概要:
この科目の重要なキーワードの一つが環境問題である。しかし授業で扱う内容は、温暖化現象や森林破壊といった個別の問題ではない。それらの環境問題を引き起こす共通の因子の一つが人間活動である。つまり環境問題とは地球という空間とそれを利用する人間の活動のアンバランスな状態をいうのである。この科目の目的はその人間の活動に注目して、それらの何がアンバランス状態を発生させているのかを考えようとすることである。地球環境問題というスケールの大きな対象であるが、それを考える切り口は身近な空間の中に存在している。我々もその問題の一部に関係しているのだ、という臨場感を持ってこれらの問題を考えてもらいたい。
授業の進め方・方法:
教科書のような既存の教材は利用しないが、教科内容を説明するために必要な資料をプリント教材として配布する。そのプリントの内容を説明する形式で授業を進めていく。この科目は学修単位科目であるため、具体的な環境問題と授業で扱った内容の関係については、授業時間外学習としてレポートを課す予定である。
注意点:
この科目で扱う内容は皆さんが普段勉強している内容とはかなり異なる社会科学的な内容が中心となる。3年生までに学習した社会科の各教科目を一度復習してもらいたい。しかし、地球環境に関する文献や資料は皆さんの周囲にたくさん存在しているし、授業でも関係文献の紹介を行う予定である。それらに接しながら、積極的な姿勢で学習に臨んでもらいたい。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
地球環境の変遷と現状 |
多様な環境問題を発生させている地球の変遷と現状について理解できる。
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2週 |
世界の経済体制(1) |
環境問題を発生させる資本主義経済の形成過程について理解できる。
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3週 |
世界の経済体制(2) |
環境問題を発生させる資本主義経済の特性について理解できる。
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4週 |
世界の経済体制(3) |
地球規模の環境問題と資本主義経済との関係について理解できる。
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5週 |
環境問題としての南北問題(1) |
資本主義経済を背景とした南北間の富の配分の不均衡について理解できる。
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6週 |
環境問題としての南北問題(2) |
環境問題の背景といわれる南北間の格差とその背景について理解できる。
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7週 |
環境問題と人口問題(1) |
世界人口の増加現象とその背景について理解できる。
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8週 |
環境問題と人口問題(2) |
開発途上地域の人口増加現象とその背景について理解できる。
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2ndQ |
9週 |
環境問題と人口問題(3) |
世界人口の増加現象が地球環境に及ぼす問題点について理解できる。
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10週 |
環境問題と食料問題(1) |
世界規模での食料生産の現状とその流通について理解できる。
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11週 |
環境問題と食料問題(2) |
南北問題を背景とした世界の食料問題について理解できる。
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12週 |
環境問題と資源問題(1) |
世界規模での各種資源の生産の現状とその流通について理解できる。
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13週 |
環境問題と資源問題(2) |
南北問題を背景とした世界の資源問題について理解できる。
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14週 |
地球環境の破壊のシステム |
地球規模での環境問題を進行させる地球と人間活動の関係について理解できる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 地理歴史的分野 | 世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。 | 3 | 前12,前13 |
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。 | 3 | 前1,前5,前6,前7,前10,前11,前14 |
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。 | 3 | 前2,前3,前4 |
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13 |
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。 | 3 | 前3,前4,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13 |
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。 | 3 | 前3,前4,前5,前6,前12,前13 |
現代社会の考察 | 現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。 | 3 | 前1,前9,前14 |