計算機システムⅠ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 計算機システムⅠ
科目番号 0116 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 東田幸樹,広瀬啓雄,山本芳人,アセンブラ言語CASL2,2000
担当教員 白濵 成希

到達目標

1. 正負の整数を2進数,10進数,16進数で表現できる.
2. アセンブラ言語の特徴を説明できる.
3. デジタルコンピューターのレジスタについて説明できる.
4. フラグレジスタと制御の関係を理解できる.
5. 与えられた簡単な問題に対して,解決するためのアセンブラプログラムを作成できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
整数の2進数,10進数,16進数表現正確かつ迅速に整数を2進数,10進数,16進数で表すことができる.整数を2進数,10進数,16進数で表すことができる.整数を2進数,10進数,16進数で表すことができない.
アセンブラ言語の特徴アセンブラ言語の特徴について詳細に説明できる.アセンブラ言語の特徴について説明できる.アセンブラ言語の特徴について説明できない.
ハードウェア(COMET II)の仕様ハードウェアの仕様と各レジスタの役割とCOMET IIで実装されているサイズについて説明できる.ハードウェアの仕様と各レジスタの役割について説明できる.ハードウェアの仕様と各レジスタの役割について説明できない.
フラグレジスタと制御FRを変更する命令と分岐を組み合わせて意図したプログラムを作成できるFRとジャンプ命令の概念を理解し,制御プログラムを作成することができる.各FR(OF/SF/ZF)の概念を理解できない. 各ジャンプ命令を理解できない.
アセンブラプログラムの作成応用となるプログラムを理解・作成できる.教科書に記載されているプログラムを理解し,プログラムを作成できる.教科書に記載されているプログラムを理解できない. プログラムを作成できない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 C① 実験や実習を通じて、問題解決の実践的な経験を積む。
準学士課程の教育目標 C② 機器類(装置・計測器・コンピュータなど)を用いて、データを収集し、処理できる。
準学士課程の教育目標 C④ 実験や実習について、方法・結果・考察をまとめ、報告できる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SC① 専門工学の実践に必要な知識を深め、実験や実習を通じて、問題解決の経験を積む。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SC② 機器類(装置・計測器・コンピュータなど)を用いて、データを収集し、処理できる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SC④ 実験や実習について、方法・結果・考察を的確にまとめ、報告できる。

教育方法等

概要:
アセンブラ言語の命令は原則として機械語と一対一に対応している.CPUや周辺機器等,ハードウェアを制御するために,アセンブラ言語を学ぶことは今後ますます重要となっている.本授業では仮想のハードウェアCOMET II上で実行可能なアセンブラ言語CASL IIを用いて,各種レジスタやメモリなど計算機システムの基本概念を学習する.
授業の進め方・方法:
授業は教科書の基本事項を説明後に,実際にプログラムを作成する演習を実施する.COMET IIシミュレータの操作に慣れておくことが必要である.電子計算機,情報処理II,電子制御工学実験実習と関連している.2進数、16進数の計算にも習熟しておく必要がある.
注意点:
規定授業時間数は30時間である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,アセンブラ言語について アセンブラを学ぶ意義とCOMET IIの仕様を理解できる.
演習用シミュレータを操作できる.
2週 COMET IIの扱う数値
文字の表現
負の数は2の歩数で表すことを理解できる.
16 bitで表せる数値の範囲を理解できる.
文字コードについて理解できる.
3週 レジスタとハードウェア COMET IIのハードウェア構成と各レジスタの役割を理解できる.
4週 基本命令
ロード,ストア命令
START/RET/STOPなどCASL IIの基本命令を理解できる.
LD/LAD/STなど汎用レジスタとともに理解できる.
FRを変更する命令とそうでない命令について理解できる.
5週 算術命令
論理命令
算術命令について理解できる.
論理命令について理解できる.
実行後のFRの挙動について理解できる.
6週 シフト命令 2進数の基本を理解した上で,シフト命令の挙動について説明できる.
算術シフト,論理シフトの動作について,符号ビットと実行後のFRの挙動とともに説明できる.
7週 比較命令
分岐命令
比較命令によるFRの挙動について説明できる.
ジャンプ命令についてFRの状態とともに説明できる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 試験のふり返り 試験問題を振り返りこれまでの学習を定着させる.
10週 加算命令と条件分岐 加算命令実行後のOFの変化で条件分岐するプログラムについて説明できる.
上記の原理に基づいたプログラムを作成できる.
11週 マスク処理と条件分岐 ビット表現を理解し求められるマスクを設定することができる.
12週 シフト演算 シフト演算によって元の数の2のn乗が実現できることを理解し,プログラムを作成することができる.
13週 繰り返し処理 汎用レジスタをループ制御変数として使うことができる.
FRを変化させる命令,比較命令,ジャンプ命令を組み合わせて繰り返し処理を実現できる.
14週 サブルーチン サブルーチンの設計理念について学び,プログラムを作成できる.
汎用レジスタを適切に使用するために,サブルーチンの前後にPUSH/POPが必要な事を学ぶ.
15週 ラベルを2重に付ける方法 ジャンプがアドレスによって指定される事を理解し,応用的なプログラムを作成できる.
16週 定期試験答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング変数とデータ型の概念を説明できる。4
代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。4
制御構造の概念を理解し、条件分岐や反復処理を記述できる。4
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。4
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。4
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3
計算機工学整数・小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4

評価割合

実技試験課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力201030
専門的能力403070