基礎物理学Ⅱ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 基礎物理学Ⅱ
科目番号 0029 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 教科書:『総合物理1 -力と運動・熱-』 國友正和 ほか10名/数研出版 副教材:『改訂版 リードα物理基礎・物理』 数研出版編集部 編/数研出版,『改訂版 フォトサイエンス 物理図録』 数研出版編集部/数研出版
担当教員 酒井 健,鮫島 朋子,竹内 伯夫

到達目標

物理的な事物・事象についての観察を行い、物理的に探求する能力を身につけるとともに基本的な概念や原理・法則を理解できる。
1.仕事と仕事率,力学的エネルギー保存則に関する基礎的な計算をすることができる。
2.運動量の保存に関する基礎的な計算をすることができる。
3.円運動・単振動・万有引力に関する基礎的な計算をすることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1仕事、仕事率、運動エネルギー、重力による位置エネルギー、弾性力による位置エネルギー、力学的エネルギー保存則だけでなく、仕事の原理や保存力、保存力以外の力が仕事をする場合についても詳しく説明でき、落体の運動、振り子、バネに取り付けられた物体の運動に関する問題に適用して計算できる。仕事、仕事率、運動エネルギー、重力による位置エネルギー、弾性力による位置エネルギー、力学的エネルギー保存則について説明できる。また、これらの簡単な計算ができる。仕事、仕事率、運動エネルギー、重力による位置エネルギー、弾性力による位置エネルギー、力学的エネルギー保存則について説明できない。また、これらの計算ができない。
評価項目2運動量と力積の関係と作用反作用の関係から運動量保存則を導出でき、衝突・分裂のやや複雑な問題に応用して計算ができる。運動量と力積の関係をベクトル量の関係式として成分で記述できる。衝突の問題において運動量保存則や反発係数を用いた簡単な計算ができる。運動量と力積の関係をベクトル量の関係式として成分で記述できない。衝突の問題において運動量保存則や反発係数を用いた計算ができない。
評価項目3だ円運動や一般の曲線上の運動においても円運動で学んだ考え方を応用できる。 ケプラーの第2法則が中心力と関係している事、ケプラーの第3法則から万有引力の逆2乗則を導く事ができる。等速円運動する物体の位置・速度・加速度について、半径・角速度・周期との関連を理解できる。 ケプラーの3法則を知り、万有引力の法則を用いて簡単な場合の運動方程式を記述できる。等速円運動する物体の位置・速度・加速度について、半径・角速度・周期との関連が理解できない。 万有引力の法則を用いて簡単な場合の運動方程式を記述できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 C-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
基礎物理学Ⅱでは、物理学の中に一貫している基本法則をよく理解し、それを使っていろいろな問題を解くことにより、身の回りの物理現象を解釈できるようになることを目標とする。具体的には、身の回りの物体の運動や天体の運動などについての科学的な自然観を養い、物理的に探求する能力を養うことに重点をおく。
 また、2 年次では多岐にわたり勉強するので、予習・復習の習慣を身に付け、特に下記のことに注意して勉強してほしい。
・ 問題を解く際には、図を描き、その図を見ながら考え、式をたてることができる。
・ たてた式を解く場合、数学を道具として使用し、論理的な展開により解答することができる。
・ 物理学では、単位や有効数字が大切である。特に単位には細心の注意を払う習慣をつける。
授業の進め方・方法:
講義中心の授業を行う。内容の理解と定着をはかるため、演習問題を適宜レポートとして、授業の進度に合わせて解答・提出してもらう。また、必要に応じて小テスト等を実施する。
なお、定期試験および課題試験等 60%、小テスト 20%、宿題の提出および解答状況 20%の比率で総合的に評価する。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業の概要説明
[総合物理1]
第3章 仕事と力学的エネルギー
・仕事
仕事について説明できる。
2週 ・仕事の原理と仕事率 仕事の原理、仕事率について説明できる。
3週 ・運動エネルギー エネルギーの概念、運動エネルギー、仕事と運動エネルギーの関係について説明できる。
4週 ・位置エネルギー(1) 重力による位置エネルギーについて説明できる。
5週 ・位置エネルギー(2) 弾性力による位置エネルギーおよび保存力について説明できる。
6週 ・力学的エネルギー(1) 力学的エネルギー保存則について説明できる。
7週 ・力学的エネルギー(2) 物体に保存力以外の力が仕事をする場合の力学的エネルギーの変化について説明できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 テスト返却と解説
10週 第4章 運動量の保存
・運動量と力積
運動量と力積の概念、運動量と力積の関係式について説明できる。
11週 ・運動量保存(1) 直線上の衝突における運動量保存則について説明できる。
12週 ・運動量保存(2) 平面内の衝突における運動量保存則を説明できる。
13週 ・反発係数(1) 床との衝突、直線上の2物体の衝突について説明できる。
14週 ・反発係数(2) 床との斜め衝突、運動量と力学的エネルギーについて説明できる。
15週 前期末試験
16週 テスト返却と解説
後期
3rdQ
1週 第5章 円運動と万有引力
・等速円運動(1)
等速円運動の速度、角速度、周期、回転数について説明できる。
2週 ・等速円運動(2) 等速円運動の加速度、向心力について説明できる。
3週 ・慣性力(1) 直線運動での慣性力について説明できる。
4週 ・慣性力(2) 遠心力について説明できる。
5週 ・演習問題 等速円運動、慣性力に関する演習問題を解説する。
6週 ・単振動(1) 単振動の表わし方、単振動の速度について説明できる。
7週 ・単振動(2) 単振動の加速度および復元力について説明できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 テスト返却と解説
10週 ・単振動(3) ばね振り子、単振り子について説明できる。
11週 ・単振動(4) 単振動のエネルギーについて説明できる。
12週 ・万有引力(1) ケプラーの法則および万有引力の法則について説明できる。
13週 ・万有引力(2) 重力と万有引力の関係、万有引力による位置エネルギーについて説明できる。
14週 ・万有引力(3) 第一宇宙速度、第二宇宙速度について説明できる。
15週 学年末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
運動の法則について説明できる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3前1,前2
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3前3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前4
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前5
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前6,前7
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3前10
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3前10
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前11,前12
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3後6
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3後7
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3後1,後2
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3後12
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後13
ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス太陽系を構成する惑星の中に地球があり、月は地球の衛星であることを説明できる。3後12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力60000400100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000