コンピュータ概論(前期)

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 コンピュータ概論(前期)
科目番号 0070 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(共通科目) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 適宜配布
担当教員 今地 大武

到達目標

コンピュータ技術者に必要とされる、ハードウェアとソフトウェアに関する知識について、その概要を論理的に把握できることを到達目標にしている。
この科目の単位修得により以下の項目の知識と能力を身につける:
1.コンピュータを構成するための, 基本的な機能を説明できる。
2.コンピュータにおけるハードウェアとソフトウェアの関係を説明できる.
3.コンピュータのためのデータ表現法について説明できる。
4.基本的なアルゴリズムについて説明できる。
5.ネットワーク通信機能の標準的な構成について説明できる。
6.情報システムのアーキテクチャを運用形態の観点から説明できる。
7.情報セキュリティについて, 脆弱性, 脅威, リスクの種類について説明できる.
8.情報セキュリティ対策技術について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1IT技術に関する原理的な知識を説明できる。IT技術に関する基礎知識を説明できる。IT技術に関する基礎知識を説明できない。
評価項目2ネットワークの標準的な技術について説明できる。ネットワークの基礎的な知識を説明できる。ネットワークの基礎的な知識を説明できない。
評価項目3情報セキュリティおける脆弱性、脅威、リスクへの標準的な対策について説明できる。情報セキュリティにおける脆弱性、脅威、リスクについて説明できる。情報セキュリティにおける脆弱性、脅威、リスクについて説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 A① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 D① 専門工学の基礎に関する知識と基礎技術を統合し、活用できる。
準学士課程の教育目標 F② 工業技術と社会・環境との関わりを考えることができる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SA① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する共通基礎を理解できる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SD② 専攻分野の専門性に加え、他分野の知識も学習し、幅広い視野から問題点を把握できる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SF② 工業技術と社会・環境との関わりを理解し、社会・環境への効果と影響を説明できる。

教育方法等

概要:
コンピュータやネットワークなど、いわゆるIT技術は、近年様々な工学分野に関連する技術となってきた。そのため、技術者は単に情報機器を利用するだけでなく、様々なコンピュータ応用機器およびシステムを開発・設計できる能力を要求される。したがって、所属コースに関わらず、IT技術に関する知識・理解を必要とする。
 IT技術にはハードウェアとソフトウェアの2側面がある。コンピュータが機械として動作するためには処理装置であるCPUや記憶装置、入出力装置とそれらを制御する方法が必要とされる。また、実際にコンピュータを利用したり応用システムを開発する場合、オペレーティング システムやネットワークを理解し、ソフトウェアを作成する必要がある。更に、現在、ネットワーク技術やコンピュータ技術にとってセキュリティの視点からのアプローチが必須となっている。インターネット技術を中心に、「セキュリティ」とは何かを理解し、セキュリティ技術とコンピュータ技術やネットワーク技術との関係を学習する。
授業の進め方・方法:
講義を中心に進め、適宜課題に対するレポートの提出を求める。
注意点:
提出物〆切厳守。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、コンピュータの仕組み、ハードウェアとソフトウェア、オペレーティングシステム コンピュータの5大機能、ハードウェア、ソフトウェア、プログラム実行の流れ、オペレーティングシステム、ファイルとフォルダ
2週 アナログとディジタル、情報のディジタル表現 アナログ・ディジタルの特徴、情報の量の単位、文字コード、ディジタルデータの利点、ディジタルデータの問題点、誤りの訂正、色のディジタル表現、音声・画像・動画のディジタル化
3週 論理回路 論理ゲート、組合せ論理回路
4週 アルゴリズムとプログラミング アルゴリズムとフローチャート、アルゴリズムの重要性
5週 通信手段の歴史、ネットワークの概要 インターネットの登場、メディアの発展、通信速度の変化、プロトコルとOSI参照モデル
6週 LAN技術とWAN技術 LANの規格とMACアドレス、イーサネット、無線LAN、WANの種類
7週 インターネット・プロトコル(IP) IPとIPアドレス、ルータとデフォルトゲートウェイ、IPアドレスの自動設定、名前解決
8週 情報システム、サーバ 情報システムの種類、サーバの概要
2ndQ
9週 システムの運用、仮想化とクラウド システム運用の概要、信頼性向上対策、サーバ仮想化、クラウドコンピューティング
10週 情報セキュリティとは 資産・脆弱性・脅威・リスク、情報セキュリティとは、セキュリティ事故の事例
11週 セキュリティ上の脅威 不正アクセス、サービス妨害、悪意あるソフトウェア、ソーシャルエンジニアリング、マルウェア、不正アクセスの手法
12週 セキュリティ技術、セキュリティ対策(1) 暗号化とPKI、認証技術、ファイアウォール、IDSとIPS、個人のセキュリティ対策、組織のセキュリティ対策
13週 セキュリティ技術、セキュリティ対策(2) サーバへの攻撃、Webサイトへの攻撃、名前解決の悪用
14週 セキュリティについての議論(1) 事例調査および議論
15週 セキュリティについての議論(2) 事例調査および議論
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野ソフトウェアアルゴリズムの概念を説明できる。3
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。3
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。3
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。2
時間計算量によってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。1前4
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。1前2
計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。3
基数が異なる数の間で相互に変換できる。3
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3
基本的な論理演算を行うことができる。3
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。3
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。2
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。2
組合せ論理回路を設計することができる。2
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。2

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
専門的能力7030100