化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 化学Ⅰ
科目番号 0002 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 改訂 高等学校 化学基礎 第一学習社、ニューグローバル化学基礎 東京書籍、五訂版 スクエア最新図説化学 第一学習社
担当教員 松尾 明洋,関谷 博,西 秋子

到達目標

1.物質量とは何かを理解できている。
2.化学反応式を組み立て、反応の量的関係を計算できる。
3.酸・塩基・塩を分類できる。
4.pHの計算や中和反応の量的関係を計算できる。
5.酸化・還元反応とは何かを理解できている。
6.酸化剤、還元剤の半反応式を組み合わせて、酸化還元反応式で表すことができる。
7.電池や電気分解の反応は、酸化還元反応であることを理解できている。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1物質量とは何かを正しく理解できている。物質量とは何かを理解できている。物質量とは何かを理解できていない。
評価項目2化学反応式を組み立て、反応の量的関係を正確に計算できる。化学反応式を組み立て、反応の量的関係を計算できる。化学反応式を組み立て、反応の量的関係を計算できない。
評価項目3酸・塩基・塩を正確に分類できる。酸・塩基・塩を分類できる。酸・塩基・塩を分類できない。
評価項目4pHの計算や中和反応の量的関係を正確に計算できる。pHの計算や中和反応の量的関係を計算できる。pHの計算や中和反応の量的関係を計算できない。
評価項目5酸化・還元反応とは何かを正しく理解できている。酸化・還元反応とは何かを理解できている。酸化・還元反応とは何かを理解できていない。
評価項目6酸化剤、還元剤の半反応式を組み合わせて、酸化還元反応式で正確に表すことができる。酸化剤、還元剤の半反応式を組み合わせて、酸化還元反応式で表すことができる。酸化剤、還元剤の半反応式を組み合わせて、酸化還元反応式で表すことができない。
評価項目7電池や電気分解の反応は、酸化還元反応であることを正しく理解できている。電池や電気分解の反応は、酸化還元反応であることを理解できている。電池や電気分解の反応は、酸化還元反応であることを理解できていない。

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 A-1 説明 閉じる
学習教育到達目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
原子、分子、イオンのような小さな粒子を扱う単位としての物質量をについて学び、化学反応における量的関係の表し方について学ぶ。酸、塩基の性質を知り、中和反応について学ぶ。酸化還元反応は化学反応において電子の授受が行われることにより起こることを学び、物質の燃焼、金属の酸への溶解、電池、電気分解などの現象が酸化還元反応であることを学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書を中心とした授業形式で行う。適宜、演習問題をとり入れ理解を深める。必要に応じて、小テスト、宿題を課す。
注意点:
中学校理科と比べ、非常に難しくなったと感じると思います。教科書、問題集、図説を活用し、効果的な予習・復習を行うこと。宿題の未提出、授業中の恒常的な居眠り、マンガ、スマートフォンの利用等、授業に対する意識が低い場合には、単位取得が困難になることがあるので、真剣に取り組むこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・シラバス説明
物質量と化学反応式
[1]原子量・分子量と式量
1原子の質量と相対質量
2元素の原子量
3分子量
4式量
・原子の相対質量が理解できる。
・天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを理解できる。
・分子量・式量がどのような意味をもつか理解できる。
2週 [2]物質量
1物質量とアボガドロ定数
2物質量と質量
・アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。
3週 3物質量と気体の体積
[3]溶解と濃度
1溶解と溶液
2物質の溶解
・気体の体積と物質量の関係を理解している。
・電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。
4週 3濃度
4固体の溶解度
・質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。
・モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。
5週 [4]状態変化と気体の圧力
1状態変化とエネルギー
2気体の圧力
[5]化学変化と化学の基本法則
1物理変化と化学変化
・状態変化に伴う熱運動エネルギーの変化と、気体の圧力について理解している。
・状態変化と化学変化の違いを理解している。
・物質を構成する分子・原子が常に運動していることが理解できる。
・水の状態変化が理解できる。
・物質の三態とその状態変化を説明できる。
6週 2化学反応式
3化学反応式と量的関係
・化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。
・化学反応を用いて化学量論的な計算することができる。
7週 4化学変化における諸法則
物質量と化学反応式のまとめ
・化学の基本法則の知識を身に付ける。
8週 中間試験
2ndQ
9週 テスト返却と解説
酸と塩基の反応
[1]酸と塩基
1酸
2塩基
3酸・塩基とH+の授受
4酸・塩基の電離度
・酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)が説明できる。
・酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。
・電離度から酸・塩基の強弱が説明できる。
10週 [2]水素イオン濃度
1水の電離と水素イオン濃度
2指示薬とpHの測定
[3]中和と塩
1中和
・酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)が説明できる。
・酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。
・電離度から酸・塩基の強弱が説明できる。
11週 2塩とその種類
3塩の生成と反応
・塩は、その組成によって正塩、酸性塩、塩基性塩の3種に分類されることを理解する。
12週 [4]中和滴定
1中和における量的関係
2中和滴定
3中和滴定曲線
・中和反応がどのような反応であるか説明できる。また、中和滴定の計算ができる。
13週 4逆滴定
5酸化物と酸・塩基
6オキソ酸と水酸化物
・酸化物の中には、酸・塩基と反応するものがあることを学ぶ。
14週 酸と塩基の反応のまとめ
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説
後期
3rdQ
1週 酸化還元反応
[1]酸化と還元
1酸化・還元と酸素・水素
2酸化・還元と電子
3原子の酸化数
・酸化還元反応について説明できる。
2週 [2]酸化剤と還元剤の反応
1酸化剤と還元剤
2酸化還元反応の反応式
・酸化剤・還元剤について学習し、それらの反応を理解する。
3週 3酸化還元滴定
4酸化剤・還元剤の強さ
・酸化剤、還元剤の強さを判断できる。
4週 [3]金属のイオン化傾向
1金属のイオン化傾向とイオン化列
・イオン化傾向について説明できる。
・金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。
5週 [4]酸化還元反応の利用
1金属の製錬
2漂白剤と酸化防止剤
・鉄の製錬の過程について理解している。
6週 [5]電池
1ダニエル電池
2マンガン乾電池
3鉛蓄電池
4燃料電池
・ダニエル電池についてその反応が説明できる。
・鉛蓄電池についてその反応が説明できる。
・一次電池の種類を知っている。
・二次電池の種類を知っている。
7週 酸化還元反応・電池のまとめ
8週 中間試験
4thQ
9週 テスト返却と解説
[6]電気分解
1水溶液の電気分解(1)
・電気分解反応を説明できる。
10週 1水溶液の電気分解(2)
2電気分解の応用
・電気分解反応を説明できる。
11週 3電解製錬
4溶融塩電解
・電気分解の利用として、たとえば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。
12週 5電気分解における量的関係(1) ・ファラデーの法則による計算ができる。
13週 6電気分解における量的関係(2) ・ファラデーの法則による計算ができる。
14週 電気分解のまとめ ・ファラデーの法則による計算ができる。
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)原子の相対質量が説明できる。2
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3前2
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。2
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。2
気体の体積と物質量の関係を説明できる。2
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。2
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。2
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。2
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3
中和反応がどのような反応であるか説明できる。また、中和滴定の計算ができる。3前2,前6
酸化還元反応について説明できる。3
イオン化傾向について説明できる。3
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3前3
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3
一次電池の種類を説明できる。3
二次電池の種類を説明できる。3
電気分解反応を説明できる。3
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3
ファラデーの法則による計算ができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合700015150100
基礎的能力7000015085
専門的能力0000000
分野横断的能力000150015