代数・幾何Ⅰ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 代数・幾何Ⅰ
科目番号 0028 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 有明高専の数学 第2巻;有明高専数学科編、プリント等
担当教員 沖田 匡聡,田端 亮,嘉藤 直子

到達目標

1.ベクトルの基本的な計算ができ,それを利用して平面および空間内の図形の性質を調べることができる.
2.ベクトルを用いて,空間内の図形の方程式を求めることができる.
3.2次の正方行列の基本的な計算ができ,1次変換とその逆変換を求めることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ベクトルの和・差・実数倍と内積を正しく求め,図形の性質を説明することができる.ベクトルの和・差・定数倍と内積を正しく求め,平行・垂直条件を利用することができる.ベクトルの和・差・定数倍と内積を正しく求め,平行・垂直条件を利用することができない.
評価項目2ベクトルを用いて,空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができ,図形に関する発展問題を解くことができる.ベクトルを用いて,空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる.ベクトルを用いて,空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができない.
評価項目3行列の和・差・実数倍・積および基本的な1次変換とその逆変換を求めることができ,その性質を説明することができる.行列の和・差・実数倍・積および基本的な1次変換とその逆変換を求めることができる.行列の和・差・実数倍・積および基本的な線形変換を求めることができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 工学を学ぶために,数学は必要不可欠です.なぜなら,工学の主たる部分は,数学的な記法(数式など)を用いて記述されたり,数学的手法(微分積分法や線形代数的手法など)を用いて展開されているからです.また,工学の問題を解決するときの論理的思考形態(道筋を立ててものごとを考えていくことなど)は,数学の問題を解くときのそれに類似しているからです.つまり,工学を学ぶためには,さまざまな数学の記法や手法(新しい数式や新しい計算方法など)を理解し,確実に使いこなせる必要があります.
 この科目では,ベクトル・行列という数学の新しい概念(数式と計算方法)を学びます.特に,次の1),2),3)に重点を置いて,授業を行います.
1)ベクトル・行列・行列式という新しい数学の概念(数式)を理解し,それらの基本的な計算法を習得すること.
2)ベクトル・行列が様々な問題に応用できることを認識し,それらの応用法を習得すること.
3) 常に,筋道を立てた考え方を行う習慣を付けること.
授業の進め方・方法:
 講義形式,グループワーク等による授業および問題演習によって授業を進めます.内容の理解と定着をはかるため,教科書本文中の演習問題あるいは教科書巻末の問題集の演習問題のいくつかを適宜レポートとして解答・提出してもらいます.
注意点:
 ベクトル・行列の内容は,物理学や多くの専門科目で使用される内容ですので,復習と予習を心掛けるようにしてください.

 成績には4回の定期試験を入れます.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業概要の説明
2週 2次元幾何ベクトルの定義と演算 2次元の幾何ベクトルの定義を理解し,加減・実数倍の計算ができる.内積の定義と意味を理解し.計算ができる.
3週 ベクトルの内積 内積の定義と意味を理解し,計算ができる.
4週 ベクトルの平行・垂直 内積をベクトルの平行・垂直への応用した計算ができる.
5週 位置ベクトル 位置ベクトルの概念を理解し,計算ができる.
6週 平面内の点① 位置ベクトルを用いて,線分の内分点・外分点に関する計算ができる.
7週 平面内の点② 位置ベクトルを用いて,三角形の重心を求めることができる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 同一直線上の点 3つの点が一直線上に並ぶための条件を理解し,それに関する問題が解ける.
10週 直線のベクトル方程式 平面内の直線のベクトル方程式を求めることができる.
11週 点と直線の距離,円のベクトル方程式 点と直線の距離を用いて,平面内の円の方程式を求めることができる.
12週 3次元ベクトルの定義と演算 3次元空間の座標系の概念と幾何・代数ベクトルの定義を理解し,加減・実数倍の計算ができる.
13週 3次元ベクトルの内積 内積の定義と意味を理解し,計算ができる.
14週 3次元ベクトルの平行・垂直 内積の平行・垂直への応用した計算ができる.
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説
後期
3rdQ
1週 3次元ベクトルの外積① 3次元ベクトルの外積の定義の意味を理解し,その計算と応用ができる.
2週 3次元ベクトルの外積② 3次元ベクトルの外積の幾何的な性質を用いて,平行し辺四辺形の面積を求めることができる.
3週 位置ベクトル,一直線上の点,空間内の直線 位置ベクトルの概念を理解し,ベクトル方程式を用いて,空間内の直線の方程式を求めることができる.
4週 空間内の平面 ベクトル方程式を用いて,空間内の直線の方程式を求めることができる.
5週 点と平面の距離,空間内の球面 点と直線の距離を用いて,平面内の円の方程式を求めることができる.
6週 空間内の図形の関係① 空間内の様々な図形同士のなす角を求めることができる.
7週 空間内の図形の関係② 空間内の様々な図形同士の交わりを求めることができる.
8週 中間試験
4thQ
9週 行列の定義,和,差,実数倍,積 行列の概念および演算の定義を理解し,和・差・積の計算ができる.
10週 逆行列(n=2) 2行2列行列の逆行列を求められる.
11週 対称行列,直交行列 対称行列,直交行列の定義を理解し,その計算ができる.
12週 逆行列の応用 2行2列行列の逆行列を用いて,連立方程式を解ける.
13週 掃き出し法 掃き出し法の変形の意味を理解し,連立方程式を解くことができる.
14週 階数 行列の階数の定義を求めることができる.
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。2
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。2
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。2
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。2
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力70000300100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000