数値計算法

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 数値計算法
科目番号 0117 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 ANSI Cによる数値計算法入門 第2版 堀之内總一、森北出版
担当教員 太屋岡 恵里子

到達目標

1. 連立方程式の解を数値的に求めることができる。
2. 最小2乗法により曲線のあてはめができる。
3. 1階常微分方程式の解を数値的に求めることができる。
4. 2元連立常微分方程式、および2階微分方程式の解を数値的に求めることができる。
5. 非線形方程式の解を数値的に求めることができる。
6. 数値積分の値を数値的に求めることができる。
7. C言語を用いて上記のアルゴリズムでプログラムが作成できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
連立方程式連立方程式の解を数値的に求める方法を理解し、説明できる。それを用いて問題を解くことができ、C言語を用いてプログラムが作成できる。連立方程式の解を数値的に求める方法を理解し、説明できる。連立方程式の解を数値的に求める方法を理解できず、説明でない。
最小2乗法最小2乗法により曲線をあてる方法を理解し、説明できる。それを用いて問題を解くことができ、C言語を用いてプログラムが作成できる。最小2乗法により曲線をあてる方法を理解し、説明できる。最小2乗法により曲線のあてる方法を理解できず、説明できない。
1階微分方程式1階常微分方程式の解を数値的に求める方法を理解し、説明できる。それを用いて問題を解くことができ、C言語を用いてプログラムが作成できる。1階常微分方程式の解を数値的に求める方法を理解し、説明できる。1階常微分方程式の解を数値的に求める方法を理解できず、説明できない。
連立微分方程式および2階微分方程式連立微分方程式の解を数値的に求める方法、および、それを2階微分方程式に応用する方法を理解し、説明できる。それを用いて問題を解くことができ、C言語を用いてプログラムが作成できる。連立微分方程式の解を数値的に求める方法、および、それを2階微分方程式に応用する方法を理解し、説明できる。連立微分方程式の解を数値的に求める方法、および、それを2階微分方程式に応用する方法を理解できず、説明できない。
方程式非線形方程式の解を数値的に求める方法を理解し、説明できる。それを用いて問題を解くことができ、C言語を用いてプログラムが作成できる。非線形方程式の解を数値的に求める方法を理解し、説明できる。非線形方程式の解を数値的に求める方法を理解できず、説明できない。
数値積分数値積分の値を数値的に求める方法を理解し、説明できる。それを用いて問題を解くことができ、C言語を用いてプログラムが作成できる。数値積分の値を数値的に求める方法を理解し、説明できる。数値積分の値を数値的に求める方法を理解できず、説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 A① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SA① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する共通基礎を理解できる。

