基礎解析学

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 基礎解析学
科目番号 0012 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 創造工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 有明高専の数学 第1巻;有明高専数学科編、プリント等
担当教員 西山 治利,田端 亮,田中 彰則,村岡 良紀

到達目標

1.基本的な方程式・不等式を解くことができる。
2.三角関数に関する基本的事項を説明でき、これらのグラフを描ける。三角関数の基本的な公式を用いた各種計算ができる。
3.2次関数・分数関数・無理関数等の関数に関する基本的事項を説明でき、これらのグラフを描ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1方程式・不等式を用いて、様々な文章問題を解くことができる。基本的な方程式・不等式を解くことができる。基本的な方程式・不等式を解くことができない。
評価項目2三角形の辺・角・面積等の計算ができる。グラフを用いて三角関数の最大値・最小値を求めることができる。三角関数に関する基本的事項を説明でき、これらのグラフを描ける。三角関数の基本的な公式を用いた計算ができる。三角関数に関する基本的事項を説明できない。三角関数のグラフを描けない。三角関数の基本的な公式を用いた計算ができない。
評価項目3グラフを用いて分数不等式・無理不等式等を解くことができる。2次関数・分数関数・無理関数等の関数に関する基本的事項を説明でき、これらのグラフを描ける。2次関数・分数関数・無理関数等の関数に関する基本的事項を説明できない。これらの関数のグラフを描けない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 工学(理系の学問)を学ぶとき、数学は必要不可欠です。なぜならば、工学の内容は、主に数式などの数学の記号を用いて書かれていたり、微分積分法や線形代数的手法などと呼ばれる数学の計算方法を用いて計算されたりしているからです。また、工学の問題を解くときの考え方(論理的思考:「これが、 こうなって、次にこうなるから、ここはこうなる」というような考え方)は、数学の問題を解くときの考え方と似ているからです。つまり、工学を勉強するためには数学の内容と考え方をマスターしなければなりません。そこで、高専で数学を学ぶ上では次のことが重要になります。
1) 中学までに学んできた数学の数式だけでは不十分で、工学に応用できません。新しい数式(さまざまな関数など)が必要になります。ですから、この新しい数式などをしっかり理解することが第一歩になります。
2) 数式だけが新しくなっても不十分です。いくつかの新しい計算方法が必要になります。さらに、新しい計算方法を組み合わせて使ったりすることも必要になります。ですから、この新しい計算方法のことを理解し、応用できなければなりません。
3) 問題を解くとき、解くための筋道(「最初こうして、次にこうしていけば、・・・こうなって解ける」など)を考えることは、常に必要です。つまり、論理的思考能力を身に付けていかなければなりません。
 この基礎解析学では、中学校で学んでいない新しい関数(数式)を学びます。たとえば、三角関数、2次関数、分数関数、無理関数等です。これらの新しい関数について、様々な計算や応用問題を行います。
授業の進め方・方法:
講義形式、グループワーク等による授業および問題演習
内容の理解と定着をはかるため、教科書本文中の演習問題あるいは教科書巻末の問題集の演習問題のいくつかを適宜レポートとして解答・提出してもらいます。また、必要に応じて小テスト等を行います。
注意点:
中学校における学習内容に基づき授業を行います。
下記の「評価割合:成績」は,7回の定期試験(3回の課題試験を含む)を用いて評価します。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 課題試験返却と解説
授業の概要説明
2週 指数の拡張
正の数の表現
・ 指数の拡張;数の0乗やマイナス乗の定義を理解し、その計算ができる。
・ 正の数が a×10^n の形に表現できることを理解し、その表現での計算ができる。
3週 連立1次方程式・不等式 ・ 未知数が2個の連立1次方程式が解ける。
・ 1次不等式および連立1次不等式が解ける。
4週 ルート記号のついた数
2重根号
ルート記号を含む数の計算、ルートの中にルートを含む数の計算ができる。
5週 複素数 2乗して -1 になる新しい数を考え、そのような数の四則演算ができる。
6週 2次方程式
連立2次方程式
2次方程式の解の公式を理解し、いろいろな2次方程式を解くことができる。
7週 絶対値 絶対値を含む方程式の解法を理解し、それらが解ける。
8週 中間試験
2ndQ
9週 テスト返却と解説
一般角
三角関数の定義
一般角の概念、三角関数 sin、 cos、 tanの定義を理解し、値を計算できる。
10週 三角関数と直角三角形 三角関数と直角三角形の関係を理解し、それに関する問題が解ける。
11週 三角関数の基本公式 sin、 cos、 tanの相互関係を理解し、1つの値から残りの値を計算できる。
12週 加法定理 cos(x+y)などの公式が関係した計算ができる。
13週 加法定理から導かれる公式
余弦定理
・cos(x+y)などの公式が関係した計算ができる。
・三角形の辺と角の関係式である余弦定理を理解し、計算に応用できる。
14週 正弦定理
三角形の面積
・三角形の辺と角の関係式である正弦定理を理解し、計算に応用できる。
・三角形の面積を求める計算式について述べる。面積の計算ができる。
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説
後期
3rdQ
1週 課題試験返却と解説
2点間の距離
点と点の距離が計算できる。
2週 直線の方程式
2直線の関係
・直線の式の表現を理解し、計算ができる。
・2つの直線が平行または垂直になるための条件を理解し、それに関する問題に応用できる。
3週 関数概説 ・関数とは何かについて理解できる。
・グラフを移動したとき、もとの式の変化について理解できる。
4週 2次関数のグラフ・最大最小 2次関数のグラフを描けること。その最大値・最小値が求められる。
5週 条件を満たす2次関数
放物線と直線
・グラフがある条件を満たす2次関数の式を求めることができる。
・放物線と直線との共有点の座標を求めることができる。
6週 2次不等式 2次式不等式の解法を理解し、計算できる。
7週 分数関数のグラフ・最大最小
双曲線と直線
・1次分数関数のグラフを描けること。その最大値・最小値を求められる。
・双曲線と直線との共有点の座標を求めることができる。
・分数式を含む不等式の解法を理解し、計算できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 テスト返却と解説
合成関数
逆関数
無理関数のグラフ・最大最小
・合成関数・逆関数とは何か、逆関数のグラフの性質について理解する。
・無理関数のグラフを描けること。その最大値・最小値の求められる。
10週 無理関数のグラフと直線 ・無理関数のグラフと直線との共有点の座標を求めることができる。
・無理式を含む不等式の解法を理解し、計算ができる。
11週 弧度法
三角方程式
角度の単位「ラジアン」を理解し、三角関数の方程式が解ける。
12週 三角不等式 三角関数の不等式が解ける。
13週 三角関数のグラフ 三角関数のグラフが描ける。
14週 逆三角関数の定義
その他の三角関数
・逆三角関数の定義を理解し、値の計算ができる。
・sec、 cosec、 cot の定義を理解し、値の計算ができる。
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。1前5,前7
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。1前4
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。1前5
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。1前6
簡単な連立方程式を解くことができる。1前3,前6
無理方程式・分数方程式を解くことができる。1後7,後10
1次不等式や2次不等式を解くことができる。1前3,後6
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。1後4
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。1後7,後9,後10
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。1後9
角を弧度法で表現することができる。1後11
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。1後13
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。1前12,前13
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。1後11
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。1前9,前10
一般角の三角関数の値を求めることができる。1後13
2点間の距離を求めることができる。2後1
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。2後2
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。1後5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力70000300100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000