概要:
有明高専が位置する地元の大牟田・荒尾には日本の近代化を支えた三池炭鉱がかつて存在しており、宮原坑や万田坑等の遺構は世界文化遺産に登録されています.平成9年に三池炭鉱は閉山しました.閉山後の地元の衰退は顕著であり、超高齢化社会の到達が間近に控えています.このような状況に対して、大牟田市・荒尾市ではより良い社会の構築のために様々な事業や提案を行って、地元を活性化しようとがんばっています.
本科目は有明高専生である皆さんに、地元が抱える様々な問題や課題をみつけ、その解決のための工夫を提案してもらい、技術者として地元に対する理解を深めてもらうことを目的としています.
また、この科目をとおして皆さんが専門分野への関心をより強く意識することができるような橋渡し役としてもこの科目を位置付けています.
授業の進め方・方法:
この科目ではクラスの5~7名で1チームをつくります(1クラスで6~8チームが編成されます).そのチームで作業を進めます.チームで協力して課題解決に取り組むことができることが大切です.
また、作業のために必要に応じて授業時間外での学習を行うことがあります.
授業では、外部講師を含めた講師から、地元の歴史・文化・産業等に関わる講演を聴いて、地元に関する基礎的な知識を身に付けます.各講演の内容をまとめたレポートを提出してください。そして、各講演の内容について、課題を見出し、解決のための提案を導き出すため、講演後、チームに分かれて研究を進め、チーム毎に発表を行います.
評価は、各チームの ①課題解決のための提案の内容、②発表の内容 で行います.①と②それぞれを5段階で評価し、3以上を合格とします.
注意点:
普段から地元の大牟田・荒尾に関する情報に気を留めておいてください.新聞等にも地元に関わる記事が掲載されるので、それらにも目をとおしてください.そして、記事を集めておいてください.
チームでの作業が中心になるので、各学生のチーム内での役割を確実にはたして、他人まかせにしないでください.
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 3 | 前4,前7,前10,前13 |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 3 | 前4,前7,前10,前13 |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 3 | 前4,前7,前10,前13 |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | 前4,前7,前10,前13 |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 2 | 前4,前7,前10,前13 |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 2 | 前4,前7,前10,前13 |
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。 | 2 | 前5,前8,前11,前14,前15 |
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる | 2 | 前4,前7,前10,前13 |
複数の情報を整理・構造化できる。 | 3 | 前4,前7,前10,前13 |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 2 | 前4,前7,前10,前13 |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 2 | 前4,前7,前10,前13 |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 2 | 前5,前8,前11,前14,前15 |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 2 | 前5,前8,前11,前14,前15 |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 2 | 前4,前7,前10,前13 |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 2 | 前5,前8,前11,前14,前15 |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 2 | 前4,前7,前10,前13 |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 3 | 前4,前7,前10,前13 |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 3 | 前4,前7,前10,前13 |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 2 | 前4,前7,前10,前13 |
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。 | 2 | 前4,前7,前10,前13 |
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。 | 2 | 前4,前7,前10,前13 |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | 前4,前7,前10,前13 |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | 前4,前7,前10,前13 |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | 前4,前7,前10,前13 |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | 前4,前7,前10,前13 |
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。 | 3 | 前4,前7,前10,前13 |
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。 | 3 | 前4,前7,前10,前13 |
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている | 3 | 前4,前7,前10,前13 |
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。 | 2 | 前3,前6,前9,前12 |
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。 | 2 | 前5,前8,前11,前14,前15 |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。 | 2 | 前4,前7,前10,前13 |
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。 | 2 | 前4,前7,前10,前13 |