科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 化学
科目番号 0030 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(共通科目) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「改訂化学高等学校理科用文部科学省検定済教科書2東書化学308」、東京書籍著、東京書籍, 「ダイナミックワイド図説化学」、竹内敬人編著、東京書籍, 「セミナー化学基礎+ 化学」、第一学習社編集部著、第一学習社
担当教員 牧野 伸一,大川原 徹

到達目標

1. 気体の状態方程式を説明でき、それを使った計算ができる。
2. 熱化学方程式を組み立てることができる。
3. 化学平衡及び平衡移動の原理を説明できる。
4. 有機化合物の特徴について説明できる。
5. 他の班員と協力し合って、安全にかつ円滑に実験を行い、その結果や考察をレポートにまとめて報告できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1気体の状態方程式を説明でき、それを使った計算ができる。教科書を見て、気体の状態方程式を説明でき、それを使った計算ができる。気体の状態方程式を説明できず、それを使った計算ができない。
評価項目2熱化学方程式を組み立てることができる。教科書を見て、熱化学方程式を組み立てることができる。熱化学方程式を組み立てることができない。
評価項目3化学平衡及び平衡移動の原理を説明できる。教科書を見て、化学平衡及び平衡移動の原理を説明できる。化学平衡及び平衡移動の原理を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1 年次の化学で学んだ知識を基礎にして、より複雑な化学現象及び身の回りに多数存在する有機化合物の性質を理解することを主な目的とする。
授業の進め方・方法:
1 年次からの継続科目であるので連続性を重視しながら、2 年次では反応速度論や有機化合物について学習する。後期には1 年次と同様に5 テーマの実験を組み入れて座学での理解向上の一助とする。ほぼ教科書に沿って授業を進めるが、順序は前後する。
注意点:
新しい概念や法則等の理解が必要となるので、常日頃からの予習、復習は必須である。特に、1年次に履修した化学反応式や物質量の取り扱いに慣れておく必要がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 物質の状態 物質の三態と状態図を説明することができる。蒸気圧を説明できる。
2週 気体の性質(1) 気体の体積、圧力、温度の関係を説明できる。
3週 気体の性質(2) 気体の状態方程式を用いた計算をすることができる。
4週 溶液の性質(1) 溶解度、再結晶、濃度の計算をすることができる。
5週 溶液の性質(2) 沸点上昇、凝固点降下の現象を説明できる。
6週 有機化合物の特徴と構造 有機化合物の定義を説明できる。
7週 炭化水素(1) 炭化水素の分類を説明することができる。
8週 中間試験 前期前半の内容の理解を問う試験で、100点満点中80点以上を取ることができる。
2ndQ
9週 炭化水素(2) 構造式から原子のつながりを理解し、分子を頭の中にイメージすることができる。
10週 炭化水素(3)、臭素水の実験 異性体の種類を説明することができる。付加反応と置換反応について説明できる。
11週 酸素を含む有機化合物(1) アルコールの分類と、アルデヒド、ケトンの関係を説明できる。エーテルがどういうものか説明できる。
12週 酸素を含む有機化合物(2) カルボン酸とエステルの関係を説明できる。
13週 酸素を含む有機化合物(3) 油脂とセッケンについて説明できる。
14週 芳香族化合物 ベンゼン環と芳香族化合物の性質を概説できる。
15週 期末試験 前期後半の内容の理解を問う試験で、100点満点中80点以上を取ることができる。
16週 答案返却 不正解だった問題について復習し、次の機会には正解できる。
後期
3rdQ
1週 化学反応と熱・光(1) いろいろな反応熱の熱化学方程式を書くことができる。
2週 化学反応と熱・光(2) ヘスの法則を用いて、反応熱の計算をすることができる。
3週 化学反応の速さ 化学反応の速度と触媒、活性化エネルギーの関係を説明できる。
4週 化学平衡(1) 化学平衡の法則(質量作用の法則)を説明できる。平衡定数を用いて、平衡状態での物質の存在量を計算できる。
5週 化学平衡(2) ルシャトリエの原理の考え方で、平衡の移動を説明できる。
6週 水溶液中の化学平衡(1) 電離平衡の考え方により、弱酸や弱塩基のpHを説明できる。
7週 水溶液中の化学平衡(2) 平衡定数を用いて、塩の加水分解、緩衝液の性質、難溶性塩の溶解度を説明できる。
8週 中間試験 後期前半の内容の理解を問う試験で、100点満点中80点以上を取ることができる。
4thQ
9週 実験諸注意 安全に化学実験を行うために気をつけることを挙げることができる。
10週 サイクル実験(1) 目的に合った実験操作を行い、実験結果と考察をまとめてレポートを作成できる。
11週 サイクル実験(2) 目的に合った実験操作を行い、実験結果と考察をまとめてレポートを作成できる。
12週 サイクル実験(3) 目的に合った実験操作を行い、実験結果と考察をまとめてレポートを作成できる。
13週 サイクル実験(4) 目的に合った実験操作を行い、実験結果と考察をまとめてレポートを作成できる。
14週 サイクル実験(5) 目的に合った実験操作を行い、実験結果と考察をまとめてレポートを作成できる。
15週 サイクル実験補足 5回の実験内容を正しく認識し、人に説明できる。
16週 総まとめと復習 1,2年生の化学の学習内容を説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3後16
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3前13
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3前1
水の状態変化が説明できる。3前1
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前1
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3前2
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3前3
原子の相対質量が説明できる。3後16
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3後16
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3前3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3前3
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3前3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3後4
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3後4
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3後16
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3前4
