人間科学

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 人間科学
科目番号 5Z015 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:1
教科書/教材 参考図書(購入の必要はない)  上田真啓『ジャイナ教とは何か 菜食・托鉢・断食の生命観』/風響社ブックレット・アジアを学ぼうNo.49 渡辺 研二『ジャイナ教―非所有・非暴力・非殺生 その教義と実生活』/論創社  中村 元『思想の自由とジャイナ教』中村元選集第 10 巻/春秋社 定方晟『インド宇宙論大全』/春秋社
担当教員 山口 英一

到達目標

1.バラモン教とは異なる「自由思想家」とは何かを説明できる。
2.ジャイナ教の基本的な考え方について説明できる。
3.現代インドの文化・価値観に関して,いくつかを自分の視点から説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1バラモン教とは異なる「自由思想家」たちの思想体系の特徴を社会変化と関連づけて説明できる。バラモン教とは異なる「自由思想家」とは何かを不十分ながら説明できる。バラモン教とは異なる「自由思想家」とは何かを説明できない。
評価項目2ジャイナ教思想による世界理解,それを支える理論,理論に基づく行動規範などを説明できる。ジャイナ教の基本的な考え方について不十分ながら説明できる。ジャイナ教の基本的な考え方について説明できない。
評価項目3現代インドの文化・価値観に関して,いくつかを自分の視点から説明できる。現代インドの文化・価値観に関して,不十分ながら説明できる。現代インドの文化・価値観に関して,説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 A-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
授業は基本的に板書とプロジェクタを使った講義形式で行います。仏教と同時代に誕生したジャイナ教を軸にして講義を展開します。仏教との比較を織り交ぜて「徹底した不殺生」を重視するジャイナ教の実践と理論的裏付けとなる霊魂観・輪廻説といったジャイナ教思想の根幹を文献に基づき説明します。また宗教思想の具現化されたものとして,仏教の仏像に相当するジナ像を始めとする彫刻・絵画などの美術,寺院建築も織り交ぜ, 現代の信者の姿と宗教儀礼もジャイナ教を理解する上で重要な要素として授業の中で紹介します。 受講生諸君に一層の興味を持ってもらうために,また文献資料をもとにした講義内容を補うために,私自身が現地で撮影したものも含め写真・録音・ビデオなどの資料をできるだけ使うつもりです。この授業を通じて,異なる判断基準と生き方に触れ,異文化への理解を深めてもらいたいと思います。
授業の進め方・方法:
板書とプロジェクタを使った講義形式ですが,授業では学生とのやり取りをしながら説明を行いますので積極的な参加姿勢を期待します。授業内容の理解,異文化を柔軟に理解する視点とその変化をチェックするため,毎回の授業後にコメント・カードを書いてもらいます。
学修単位となるため,授業時間外の学習を反映させるものとして,課題レポートとそれに基づく個別発表を授業の中に組み込む予定です。
注意点:
自分でノートを取ることは基本的なことですが内容理解には非常に重要であることを再確認しておきます。授業中に配布する資料の全部は時間内に読めませんから,予習・復習として自分で読んでおいて下さい。その他に,参考文献やインターネット上での情報ソースなどを示します。各自の興味でそれらを参照し,より一層の理解につなげて下さい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 導入=インド世界とジャイナ教1 現代インドの他の宗教との比較からジャイナ教について大まかに理解する
2週 導入=インド世界とジャイナ教2 ジャイナ教徒は現在,どこにどれくらい存在するのかを理解する
3週 信仰の対象としてのジナ1 開祖マハーヴィーラの伝承と実像についての概略を理解する
4週 信仰の対象としてのジナ2 パンチャ・カルヤーナとは何かを説明できる
5週 信仰の対象としてのジナ3 ジャイナ教でいう24祖師とは何かを理解する
6週 教団の成立と発展1 「シュラーマナ」の伝統とジャイナ教との関係を理解する
7週 教団の成立と発展2 白衣派と空衣派の区別について理解する
8週 中間試験 これまでの学習をふまえ,到達目標を達成できているか,確認できる。
4thQ
9週 試験返却と解説
霊魂観と救済の理論1
ジーヴァとは何かを理解する
10週 霊魂観と救済の理論2 ジャイナ教では生物をどのように分類するのかを理解する
11週 霊魂観と救済の理論3 ジャイナ教の世界観(宇宙論)を理解する
12週 霊魂観と救済の理論4 ジャイナ教で説明される輪廻からの解放の理論を理解する
13週 戒律と宗教的生活1 ジャイナ教徒の五大誓とは何かを説明できる
14週 戒律と宗教的生活2 ジャイナ教における宗教的菜食主義の理由を説明できる
15週 期末試験 これまでの学習をふまえ,到達目標を達成できているか,確認できる。
16週 試験返却と解説 これまでの学習をふまえ,到達目標を達成できているか,確認できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力70000300100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000