自動制御Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 自動制御Ⅰ
科目番号 0085 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「工科系のためのシステム工学 ―力学・制御工学―」 山本 郁夫,滝本 隆 (共立出版)
担当教員 滝本 隆

到達目標

1. 自動制御の定義やフィードバック制御の概念と基本要素を説明できる。
2. ラプラス変換を用いて伝達関数を導出でき、ブロック線図を用いて制御系を表現できる。
3. 制御系の過渡特性を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1自動制御を実例を挙げて説明できる。フィードバック制御系を説明・構成できる。自動制御の定義やフィードバック制御の基本要素を説明できる。自動制御について説明できない。フィードバック制御の概念が理解できていない。
評価項目2伝達関数を説明・導出できる。また、ブロック線図で制御系を描け、簡単化することができる。伝達関数の定義や利点を説明でき、ブロック線図で制御系を描ける。伝達関数の定義を説明できない。ブロック線図の基本要素が描けない。
評価項目3インパルス応答およびステップ応答を説明・導出できる。インパルス応答およびステップ応答を説明できる。 制御系の過渡特性を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
準学士課程の教育目標 D① 専門工学の基礎に関する知識と基礎技術を統合し、活用できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SD① 専攻分野における専門工学の基礎に関する知識と基礎技術を総合し、応用できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SD② 専攻分野の専門性に加え、他分野の知識も学習し、幅広い視野から問題点を把握できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SD③ 要求された課題に対して、幅広い視野で問題点を把握し、その解決方法を提案できる。

教育方法等

概要:
自動制御は、自動車、ロボット、工作機械など多くの機械システムにおいて必要不可欠な技術である。本授業では、自動制御の基礎となる古典制御を理解することが目的である。とくに、1入出力システムを対象とし、フィードバック制御、伝達関数モデル、ブロック線図表現、制御系解析について学習する。また、具体的な事例・問題に対し制御技術をどのように用いればよいかという応用的な力を身に付ける。
授業の進め方・方法:
制御の概要を歴史的な事例、身近な装置を通して解説する。教科書だけでなく、webに公開している資料をもとに授業を進める。微分方程式とラプラス変換については必要最低限に留めて、ブロック線図により制御系の構成を直感的に理解できるようにする。数学理論の展開は授業の進度に応じて随時補足する。
注意点:
自動制御で必要とする前提知識は、3学年までに学習した物理・数学が基本である。機械工学で学習してきた熱・水の基礎知識も重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 自動制御とはどういうものか理解する。
2週 制御の仕組み・歴史(ワットの調速機) 自動制御の仕組みを説明できる。
3週 自動制御の定義・種類 自動制御の定義と種類を説明できる。
4週 フィードバックとフィードフォワード フィードバック制御の概念を説明できる。フィードバックとフィードフォワードの違いを説明できる。
5週 フィードバック制御系の構成要素 フィードバック制御の構成要素を説明できる。
6週 微分方程式による制御対象のモデリング 制御対象を微分方程式で表現できる。
7週 微分方程式のラプラス変換と逆変換 ラプラス変換と逆変換により微分方程式を求めることができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 伝達関数による制御対象のモデリング 中間試験の内容を理解する。伝達関数を説明できる。
10週 伝達関数表現 機械要素、電気回路等の対象を伝達関数で表現できる。
11週 ブロック線図(1) ブロック線図の構成要素を説明できる。
12週 ブロック線図(2) ブロック線図を集約(簡単化)することができる。ブロック線図で制御系を表現できる。
13週 過渡応答(1) 過渡応答について説明できる。インパルス入力やステップ入力に対して、その応答を図表化して動作特性を説明できる。
14週 過渡応答(2) 過渡応答を導出できる。インパルス応答やステップ応答に関する演習を行う。
15週 期末試験
16週 期末試験内容の解説を行う。 期末試験の内容を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。3後1,後2,後3
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。3後4,後5
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。3後7,後9,後10
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。3後7,後9,後10
伝達関数を説明できる。3後9,後10
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。3後11,後12
制御系の過渡特性について説明できる。3後13,後14

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000