概要:
工業力学は機械工学の基幹となる材料力学、水力学、熱力学などの応用力学の入門的基礎科目で、更には機械工学の4基礎科目の一つである機械工作法などの理解にも欠かせない最重要科目の一つである。内容は剛体のつりあい問題を中心とする静力学と、支点や物体の運動を論じる動力学から構成されている。
授業の進め方・方法:
授業は教科書を併用しながら実施する。単なる暗記より、理解を重視する。応用能力と力学的センスを涵養するために、公式の導出過程を詳細に示すと共に、演習に授業の力点を置く。また、当科目は日々の勉学が不可欠であることから、宿題やレポートの提出を求める。
注意点:
三角関数、物理の力学を理解しておくこと。関数電卓を持参すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
・1点にはたらく力の合成と分解について |
・1点にはたらく力の合成と分解の計算ができる。
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2週 |
・力のモーメントについて |
・力のモーメント、偶力を理解し、計算できる。
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3週 |
・着力点の異なる力の合成について |
・着力点の異なる力の合成の計算ができる。
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4週 |
・1点にはたらく力のつりあいについて |
・1点にはたらく力のつりあいの計算ができる。
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5週 |
・着力点の異なる力のつりあいについて |
・着力点の異なる力のつりあいの計算ができる。
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6週 |
・トラス |
・接点法、切断法を用いた計算ができる。
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7週 |
・1〜6週までの復習 |
・1〜6週までの内容を理解し、章末の問題を解くことができる。
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8週 |
・中間試験 |
1〜7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る。
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2ndQ |
9週 |
・試験内容についての解説 ・重心と図心について |
・中間試験の内容を理解する。 ・重心、図心が理解する。
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10週 |
・物体の重心について |
・簡単な図形の重心を導き出すことができる。
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11週 |
・点の運動 |
・速度、加速度を理解する。 ・等速度運動、等角速度運動の計算ができる。
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12週 |
・平面運動 |
・放物線運動、円運動の計算ができる。
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13週 |
・相対運動 |
・相対速度を理解し、相対運動の計算ができる。
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14週 |
9〜13週までの復習 |
・9〜13週までの内容を理解し、章末の問題を解くことができる。
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15週 |
・期末試験 |
9〜14週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る。
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16週 |
・試験内容についての解説 |
・期末試験の内容を理解する。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
・運動の法則について |
・運動の第一法則、第二法則、第三法則を説明できる。
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2週 |
・慣性力について ・向心力、遠心力について |
・慣性力について理解する。 ・向心力、遠心力について理解する。
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3週 |
・剛体の回転運動と慣性モーメントについて |
・剛体の回転運動と慣性モーメントについて理解する。
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4週 |
・慣性モーメントに関する定理について |
・和、平行軸、直交軸の定理について理解し、色々な物体の慣性モーメントの計算ができる。
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5週 |
・簡単な物体の慣性モーメントについて |
・簡単な物体の慣性モーメントを導き出せる。
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6週 |
・剛体の運動方程式について |
・剛体の運動方程式を理解し、計算できる。
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7週 |
・1〜6週までの復習 |
・1〜6週までの内容を理解し、章末の問題を解くことができる。
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8週 |
・中間試験 |
1〜7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る。
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4thQ |
9週 |
・試験内容についての解説 ・運動量と力積について
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・中間試験の内容を理解する。 ・運動量、角運動量、力積について説明できる。
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10週 |
・運動量と力積について ・向心衝突について |
・運動量保存の法則について説明できる。 ・向心衝突についての計算ができる。
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11週 |
・向心衝突について ・偏心衝突について |
・向心衝突についての計算ができる。 ・偏心衝突についての計算ができる。
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12週 |
・仕事について |
・仕事の定義が説明する。 ・ばね力、重力、回転の仕事について計算することができる。
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13週 |
・エネルギー、動力について |
・運動、位置、回転エネルギーについて説明できる。 ・力学的エネルギー保存の法則を用いた計算ができる。 ・動力の計算ができる。
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14週 |
・9〜13週までの復習 |
・9〜13週までの内容を理解し、章末の問題を解くことができる。
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15週 |
・定期試験 |
9〜14週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る。
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16週 |
・試験内容についての解説 |
・定期試験の内容を理解する。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。 | 2 | |
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。 | 3 | |
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。 | 3 | |
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。 | 3 | |
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。 | 3 | |
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。 | 3 | |
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。 | 3 | |
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。 | 3 | |
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。 | 3 | |
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。 | 2 | |
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。 | 3 | |
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。 | 3 | |
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。 | 3 | |
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。 | 3 | |
仕事の意味を理解し、計算できる。 | 3 | |
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。 | 3 | |
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。 | 2 | |
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。 | 3 | |
動力の意味を理解し、計算できる。 | 3 | |
運動量および運動量保存の法則を説明できる。 | 3 | |
物体が衝突するさいに生じる現象を説明できる。 | 3 | |
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。 | 3 | |
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。 | 3 | |