工学基礎Ⅰ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 工学基礎Ⅰ
科目番号 0001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造工学科 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 適宜
担当教員 髙松 竜二,小林 正幸,明石 剛二,松野 良信,岩下 勉

到達目標

1.工学が社会に果たしてきた,あるいはこれから果たすべき役割を説明できる
2.工学と技術の関連及び技術者として必要な学習.心得を説明できる
3.工学の各分野の概略的内容と他分野の関連について説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1工学が社会に果たしてきた役割について的確に把握するとともに,これから果たすべき役割について自分の意見を明確に持って,詳細に説明できる工学が社会に果たしてきた役割についておおよそ把握するとともに,これから果たすべき役割について説明できる工学が社会に果たしてきた役割について把握することができず,これから果たすべき役割についても説明できない
評価項目2工学と技術の関連を的確に把握し,技術者としての必要知識や・心得を十分に説明できる工学と技術の関連をおおよそ把握し,技術者としての必要知識や・心得をある程度説明できる工学と技術の関連を把握できず,技術者としての必要知識や・心得を説明できない
評価項目3工学各分野の歴史や概略的内容及び他分野との関連を的確に把握し,それを明確に説明できる工学各分野の歴史や概略的内容及び他分野との関連をおおよそ把握し,それを説明できる工学各分野の歴史や概略的内容及び他分野との関連を把握できず,それを説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-2 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
主に機械,電気,電子,情報,化学,生物,環境,建築の分野における現状と現在までのさまざまなみちのり(技術史)を学ぶことで,専門学科にとらわれることなく幅広い技術に関する知識を深め,視野を広げます.また,技術者倫理を学ぶことで,社会に対する技術者としての責任の自覚を目指します.
授業の進め方・方法:
メカニクス・エネルギー・情報システム・応用化学・環境生命・建築のコースの教員が、3 週ずつ担当し、主に講義と一部演習等を行います。
注意点:
レポート100%で評価します。レポートの内容・提出方法等は各担当教員から指示します。
授業の順番は、授業計画の3 週毎にクラスによって異なります。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 福祉社会に向けた創造工学科の役割 創造工学科の位置づけや将来の展望、福祉社会との関係について説明する.これらに関して理解できていること。
2週 技術者の責任と社会の安全 工学が技術社会の中で果たすべき役割や技術者としての責任について安全問題を切り口として解説する。これらに関し理解できていること.
3週 エネルギーと地球温暖化問題 人類が開発してきたエネルギー源の歴史と今後のあり方について考え,現在,深刻化しつつある地球温暖化問題に対していかに対応すべきか,具体例を挙げて示す.これらに関し理解できていること.
4週 電気の歴史(1) 古代の電気と磁気,静電気,電池,動電気について説明を行う。これらについて,理解できていること。
5週 電気の歴史(2) 発電機と電動機,電信と電話,電灯と電力技術について説明を行う。これらについて,理解できていること。
6週 電気の歴史(3) 20世紀の社会と市民生活における電気,半導体とコンピュータについて説明を行う。これらについて,理解できていること。
7週 電子機器としてのコンピュータ コンピュータとは何かから,コンピュータの誕生から現在にいたるまでの,コンピュータの発展の歴史を把握できる.その中で,特にコンピュータを構成する電子部品にも注目し,その変遷の概観を得ることができる.また現在のコンピュータのハードウェア的要素について認識できる.
8週 情報処理装置としてのコンピュータ まず,情報とは何かを考え,コンピュータでそれらの情報がどのように扱われるのか概略を理解できる.また,ハードウェアとソフトウェアとの関係を見ながら,ソフトウェアが進歩してきた歴史を把握し,今後どのように応用されていくのか考察できる.
2ndQ
9週 コンピュータをとりまく環境 コンピュータの利用目的や利用形態の変遷とインターネットとの関連を理解できる.また,身の回りにある誤情報や最近のコンピュータの不正利用等に対して,安全な情報や適切なコンピュータの利用について考えることができる.さらに,今後のコンュータとの付き合いかたについても考察できる.
10週 ものの誕生(原子、分子と生物) 我々の周りにある全ての製品(もの)は原子がつながった分子でできている。原子の成り立ちは約140億年前にさかのぼるとされている。また,我々生物は分子が集合してできたもので,地球上で約40億年前に誕生したとされている。原子,分子,生物の誕生を概説し,その流れを理解する。また,原子,分子,生物の誕生が必然か偶然かを考える。
11週 工学の進展(技術者とその創造性) 工学の進展は自然科学(数学や理科)の発展といっても過言ではない。実際,これらの発展は,技術者の力によるところが大きい。その時,既存の縦割りの分野の内容のみで発展することは非常に少なく,いろいろな既存分野の知識力,技術力を持ち寄り連携することにより,実現化しているのが現状である。このとき,技術者の創造性が重要な位置を占めている。これらのことを科学技術の発展例を通して,技術者の知識,行動等に培われた創造性の重要性を理解する。
12週 技術者と正義 工学の進展は技術者等のたゆまない地道な様々な努力により成し遂げられている。技術者等には,そのような愚直な者が大多数である反面,功を焦るあまり捏造,偽装といった事象があることも事実である。このような(悪い)事例を通して,技術者としてもつべき倫理観を理解する。
13週 人類の文明,文化における建築の役割 人類の文明,文化における建築や土木の役割を,歴史的および世界的な視点から理解する.また,建築家の仕事の紹介を通じて,建築の仕事の意味を理解する.
14週 「世界の建築探検」調査 コンクリート,鋼,木のほか竹,土,石等様々な材料で作られた建築物(土木構造物も可)を各人1つずつ,書籍等を使い調査し,A4用紙2枚にまとめる.
15週 「世界の建築探検」発表会 各人の調査した建物の魅力を,各グループで発表する.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。2
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性法令やルールを遵守した行動をとれる。2
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。2
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。2
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00001000100
基礎的能力00001000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000