概要:
工学の修得に,数学は必要不可欠です.工学の主たる部分は,数学的記法(新しい数式など)や数学的手法(新しい計算方法など)を用いて展開されるからです.また,工学の問題を解決するための論理的思考形態(筋道を立てた考え方)は数学のそれと類似のものだからです.
この科目の主な内容は,一言で言えば,これまでに学んできた数学の総決算です.複数箇所で学んできた事柄を組み合わせて解く問題や大学編入試験のレベルの問題を演習します.したがって,この科目の授業目標は,主として,次のとおりです.
1) これまで学んできた数学の内容(記法・手法)を再確認すること.
2) これまで学んできた事柄を組み合わせたりして,大学編入試験レベルの問題を解けるようになること.
3) 常に,筋道を立てた考え方を行う習慣を付けること.
3)については,たとえば,例題の解法を理解し,その解法を類似の問題へアレンジして適用できるようになることは勿論のこと,新しい数式が専門科目に使われるときにすぐに応用できるようになること,さらに,数学や専門科目などの学問だけに限らず,日常のさまざまな場面でも,新しい数式などが利用できないかと考え続けることも含まれます.
授業の進め方・方法:
講義形式,グループワーク等による授業の形で進めます.事前学習として課題を課します。授業時には,その課題内容について解説し内容の理解をはかるための小テストを実施します。課題は提出してもらい,小テストの得点とともに、ポートフォリオとして評価します.
注意点:
4年生までに学習した数学の知識を利用しますので,予習をして,利用する知識を準備して講義に臨むように心がけるようにしてください.
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。 | 3 | 後5 |
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。 | 3 | 後5 |
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。 | 3 | 後6 |
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。 | 3 | 後7 |
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。 | 3 | 後7 |
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。 | 3 | 後12 |
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。 | 3 | 後12 |
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。 | 3 | 後12 |
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。 | 3 | 後2 |
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。 | 3 | 後4 |
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。 | 3 | 後4 |
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。 | 3 | 後4 |
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。 | 3 | 後3 |