自動制御Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 自動制御Ⅰ
科目番号 0010 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「工科系のためのシステム工学 ―力学・制御工学―」 山本 郁夫,滝本 隆 (共立出版)
担当教員 滝本 隆

到達目標

1. 自動制御の定義やフィードバック制御の概念と基本要素を説明できる。
2. ラプラス変換を用いて伝達関数を導出でき、ブロック線図を用いて制御系を表現できる。
3. 制御系の過渡特性を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1自動制御を実例を挙げて説明できる。フィードバック制御系を説明・構成できる。自動制御の定義やフィードバック制御の基本要素を説明できる。自動制御について説明できない。フィードバック制御の概念が理解できていない。
評価項目2伝達関数を説明・導出できる。また、ブロック線図で制御系を描け、簡単化することができる。伝達関数の定義や利点を説明でき、ブロック線図で制御系を描ける。伝達関数の定義を説明できない。ブロック線図の基本要素が描けない。
評価項目3インパルス応答およびステップ応答を説明・導出できる。インパルス応答およびステップ応答を説明できる。 制御系の過渡特性を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
自動制御は、自動車、ロボット、工作機械など多くの機械システムにおいて必要不可欠な技術である。本授業では、自動制御の基礎となる古典制御を理解することが目的である。とくに、1入出力システムを対象とし、フィードバック制御、伝達関数モデル、ブロック線図表現、制御系解析について学習する。また、具体的な事例・問題に対し制御技術をどのように用いればよいかという応用的な力を身に付ける。
授業の進め方・方法:
制御の概要を歴史的な事例、身近な装置を通して解説する。教科書だけでなく、webに公開している資料をもとに授業を進める。微分方程式とラプラス変換については必要最低限に留めて、ブロック線図により制御系の構成を直感的に理解できるようにする。数学理論の展開は授業の進度に応じて随時補足する。
注意点:
自動制御で必要とする前提知識は、3学年までに学習した物理・数学が基本である。機械工学で学習してきた熱・水の基礎知識も重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 自動制御とはどういうものか理解する。
2週 ワットの調速機を例にとり、制御の仕組みや歴史を説明する。 自動制御の仕組みを説明できる。
3週 自動制御の定義や種類について学習する。 自動制御の定義と種類を説明できる。
4週 フィードバックとフィードフォワードの違いと機能を説明する。 フィードバック制御の概念を説明できる。
5週 フィードバック制御系の構成要素を説明する。 フィードバック制御の構成要素を説明できる。
6週 微分方程式による制御対象のモデリング(数式化)について学ぶ。 制御対象を微分方程式で表現できる。
7週 基本的な微分方程式のラプラス変換と逆変換について復習する。 ラプラス変換と逆変換により微分方程式を求めることができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 中間試験内容の解説を行う。制御対象のモデリング法として伝達関数による表現を学習する。 中間試験の内容を理解する。伝達関数を説明できる。
10週 基礎的な機械要素、電気回路について伝達関数で表現する。 対象を伝達関数で表現できる。
11週 システムとしての制御要素の繋がりをブロック線図で可視化する。 ブロック線図の構成要素を説明できる。
12週 複数要素から構成されるブロック線図を集約する方法(簡単化)を説明する。 ブロック線図を用いて制御系を表現できる。
13週 過渡応答について説明する。インパルス入力やステップ入力に対して、その応答を計算し、図表化して動作特性を理解する。 過渡応答について説明できる。
14週 インパルス応答やステップ応答に関する演習を行う。 過渡応答を導出できる。
15週 期末試験
16週 期末試験内容の解説を行う。 期末試験の内容を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。3後1,後2,後3
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。3後4,後5
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。3後7,後9,後10
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。3後7,後9,後10
伝達関数を説明できる。3後9,後10
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。3後11,後12
制御系の過渡特性について説明できる。3後13,後14

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000