代数・幾何Ⅰ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 代数・幾何Ⅰ
科目番号 2Z003 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 有明高専の数学 第2巻;有明高専数学科編、配付資料等
担当教員 田端 亮,鮫島 朋子

到達目標

1.ベクトルの基本的な計算ができ,それを利用して平面および空間内の図形の性質を調べることができる.
2.ベクトルを用いて,空間内の図形の方程式を求めることができる.
3.行列の基本的な操作ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ベクトルの和・差・実数倍と内積を正しく求め,図形の性質を説明することができる.ベクトルの和・差・定数倍と内積を正しく求めることができる.ベクトルの和・差・定数倍と内積を正しく求めることができない.
評価項目2ベクトルを用いて,空間内の直線・平面・球面の位置関係や性質を説明することができる.ベクトルを用いて,空間内の直線・平面・球面の方程式を求めることができる.ベクトルを用いて,空間内の直線・平面・球面の方程式を求めることができない.
評価項目3行列の和・差・実数倍・積および掃き出し法による連立 1 次方程式の解を求めることができ,図形との関連性を説明することができる.行列の和・差・実数倍・積および掃き出し法による連立 1 次方程式の解を求めることができる.行列の和・差・実数倍・積および掃き出し法による連立 1 次方程式の解を求めることができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 工学を学ぶために,数学は必要不可欠です.なぜなら,工学の主たる部分は,数学的な記法(数式など)を用いて記述されたり,数学的手法(微分積分法や線形代数的手法など)を用いて展開されているからです.また,工学の問題を解決するときの論理的思考形態(道筋を立ててものごとを考えていくことなど)は,数学の問題を解くときのそれに類似しているからです.つまり,工学を学ぶためには,さまざまな数学の記法や手法(新しい数式や新しい計算方法など)を理解し,確実に使いこなせる必要があります.
 この科目では,ベクトル・行列という数学の新しい概念(数式と計算方法)を学びます.特に,次の1),2)に重点を置いて,授業を行います.
1)ベクトル・行列・行列式という新しい数学の概念(数式)を理解し,それらの基本的な計算法を習得すること.
2)ベクトル・行列が様々な問題に応用できることを認識し,それらの応用法を習得すること.
授業の進め方・方法:
 講義および演習によって授業を進めます.必要に応じて,オンライン上の教材も使用します.内容の理解と定着をはかるため,演習問題等を解答・提出してもらいます.
注意点:
 ベクトル・行列の内容は,物理学や多くの専門科目で使用される内容ですので,復習と予習を心掛けるようにしてください.

 成績には4回の定期試験を入れます.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業概要の説明
平面ベクトルの定義
平面ベクトルの定義を述べることができる.
2週 平面ベクトルの和・差 平面ベクトルの和および差を求めることができる.
3週 ベクトルの実数倍と平行 ベクトルの実数倍を求めることができ,平行な 2 ベクトルについて説明することができる.
4週 ベクトルの成分 ベクトルを成分表示し,それを用いて和や差,実数倍を求めることができる.
5週 ベクトルの内積 内積の定義と性質を理解し,その値を求めることができる.
6週 位置ベクトル① 位置ベクトルの考え方に基づき,線分の内分点・外分点を表現することができる.
7週 位置ベクトル② 位置ベクトルの考え方を用いて,同一直線上にある 3 点や,2 直線の交点を表現することができる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 直線のベクトル方程式 平面内の直線のベクトル方程式を求めることができる.
10週 点と直線の距離,円のベクトル方程式 点と直線の距離を用いて,平面内の円の方程式を求めることができる.
11週 空間ベクトルの定義と演算 3次元空間の座標系の概念と幾何・代数ベクトルの定義を理解し,加減・実数倍の計算ができる.
12週 空間ベクトルの成分 ベクトルを成分表示し,それを用いて和や差,実数倍を求めることができる.
13週 空間ベクトルの内積 内積の定義と性質を理解し,その値を求めることができる.
14週 位置ベクトル 位置ベクトルの考え方を用いて,同一直線上にある 3 点や,同一平面上にある点を表現することができる.
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説
後期
3rdQ
1週 3次元ベクトルの外積 空間ベクトルの外積の定義を理解し,成分を用いて求めることができる.
2週 空間の基本的図形 空間内の直線と平面の位置関係について説明することができる.
3週 直線のベクトル方程式 ベクトル方程式を用いて,空間内の直線の方程式を求めることができる.
4週 平面のベクトル方程式 ベクトル方程式を用いて,空間内の平面の方程式を求めることができる.
5週 直線と平面のなす角 空間内の直線や平面のなす角を求めることができる.
6週 点と平面の距離 点と平面の距離の公式を導出し,活用することができる.
7週 球面の方程式 平面内の球面の方程式を求めることができる.
8週 中間試験
4thQ
9週 行列の定義,和,差,実数倍 行列の和・差・実数倍を求めることができる.
10週 行列の積 行列の積を求めることができる.
11週 逆行列 逆行列の定義を理解し,2 次正方行列の逆行列を求めることができる.
12週 連立 1 次方程式と掃き出し法 掃き出し法に用いて,連立 1 次方程式を解くことができる.
13週 掃き出し法の逆行列への応用 掃き出し法を用いて,逆行列を求めることができる.
14週 転置行列,対称行列,直交行列 転置行列の操作に基づいて,対称行列,直交行列を判定することができる.
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学2点間の距離を求めることができる。3前4,前5
内分点の座標を求めることができる。3前6,前14
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3前9,後3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3前10
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3前1,前2,前11,前12
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3前4,前12
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。2前5,前13
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。2前3,前7,前9,前10,後2,後5,後6
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。2後3,後4,後7
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。2後9,後10
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。2後11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力70000300100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000