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3前4
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3後6,後7
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3後6,後7
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3後6,後7
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3後6,後7
酸化還元反応について説明できる。3後16
イオン化傾向について説明できる。3後16
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3後16
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3後16
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3後16
一次電池の種類を説明できる。3後16
二次電池の種類を説明できる。3後16
電気分解反応を説明できる。3後15
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3後16
ファラデーの法則による計算ができる。3後15
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3前10,後9,後10,後11,後12,後13,後14
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3前10,後9,後10,後11,後12,後13,後14
測定と測定値の取り扱いができる。3後10,後11,後12,後13,後14
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3後10,後11,後12,後13,後14
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3後10,後11,後12,後13,後14
ガラス器具の取り扱いができる。3前10,後10,後11,後12,後13,後14
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3前10,後10,後11,後12,後13,後14
試薬の調製ができる。3後10,後11,後12,後13,後14
代表的な気体発生の実験ができる。3後10,後11,後12,後13,後14
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3後10,後11,後12,後13,後14
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。1後10,後11,後12,後13,後14
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。1後10,後11,後12,後13,後14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。1後10,後11,後12,後13,後14
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。1後10,後11,後12,後13,後14
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。1後10,後11,後12,後13,後14
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。1後10,後11,後12,後13,後14
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。1後10,後11,後12,後13,後14
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。2後10,後11,後12,後13,後14
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。2後10,後11,後12,後13,後14
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。2後10,後11,後12,後13,後14
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。2後10,後11,後12,後13,後14
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。2前6
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。2前7,前9,前10
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。2前9
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。2前10
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。2前12
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。2前13,前14
分析化学強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。3後6,後7
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。2後6,後7
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。1後6,後7
物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。2前3
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。2前3
混合気体の分圧の計算ができる。2前3
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。2前1
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。2前5
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。2前5
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。2後4
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。2後5
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。2後3
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。2後15
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】有機化学実験蒸留による精製ができる。2後14
物理化学実験熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。3後14

評価割合

試験課題テスト演習、実験レポートその他その他その他合計
総合評価割合42850000100
基礎的能力0000000
専門的能力42850000100
分野横断的能力0000000