物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 物理Ⅰ
科目番号 0001 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 「物理基礎」 高木堅志郎, 植松恒夫(啓林館),「物理」 高木堅志郎, 植松恒夫 (啓林館),「セミナー物理基礎+物理」 第一学習社編集部 (第一学習社)
担当教員 田淵 大介

到達目標

物理学の学習を通じて,自然現象を系統的,論理的に考えていく能力を養い,広く自然の諸現象を科学的に解明するための物理的な見方,考え方を見につけさせる.さらに,物理学は工学を学ぶための極めて重要な基礎であり,多くの分野において科学技術の発展に欠かせない知識であることを認識させる.
物理Iでは,
(前期)理工系の基礎となる力学の基本概念(運動方程式の立て方,運動量,エネルギーの計算)が説明できる.
(後期)円運動,単振動,波動についての物理的な思考力が身に付き,専門教科の基礎となることが理解できる.
物理実験においては,実験結果を,座学で学んだ内容と関連付けて考えることができる.
ことを基本目標とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物理学の理論にそって自然現象を説明できる物理学の理論にそって自然現象を考えることができる物理学の理論にそって自然現象を考えることができない
評価項目2数式の物理的意味を説明できる数式の物理的意味を知っている数式の物理的意味を知らない
評価項目3物理量を正しく求めることができる物理量の求め方を知っている物理量の求め方を知らない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物理学の学習を通じて,自然現象を系統的,論理的に考えていく能力を養い,広く自然の諸現象を科学的に解明するための物理的な見方,考え方を見につけ去る.さらに,物理学は工学を学ぶための極めて重要な基礎であり,多くの分野において科学技術の発展に欠かせない知識であることを認識させる.
授業の進め方・方法:
全員が理解する事を基本方針とする.そのために検定教科書を用いた講義により物理的な内容の理解に努め,問題演習,実験,小テストを折り込みながら講義を進める.また,講義内容に対して現実感を持たせるため,教員による模範実験(デモンストレーション)を随時織り込むほか,数回の一斉実験も行う.
注意点:
・授業で課せられる演習問題課題への提出が求められる.
・授業の内容はノートに書き留めておくこと.学んだことを確認するのに役立ちます.疑問があれば,自分で調べ,考える事.解決できなければ,クラス内で討論し理解を深めて下さい.
・1日2問ノート,夏期課題,冬期課題を課します.提出日に遅れないようにして下さい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
運動の表し方,平均の速度
・物理量のMKS単位系を使い分けることができる.
・時刻と位置の関係を表すことができる.
・平均の速さと瞬間の速さの違いを述べることができる.
2週 加速度,等速度,等加速度直線運動 ・加速度を求めることができる.
・物体の位置や速度の計算ができる.
・道のりなどを求めることができる.
3週 平面内の運動,相対速度 平面内を移動する質点の運動を位置の変化として表すことができる.
・速度ベクトルを表現することができ,合成速度を求めることができる.
・相対速度を求めることができる.
4週 落体運動,放物運動
小テスト(1)
・自由落下運動・鉛直投射した物体の位置や速度に関する計算ができる.
・水平投射した物体の位置や速度に関する計算ができる.
・斜方投射した物体の位置や速度に関する計算ができる.
・既習領域の問題を解くことができる.
5週 力の働きとつりあい,いろいろな力
実験:摩擦力と力のつりあい
・物体に作用する力を図示することができる.
・合力を求めることができる.
・釣り合いの釣り合いの状態にある力を求めることができる.
・重力・弾性力・摩擦力・張力・浮力・圧力などのいろいろな力について計算ができる.
・測定データを適切に処理し,報告書を書くことができる.
6週 運動の3法則,運動方程式の立て方, ・運動の3法則について説明できる.
・力が作用する物体の運動について,運動方程式を立てて解くことができる.
・互いに力を及ぼし合う物体の運動について,運動方程式を立てて解くことができる.
7週 剛体に働く力,力のモーメントのつりあい,物体の重心とつりあい ・質点・剛体について説明することができる.
・力のモーメントの釣り合いについて理解し,計算することができる.
.物体の重心について説明することができ,物体の重心とつりあいの状態にある力を求めることができる.
8週 中間試験 既習領域の問題を解くことができる.
2ndQ
9週 運動量と力積,運動量保存の法則 ・物体の質量と速度から運動量を求めることができる.
・運動量の差が力積に等しいいことに関する計算ができる.
