概要:
工学(理系の学問)を学ぶとき、数学は必要不可欠です。なぜならば、工学の内容は、主に数式などの数学の記号を用いて書かれていたり、微分積分法や線形代数的手法などと呼ばれる数学の計算方法を用いて計算されたりしているからです。また、工学の問題を解くときの考え方(論理的思考:「これが、 こうなって、次にこうなるから、ここはこうなる」というような考え方)は、数学の問題を解くときの考え方と似ているからです。つまり、工学を勉強するためには数学の内容と考え方をマスターしなければなりません。そこで、高専で数学を学ぶ上では次のことが重要になります。
1) 中学までに学んできた数学の数式だけでは不十分で、工学に応用できません。新しい数式(さまざまな関数など)が必要になります。ですから、この新しい数式などをしっかり理解することが第一歩になります。
2) 数式だけが新しくなっても不十分です。いくつかの新しい計算方法が必要になります。さらに、新しい計算方法を組み合わせて使ったりすることも必要になります。ですから、この新しい計算方法のことを理解し、応用できなければなりません。
3) 問題を解くとき、解くための筋道(「最初こうして、次にこうしていけば、・・・こうなって解ける」など)を考えることは、常に必要です。つまり、論理的思考能力を身に付けていかなければなりません。
この基礎解析学では、中学校で学んでいない新しい関数(数式)を学びます。たとえば、三角関数、2次関数、分数関数、無理関数等です。これらの新しい関数について、様々な計算や応用問題を行います。
授業の進め方・方法:
講義形式、グループワーク等による授業および問題演習
内容の理解と定着をはかるため、教科書本文中の演習問題あるいは教科書巻末の問題集の演習問題のいくつかを適宜レポートとして解答・提出してもらいます。また、必要に応じて小テスト等を行います。
注意点:
中学校における学習内容に基づき授業を行います。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
課題試験返却と解説 授業の概要説明 |
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2週 |
指数の拡張 正の数の表現
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・ 指数の拡張;数の0乗やマイナス乗の定義を理解し、その計算ができる。 ・ 正の数が a×10^n の形に表現できることを理解し、その表現での計算ができる。
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3週 |
連立1次方程式・不等式 |
・ 未知数が2個の連立1次方程式が解ける。 ・ 1次不等式および連立1次不等式が解ける。
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4週 |
ルート記号のついた数 2重根号
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ルート記号を含む数の計算、ルートの中にルートを含む数の計算ができる。
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5週 |
複素数 |
2乗して -1 になる新しい数を考え、そのような数の四則演算ができる。
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6週 |
2次方程式 連立2次方程式
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2次方程式の解の公式を理解し、いろいろな2次方程式を解くことができる。
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7週 |
絶対値 |
絶対値を含む方程式の解法を理解し、それらが解ける。
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
テスト返却と解説 一般角 三角関数の定義
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一般角の概念、三角関数 sin、 cos、 tanの定義を理解し、値を計算できる。
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10週 |
三角関数と直角三角形 |
三角関数と直角三角形の関係を理解し、それに関する問題が解ける。
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11週 |
三角関数の基本公式 |
sin、 cos、 tanの相互関係を理解し、1つの値から残りの値を計算できる。
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12週 |
加法定理 |
cos(x+y)などの公式が関係した計算ができる。
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13週 |
加法定理から導かれる公式 余弦定理
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・cos(x+y)などの公式が関係した計算ができる。 ・三角形の辺と角の関係式である余弦定理を理解し、計算に応用できる。
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14週 |
正弦定理 三角形の面積
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・三角形の辺と角の関係式である正弦定理を理解し、計算に応用できる。 ・三角形の面積を求める計算式について述べる。面積の計算ができる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
課題試験返却と解説 2点間の距離
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点と点の距離が計算できる。
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2週 |
直線の方程式 2直線の関係
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・直線の式の表現を理解し、計算ができる。 ・2つの直線が平行または垂直になるための条件を理解し、それに関する問題に応用できる。
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3週 |
関数概説 |
・関数とは何かについて理解できる。 ・グラフを移動したとき、もとの式の変化について理解できる。
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4週 |
2次関数のグラフ・最大最小 |
2次関数のグラフを描けること。その最大値・最小値が求められる。
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5週 |
条件を満たす2次関数 放物線と直線
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・グラフがある条件を満たす2次関数の式を求めることができる。 ・放物線と直線との共有点の座標を求めることができる。
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6週 |
2次不等式 |
2次式不等式の解法を理解し、計算できる。
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7週 |
分数関数のグラフ・最大最小 双曲線と直線
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・1次分数関数のグラフを描けること。その最大値・最小値を求められる。 ・双曲線と直線との共有点の座標を求めることができる。 ・分数式を含む不等式の解法を理解し、計算できる。
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
テスト返却と解説 合成関数 逆関数 無理関数のグラフ・最大最小
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・合成関数・逆関数とは何か、逆関数のグラフの性質について理解する。 ・無理関数のグラフを描けること。その最大値・最小値の求められる。
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10週 |
無理関数のグラフと直線 |
・無理関数のグラフと直線との共有点の座標を求めることができる。 ・無理式を含む不等式の解法を理解し、計算ができる。
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11週 |
弧度法 三角方程式
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角度の単位「ラジアン」を理解し、三角関数の方程式が解ける。
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12週 |
三角不等式 |
三角関数の不等式が解ける。
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13週 |
三角関数のグラフ |
三角関数のグラフが描ける。
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14週 |
逆三角関数の定義 その他の三角関数
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・逆三角関数の定義を理解し、値の計算ができる。 ・sec、 cosec、 cot の定義を理解し、値の計算ができる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。 | 3 | |
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。 | 3 | |
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。 | 3 | |
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。 | 3 | |
簡単な連立方程式を解くことができる。 | 3 | |
無理方程式・分数方程式を解くことができる。 | 3 | |
1次不等式や2次不等式を解くことができる。 | 3 | |
1元連立1次不等式を解くことができる。 | 3 | |
基本的な2次不等式を解くことができる。 | 3 | |
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。 | 3 | |
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | |
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。 | 3 | |
無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | |
関数のグラフと座標軸との共有点を求めることができる。 | 3 | |
三角比を理解し、三角関数表を用いて三角比を求めることができる。一般角の三角関数の値を求めることができる。 | 3 | |
角を弧度法で表現することができる。 | 3 | |
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | |
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。 | 3 | |
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。 | 3 | |
2点間の距離を求めることができる。 | 3 | |
通る点や傾きから直線の方程式を求めることができる。 | 3 | |
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。 | 3 | |
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。 | 1 | |