教育方法等

概要:
本授業では、解析的には解くことのできない工学の問題をコンピュータを用いて解く際の助けとなる数値計算法のアルゴリズムを理解することを目的とする。授業では演習を通じて数値計算法の基礎の修得を図る。
授業の進め方・方法:
テキストを用いた講義の後、アルゴリズムの理解を目的とし、電卓を用いた演習、コンピュータを用いたプログラミング演習を行う。
注意点:
数学およびC言語の知識を必要とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 連立1次方程式(1) 連立1次方程式の行列表示と下三角型連立1次方程式 連立1次方程式を行列表示することができる。また、下三角型連立1次方程式を解く逆進代入の方法を理解し、それを用いて問題を解くことができる。
2週 連立1次方程式(2) 下三角型連立1次方程式のプログラミング演習 逆進代入を用いて下三角型連立1次方程式を解くプログラムを作成することができる。
3週 連立1次方程式(3) ガウスの消去法 ガウスの消去法により連立1次方程式を解く方法を理解し、問題を解くことができる。
4週 連立1次方程式(4) ガウスの消去法のプログラミング演習 ガウスの消去法により連立1次方程式を解くプログラムを作成することができる。
5週 連立1次方程式(5) ガウス・ジョルダン法 ガウス・ジョルダン法により連立1次方程式を解く方法を理解し、問題を解くことができる。
6週 連立1次方程式(6) ガウス・ジョルダン法のプログラミング演習 ガウス・ジョルダン法により連立1次方程式を解くプログラムを作成することができる。
7週 中間試験 1~7週までの内容から出題された試験により、授業内容の理解の定着を図る。
8週 試験解説
復習演習
中間試験の内容を解説により理解し,復習演習で理解を定着させる。
2ndQ
9週 連立1次方程式(7) LU分解による連立1次方程式の解法 係数行列のLU分解を用いて、連立1次方程式を解く方法を理解し、問題を解くことができる。また、LU分解により連立1次方程式を解く利点を理解し、説明することができる。
10週 連立1次方程式(8) LU分解による連立1次方程式の解法のプログラミング演習(1) 入力された行列をLU分解するプログラムを作成することができる。
11週 連立1次方程式(9) LU分解による連立1次方程式の解法のプログラミング演習(2) 入力された連立1次方程式の係数行列をLU分解して表示し、連立1次方程式の解を求めるプログラムを作成することができる。
12週 曲線のあてはめ(1) 最小2乗法 最小2乗法により曲線をあてはめる方法を理解し、各基本関数の係数を計算により求めることができる。
13週 曲線のあてはめ(2) 最小2乗法のプログラミング演習(1) 最小2乗法の正規方程式の拡大係数行列を計算するプログラムを作成できる。
14週 曲線のあてはめ(3) 最小2乗法のプログラミング演習(2) 13週のプログラムを拡張し、各基本関数にかかかる係数を求めるプログラムを作成することができる。
15週 期末試験 10~14週までの内容から出題された試験により、授業内容の理解の定着を図る。
16週 試験解説
復習演習
期末試験の内容を解説により理解し,復習演習で理解を定着させる。
後期
3rdQ
1週 常微分方程式(1) オイラー法 オイラー法を理解し、常微分方程式の問題を数値的に解くことができる。
2週 常微分方程式(2) オイラー法のプログラミング演習 オイラー法を用いて常微分方程式を解くプログラムを作成することができる。
3週 常微分方程式(3) ルンゲ・クッタ2次公式、ルンゲ・クッタ4次公式 ルンゲ・クッタ2次公式、および、ルンゲ・クッタ4次公式を理解し、常微分方程式の問題を数値的に解くことができる。
4週 常微分方程式(4) ルンゲ・クッタ2次公式、ルンゲ・クッタ4次公式のプログラミング演習 ルンゲ・クッタ2次公式、および、ルンゲ・クッタ4次公式を用いて常微分方程式を数値的に解くプログラムを作成することができる。
5週 常微分方程式(5) 連立微分方程式と2階微分方程式 常微分方程式の解法を連立微分方程式に適用する方法、2階微分方程式に応用する方法を理解することができ、問題を解くことができる。
6週 常微分方程式(6) 連立微分方程式と2階微分方程式のプログラミング演習 連立微分方程式や2階微分方程式を解くプログラムを作成することができる。
7週 中間試験 1~7週までの内容から出題された試験により、授業内容の理解の定着を図る。
8週 試験解説
復習演習
中間試験の内容を解説により理解し,復習演習で理解を定着させる。
4thQ
9週 方程式(1) 2分法 2分法により方程式を解く方法を理解し、問題を解くことができる。
10週 方程式(2) ニュートン法 反復の開始点の決定方法を含め、ニュートン法により方程式を解く方法を理解し、問題を解くことができる。
11週 方程式(3) 2分法、および、ニュートン法のプログラミング演習 2分法、および、ニュートン法により方程式を解くプログラムを作成することができる。
12週 数値積分(1) 台形公式 台形公式の原理を理解し、台形公式を用いて定積分の問題を解くことができる。
13週 数値積分(2) シンプソンの公式 シンプソンの公式の原理を理解し、台形公式を用いて定積分の問題を解くことができる。
14週 数値積分(3) 台形公式とシンプソンの公式のプログラミング演習 台形公式、および、シンプソンの公式を用いて定積分を行うプログラムを作成することができる。
15週 定期試験 10~14週までの内容から出題された試験により、授業内容の理解の定着を図る。
16週 試験解説
復習演習
定期試験の内容を解説により理解し,復習演習で理解を定着させる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング変数とデータ型の概念を説明できる。4
代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。4
制御構造の概念を理解し、条件分岐や反復処理を記述できる。4
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。4
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。4
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。2
ソフトウェアアルゴリズムの概念を説明できる。3
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000