文学Ⅲ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 文学Ⅲ
科目番号 0033 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 『現代文B』(数研出版) 『笠間文庫 現代文&現代語訳シリーズ 更級日記』(笠間書院) 『4~2 級 新漢字の学習』(三省堂書店) 『新訂 総合国語便覧』(第一学習社)
担当教員 藤崎 祐二

到達目標

1.近代以降の優れた文章や作品を読解し鑑賞する能力を高めるとともに、多面的なものの
見方、感じ方を深め、進んで表現し読書することによって人生を豊かにする態度を身につけ ることができる。
2.古文を読解し鑑賞する能力を養うとともに、多面的なものの見方、感じ方、考え方を広くし、古典に親しむことによって人生を豊かにする態度を身につけることができる。
3.適切かつ円滑に表現ができる日本語の表現能力を向上させるため、その基礎となる漢字 に習熟し、適切な文章表現ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1文章や作品を読解し、文脈と要点を適切に把 握することができる。 文章や作品を読解し、文脈と要点を把握することができる。 文章や作品を読解し、文脈と要点を把握す ることができない。
評価項目2現代文・古文に関する基礎知識を深く理解し、身につけることができる。現代文・古文に関する基礎知識を理解し、身につけることができる。 現代文・古文に関する基礎知識を理解し、身につけることができない。
評価項目3常用漢字に習熟し、定められた時間・字数で優れた文章を作成することができる。 常用漢字を身につけ、定められた時間・字数で文章を作成することができる。 常用漢字を身につけられず、定められた時間・字数で文 章を作成することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 A-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現代文・古文の作品読解を行い、鑑賞文を書く。
授業の進め方・方法:
現代文と古文を1:1の割合で扱う。前期は現代文に充て、明治の文豪夏目漱石の『こころ』を読む。前期を通して一つの作品を扱うことで、細かい表現にも注意を払い、読解力を養う。特に作者によって仕組まれた読解の鍵となる表現を手がかりにして、登場人物の心情を多面的に理解する力を身に付ける。また、辞典や国語便覧等によって予習を行い、自発的に調べる力を身につける。後期は、古典に充て、菅原孝標女の『更級日記』を読む。作品を読み進める中で、特に和歌や和歌を踏まえた文章の技巧に焦点を当て、日本の伝統文学である和歌への理解を深め、味わう力を身につける。また、作品内で言及される古典文学作品についても取り上げ、平安時代に流行した文化についての知識も身につける。年間を通じては、常用漢字の修得の徹底を図るために副教材の漢字問題集を活用した授業を展開し、漢字検定試験では少なくとも準2級を取得可能な学力を身につけることができる。
注意点:
漢字検定3級程度の語彙力。 文学Ⅰ・文学Ⅱを履修していること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・ガイダンス
・夏目漱石『こころ』の 導入
・学習目標と授業の進め方を理解できる。
・作品と作者についての知識を身につける。
2週 ・『こころ』その1 ・登場人物の心理と行動を理解できる。
・文中の難解な表現を理解できる。
3週 ・『こころ』その2 ・登場人物の心理と行動を理解できる。
・文中の難解な表現を理解できる。
4週 ・『こころ』その3 ・登場人物の心理と行動を理解できる。
・文中の難解な表現を理解できる。
5週 ・漢字小テスト
・『こころ』その4
・漢字検定準2級の漢字を身につける。
・登場人物の心理と行動を理解できる。
6週 ・『こころ』その5 ・登場人物の心理と行動を理解できる。
・文中の難解な表現を理解できる。
7週 ・『こころ』その6 ・登場人物の心理と行動を理解できる。
・文中の難解な表現を理解できる。
8週 ・中間試験
2ndQ
9週 ・テスト返却と解説
・『こころ』その7
・登場人物の心理と行動を理解できる。
10週 ・『こころ』その8 ・登場人物の心理と行動を理解できる。
・文中の難解な表現を理解できる。
11週 ・『こころ』その9 ・登場人物の心理と行動を理解できる。
・文中の難解な表現を理解できる。
12週 ・『こころ』その10
・漢字テスト
・登場人物の心理と行動を理解できる。
・漢字検定準2級の漢字を身につける。
13週 ・『こころ』その11
・登場人物の心理と行動を理解できる。
・文中の難解な表現を理解できる。
14週 ・『こころ』その12 ・登場人物の心理と行動を理解できる。
・本文を注意深く分析し、作品を多角的に味わ うことができる。
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説
後期
3rdQ
1週 ・菅原孝標女『更級日記』 の導入 ・平安時代の文学に関する知識を獲得する。
・作品と作者に関する知識を獲得する。
2週 ・門出 ・登場人物の心理と行動を理解できる。
・文章に和歌の表現を取り込むことの効果を理解し、味わうことができる。
3週 ・竹芝寺伝説
・漢字テスト
・登場人物の心理と行動を理解できる。
・説話の成立背景を理解する。 漢字検定2級の漢字を身につける。
4週 ・『伊勢物語』 ・登場人物の心理と行動を理解できる。
・『伊勢物語』との関連を理解する。
5週 ・遊女と今様 ・登場人物の心理と行動を理解できる。
・平安時代後期に流行した今様についての知識 を獲得する。
6週 ・『源氏物語』 ・登場人物の心理と行動を理解できる。
・作者が憧れた『源氏物語』に関する知識を獲 得する。
7週 ・長恨歌 ・登場人物の心理と行動を理解できる。
・長恨歌に関する和歌の贈答を理解し味わうこ とができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 ・テスト返却と解説
・かばね尋ぬる宮
・『風葉和歌集』によって、物語の概要を推測 することができる。
10週 ・哀傷歌 ・登場人物の心理と行動を理解できる。
・哀傷歌の技巧を理解し、味わうことができる。
11週 ・『浜松中納言物語』
・漢字テスト
・登場人物の心理と行動を理解できる。
・漢字検定2級の漢字を身につける。
12週 ・連歌 ・登場人物の心理と行動を理解できる。
・連歌に関する基本的な知識を獲得し、味わう ことができる。
13週 ・春秋の争い
・物詣で
・登場人物の心理と行動を理解できる。
・寺社参詣等の平安時代の文化を理解する。
14週 ・晩年
・作品名について
・登場人物の心理と行動を理解できる。
・『更級日記』という題名の由来を理解できる。
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75000205100
基礎的能力75000205100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000