・運動量の保存則を用いて,2物体の衝突問題を解くことができる.
10週 反発係数,斜め衝突 ・反発係数を用いて,様々な衝突問題を解くことができる.
11週 仕事,運動エネルギー,位置エネルギー ・仕事や仕事率を求めることができる.
・位置エネルギーに関する計算ができる.
・運動エネルギーに関する計算ができる.
12週 力学的エネルギー保存の法則
小テスト(2)
.力学的エネルギー保存の法則を用いて,様々な物理量の計算に利用できる.
・既習領域の問題を解くことができる.
13週 熱と温度,ボイル・シャルルの法則,エネルギーの変換と保存の法則
実験:比熱の測定
・温度は熱運動の激しさを表す物理量であることがわかり,セルシウス温度を絶対温度への変換ができる.
・ボイルの法則・シャルルの法則を理解し,物質の状態変化の計算ができる.
・熱量・熱容量・比熱の違いがわかり計算ができる.
・エネルギーの変換と保存の法則を理解し,物体の比熱を求めることができる.
・測定データを適切に処理し,報告書を書くことができる.
14週 気体分子の運動 気体の分子運動が,気体の状態を変化させ,気体の状態方程式を用いて計算できる.
15週 気体の状態変化 ・気体の状態変化に対して,理想気体を説明できる.
・理想気体の状態方程式を用いて,状態の変化を計算できる.
16週 期末試験 既習領域の問題を解くことができる.
後期
3rdQ
1週 等速円運動の角速度・速度・加速度 ・等速円運動をする物体の各速度,速度,加速度に関する計算ができる.
2週 向心力・慣性力・遠心力
円錐振り子
・等速円運動をする物体の周期,回転数,向心力に関する計算ができる.
・円錐振り子の物理的な意味を説明でき,計算ができる.
3週 ケプラーの法則 ・惑星の運動を理解し,ケプラーの法則を用いて計算することができる.
4週 万有引力と重力,万有引力の位置エネルギー ・万有引力を求めることができる.
・万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる.
5週 ,第1宇宙速度と第2宇宙速度
小テスト(3)
・第1宇宙速度,第2宇宙速度を理解し,計算により速度を求めることができる.
・既習領域の問題を解くことができる.
6週 単振動の速度・加速度,復元力 ・単振動における周期,振動数,速度,加速度,力の関係を求めることができる.
・単振動の位置,速度,加速度のグラフを書くことができる.
7週 ばね振り子
単振り子
単振動の力学的エネルギー
実験:単振り子の実験
・バネ振り子や単振り子の周期を求めることができる.
・単振動の力学的エネルギーを求めることができる.
・測定データを適切に処理し,報告書を書くことができる.
8週 中間試験 既習領域の問題を解くことができる.
4thQ
9週 波の性質,横波と縦波, ・波の波長,周期,振動数,速さについて説明できる.
・横波と縦波の違いについて説明できる.
10週 正弦波の式 ・正弦波の式を説明できる.
・波形のグラフを書くことができる.
11週 波の重ね合わせ
定常波・反射・屈折・干渉
ホイヘンスの原理
小テスト(4)
・波の重ね合わせの原理を理解し,合成波形を作図できる.
・波の反射の法則について説明できる.
・2つの波の干渉によって,互いに強め合う条件と弱め合う条件を説明できる.
・定常波の振動の特徴を説明できる.
・ホイヘンスの原理によって屈折の法則と開設を説明できる.
・既習領域の問題を解くことができる.
12週 音の性質・反射・屈折・回折・干渉・うなり
弦の振動
・音の性質について説明できる.
・弦の長さと,弦を伝わる波の速さから,弦の固有振動数を求めることができる.
・共鳴,共振現象について具体例を上げることができる.
13週 気柱の共鳴
実験:気柱共鳴の実験
・気柱の長さと音速から,閉環・開館の固有振動数を求めることができる.
・開口端補正を求めることができる.
・測定データを適切に処理し,報告書を書くことができる.
14週 ドップラー効果 ・ドップラー効果を説明することができる.
・ドップラー効果から,計算により速度,音速を求めることができる.
15週 ヤングの干渉,ニュートンリング ・自然光と偏光の違い位について説明できる.
・ヤングの干渉実験,回折格子について説明できる.
・屈折の法則に関する計算ができる.
・波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを理解している.
16週 定期試験 既習領域の問題を解くことができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度演習・レポートその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力6000020080
専門的能力1000010020
分野横断的能力0000000