」と区分しています)
授業の進め方・方法:
環境・エネルギー工学系,人間・福祉工学系の教員が3 週ずつ担当し,主に講義を行います(一部演習等の場合があります)。
注意点:
授業の順番はクラスによって異なります。
レポート100%で評価します。レポートの内容・提出方法などは各担当教員から指示しますが,レポートの提出期限は厳守です。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
☑AI関連

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電気の歴史(1) 古代の電気と磁気,静電気,電池,動電気について説明を行う。これらについて,理解できていること。
2週 電気の歴史(2)
技術系の法律
発電機と電動機,電信と電話,電灯と電力技術について説明を行う。これらについて,理解できていること。
技術系の法律の存在と,その必要性を理解できていること.
3週 電気の歴史(3)
技術者に求められる倫理
20世紀の社会と市民生活における電気,半導体とコンピュータについて説明を行う。これらについて,理解できていること。
技術者の求められる倫理観の存在と,その必要性を理解できていること.
4週 ものの誕生(原子、分子と生物) 我々の周りにある全ての製品(もの)は原子がつながった分子でできている。原子の成り立ちは約140億年前にさかのぼるとされており,我々生物は分子が集合してできたもので,地球上で約40億年前に誕生したとされている。原子,分子,生物の誕生を概説し,その流れを理解する。また,原子,分子,生物の誕生が必然か偶然かを考える。これらのことを通してものの誕生を理解することができること。
5週 工学の進展(技術者とその創造性) 自然科学(数学や理科)の知識を有用な,便利な製品として社会に出すことには技術者の力によるところが大きい。現在,学校や企業において,異なった様々な分野の知識力,技術力を持ち寄り連携することによって,”新しいもの”を作り出すことが可能となっている。このとき,技術者の創造性が重要な位置を占めており,これらのことを科学技術の発展例を通して,技術者の知識,行動に培われた創造性の重要性を理解する。これらのことを通して技術者となどのような者かを理解できること。
6週 技術者とその役割 工学の進展はわれわれ人類の発展を現実のものにしてきた。そこには,成功の歴史だけではなく,失敗(負の部分)があることも事実である。近年の地球環境への様々な影響を技術者がどおように関わり合い,解決できるかを考えることを通して,技術者とその役割を理解する。これらのことを通して技術者の役割が理解できること。
7週 ものづくりにおけるメカニクスの役割 古代のものづくりに使用された単純機械から現代の最新機械までの動向を学び,メカニクスの技術がどのようにものづくりに貢献してきたか考えることで,メカニクスの果たす役割が理解できていること。
8週 自動化に寄与するメカニクス 近年,「自動化」という言葉が注目されている.メカニクスの観点から,「自動化」がどのような分野へ適用され,どのような技術が必要であるか,また.それを実現化する技術者の仕事内容や安全面を切り口とした技術者としての責任を学ぶ.そのうえで,企業がどのように「自動化」に取り組んでいるかに関して理解できていること.
2ndQ
9週 諸課題の解決に取り組むメカニクス 人類が開発してきたエネルギー源の歴史と今後のあり方について考え,現在,深刻化しつつある地球温暖化問題に対していかに対応すべきか,具体例を挙げて示し,国内外の状況を含めてどのように諸課題に取り組んでいるか理解できていること.
10週 電子機器としてのコンピュータ
コンピュータとは何かから,コンピュータの誕生から現在にいたるまでの,コンピュータの発展の歴史を把握できる.その中で,特にコンピュータを構成する電子部品にも注目し,その変遷の概観を得ることができる.また現在のコンピュータのハードウェア的要素について認識できる.
11週 情報処理装置としてのコンピュータ
まず,情報とは何かを考え,コンピュータでそれらの情報がどのように扱われるのか概略を理解できる.また,ハードウェアとソフトウェアとの関係を見ながら,ソフトウェアが進歩してきた歴史を把握し,今後どのように応用されていくのか考察できる.
12週 コンピュータをとりまく環境 コンピュータの利用目的や利用形態の変遷とインターネットとの関連を理解できる.また,身の回りにある誤情報や最近のコンピュータの不正利用等に対して,安全な情報や適切なコンピュータの利用について考えることができる.さらに,今後のコンュータとの付き合いかたについても考察できる.
13週 人類の文明,文化における建築の役割 人類の文明,文化における建築や土木の役割を,歴史的および世界的な視点から理解する.また,建築家の仕事の紹介を通じて,建築の仕事の意味を理解する.
14週 「世界の建築探検」調査 コンクリート,鋼,木のほか竹,土,石等様々な材料で作られた建築物(土木構造物も可)を各人1つずつ,書籍等を使い調査し,A4用紙2枚にまとめる.
15週 「世界の建築探検」発表会 各人の調査した建物の魅力を,各グループで発表する.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史社会における技術者の役割と責任を説明できる。3前1,前5,前7,前8,前12,前13
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3前3,前6,前9,前13
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3前1,前2,前4,前7,前8,前10,前11,前13,前14,前15
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3前2,前4,前7,前10,前11,前13
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3前1,前5,前7,前13
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3前3,前5,前8,前13
企業には社会的責任があることを認識している。3前3,前6,前8,前12,前13
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3前3,前6,前9,前13
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3前3,前6,前8,前13
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3前2,前6,前9,前12,前13
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3前1,前5,前9,前12,前13
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3前1,前5,前7,前12,前13,前15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00001000100
基礎的能力00001000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000