到達目標
1. 品質管理で使用される基本用語等について分かりやすく説明できる。
2. 資料データのグラフを作成し,その分布の特性値を計算することができる。
3. 管理図の見方や検定・推定,抜取り検査で判定基準を確率分布により解説できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 品質の種類,管理サークル,QC7つ道具を図と文言で的確に説明できる。 | 品質の種類,管理サークル,QC7つ道具を図または文言の何れかでで説明できる。 | 特に品質の種類について図の意味・理解が得られていない。 |
評価項目2 | 測定データから分布表・ヒストグラムを作成し,代表値・散布度を計算でき,規格との比較ができる。電卓とExcelで計算し,その効果についてレビューができる。 | 分布表・ヒストグラムの概略を作成でき,電卓とExcelで計算ができる。 | 分布表の作成が不十分で,これからヒストグラムに反映されていない。Excelの計算に習熟していない。 |
評価項目3 | 管理図でデータの分布図から3σ法の適用と仮説の第1,2種の誤りを判断できる。検定において危険率と両側・片側確率分布を判定できる。OC曲線の計算とその分布の説明ができる。 | 3σ法による確率分布の計算とその適用までできる。検定では統計量の計算から危険率について分布表を適用できる。 | 標準正規分布と正規分布の関連の理解が得られていない。確率分布表を的確に利用できていない。OC曲線のグラフ作成が不十分。 |
学科の到達目標項目との関係
準学士課程の教育目標 A① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
準学士課程の教育目標 D① 専門工学の基礎に関する知識と基礎技術を統合し、活用できる。
準学士課程の教育目標 D② 工学知識や技術を用いて、課題解決のための調査や実験を計画し、遂行できる。
準学士課程の教育目標 D③ 工学知識や技術を用いて、課題解決のための結果の整理・分析・考察・報告ができる。
準学士課程の教育目標 F③ 技術者としての役割と責任を認識できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SA① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する共通基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SD① 専攻分野における専門工学の基礎に関する知識と基礎技術を総合し、応用できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SD② 専攻分野の専門性に加え、他分野の知識も学習し、幅広い視野から問題点を把握できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SD③ 要求された課題に対して、幅広い視野で問題点を把握し、その解決方法を提案できる。
教育方法等
概要:
企業が市場の信頼を得て事業を繁栄させるためには,消費者の要求を十分に考慮し,市場には良品を供給して不良品が流失するのを防止することが不可欠である。そこで本授業では,品質の良いものを経済的に生産し,社会に貢献する上で必要な品質管理の考え方,進め方を理解し,統計データをもとに品質管理に関するいろいろな問題を効果的に解決していく上での手順や方法,特に統計的な手法の基礎を学習します。
授業の進め方・方法:
この授業では,おもに統計的品質管理の各手法について講義により各内容のポイントを説明し,教科書と企業の実例サブ・プリント等を併用して進める。統計と確率の関係を明確に理解することが必要になる。さらに演習課題(レポート提出)を与え,問題を解いて統計計算の使い方に習熟してもらう。
注意点:
演習では,多くの統計データを処理するので,電卓の効率的な使い方を各自構築すること。またExcelを使い,計算効率の検討もするので本校で既に取得した情報処理を活用すること。前期に学習している必修科目「確率と統計」を復習して,統計的品質管理の学習レベルアップを期待する。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
・ガイダンス ・品質とは |
・製品の消費者に対する使用目的の具体性を理解する。
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2週 |
・品質の種類 ・品質特性 |
・設計,製造と消費者間にある品質を把握し,コストと品質のグラフ説明ができる。 ・工業製品に要求される特性値や測定値を指定できる。
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3週 |
・管理と品質の管理 ・管理システム |
・管理のサークルに基いてPDCAとデミングサークルを説明できる。 ・QC活動について組織例を挙げて,品質管理の方法と進め方について説明でき,品質問題を列挙できる。
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4週 |
・QCの七つ道具 |
・各手法について,その目的,特徴,イメージ図について概要を明確に説明できる。
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5週 |
・統計的手法の基礎 ・データ処理1(演習) |
・サンプルデータについて,必要な統計量の特性値を分類して計算式を適用できる。 ・課題データを,電卓で処理-作表-作図するので,時間を要するが,筆記作業の体験により問題解決力が身に付き,知識化ができる。
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6週 |
・確率分布の基礎 |
・二項分布や正規分布,その他の重要な確率変数について説明でき,確率分布の計算で,数表の利用が確実にできる。
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7週 |
・データ処理2(演習) |
・データ処理1の課題をExcelの統計関数を使って処理するので,作表-グラフでは時間効率が向上し,統計関数の使い分けができる。
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8週 |
・中間試験 |
・1~7週の授業内容について理解度の検査を行う。
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4thQ |
9週 |
・試験内容についての解説 ・管理図 |
・試験内容について知識-情報を再構築できる。 ・測定データから管理図を作成して,その見方-用い方について技術知識を活用できる。
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10週 |
・統計的検定/推定方法 |
・データから統計量を計算する方法と必要な確率分布を選ことができて,仮説検定(管理図も含め)で危険率と第1,2種の誤りを説明できる。
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11週 |
・抜き取り検査 |
・計数抜き取り検査では,二項分布からOC曲線を描くことができる。計量検査では標準正規分布に基いて,合格基準を計算してロットの合否を判別できる。
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12週 |
・データ処理3(演習) |
・検定や抜き取検査を数表を使わず,Excelの統計関数で統合処理し,データを情報化,体系付けするのでプレゼンテーション力を向上できる。
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13週 |
・実験計画法 |
・実験要因を配列する方法と分散分析により主要因子の効果,特に直交配列についてその有効性を説明できる。
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14週 |
・品質工学 ・信頼性について |
・従来のデバッグサイクルによる開発から一歩抜け出して田口メソッドにより,直交配列実験結果をSN分析して設計に品質を作り込む事を解説できる。 ・品質特性と故障データが互いに共通する分布で表現できて,品質と信頼性の関係を融合して設計を有効にすることを説明できる。
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15週 |
・定期試験 |
・9~14週の全内容の試験で授業の理解度とその表現力を検査する。
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16週 |
・定期試験内容の解説 |
・定期試験内容のレビュー
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |