シミュレーション

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 シミュレーション
科目番号 0127 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 ノート講義、資料プリント
担当教員 添田 滿

到達目標

・多様な表現法を用いてシステムのモデルを誘導できる。
・モデルによるシステムのシミュレーション手法を示し、簡単なシミュレーション計算を実現できる。
・伝達関数モデルの同定ができる。
・制御系のシミュレーションを行うことができる。
・不規則データによるモデリングができ、予測問題に適応できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物理法則を用いて数式モデルを導出し他の数式モデル表現に変換できる物理法則を用いて数式モデルを導出できる。対照の数式モデル表現が求められない。
評価項目2アナログ演算回路でシステムを表現し、スケール変換ができる。アナログ回路でシステムを表現できる。対象の数式モデルからアナログ演算回路に変換できない。
評価項目3連続時間系から離散時間モデルを導き、他の数式モデル表現に変換できる。離散時間システムを理解し、数式モデルで表すことができる。離散時間システムの数式モデル表現ができない。
評価項目4種々の数式モデルを使い分けてシステムのシミュレーションができる。対象の数式モデルを用いてシミュレーションできる数式モデルを用いてシミュレーションができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
システムを制御する場合、制御対象をモデル化し、得られた数式モデルをもとに制御系の解析・設計を行い、制御系が適切なものかどうかをシミュレーションによって検証することが必要となる。本科目では、対象の数式記述とモデリングの手法、モデルを用いたシミュレーションによる解析法の基礎を身につけることを目的とする。
授業の進め方・方法:
モデリングとシミュレーションの概念・理論を示し、例題と演習等で理解を深める。制御理論Ⅰ、微分方程式、行列論が基礎となるので理解を深めておくこと。
注意点:
授業で学んだ内容についてノートを整理し復習する共に、例題、課題を解くことにより理解を深める。提出した課題も評価対象とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シミュレーションとモデリング シミュレーションの意味、モデルの意味と種類、モデリングの方法について説明できる。
2週 制御系とシミュレーション 制御系設計と制御系の構成が説明できる。
3週 対象システムの表現 システムの定義、分類が説明できる。対象システムの数式モデルとして、微分方程式表現、伝達関数表現、状態方程式記述のそれぞれへの変換ができる。
4週 対象システムの表現 システムの構造を積分器と比例素子を用いて状態変数線図で表すことができる
5週 システムの線形化 一般のシステムを線形化することができる。
6週 対象プロセスのモデリング 液面系、熱系を物理法則を用いてモデル化し数式モデルで記述できる。
7週 対象プロセスのモデリング 機械系、回転系、電気系を物理法則を用いてモデル化し数式モデルで記述できる。機械系と電気系のアナロジーについて説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 試験の解説
対象プロセスのモデリング
大規模な対象システムをサブシステム化し、いくつかの数式モデルで表現できる。
10週 応答計算によるシミュレーション システムの数式モデルを導き応答計算によりシミュレーションできる。
11週 アナログシミュレーション 同じふるまいをする他の系(モデル)への置き換えができる。オペアンプによる演算回路を理解し説明できる。
12週 アナログシミュレーション システムの数式モデルを求め、システム構造を演算回路で表現できる。
13週 離散時間系 連続時間系と離散時間系について説明できる。A/D、D/Aの働きについて説明できる
14週 離散時間系の数式モデル 離散時間システムの意味を理解し、システムの入出力関係の差分方程式による表現を説明できる。
15週 期末試験
16週 試験の解説
後期
3rdQ
1週 z変換 時間領域で現されたディジタル信号列をz変換して表すことができる。
2週 逆z変換 z変換で表された信号列を時間領域のデーター列に変換できる。
3週 離散時間系の数式モデル 離散時間系を伝達関数、状態方程式で表すことができる。
4週 連続時間系の離散化モデル 連続時間システムの数式モデルを離散時間システムの数式モデルに変換できる
5週 離散時間系の応答とシミュレーション 離散時間系の種々の数式モデルに入力列が加わった時の応答計算ができる。
6週 伝達関数モデルの同定 ブラックボックスモデリングの概要を説明できる。伝達関数パラメータの最小二乗推定式を導出できる。
7週 伝達関数モデルの同定 システムの入出力データから最小二乗推定式を用いて、システムを伝達関数モデルで表現できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 試験の解説
不規則過程のモデリング
不規則過程とは何か、定常不規則過程、エルゴード性、エルゴード仮説などの説明ができる。
10週 ARモデルによるモデリング 時系列モデルを理解し、時間平均、空間平均の概念をもとにし、ユールウォーカー方程式を導出できる。
11週 ARMAモデル、MAモデルによるモデリング 最小二乗推定法によりARMAモデル、MAモデルのパラメータ推定式を導出できる。
12週 ARモデルによる予測問題 ARモデルを用いた時系列予測式を導きだし、時系列予測することができる。
13週 制御系のシミュレーション 連続系でのシミュレーション計算ができる。
14週 制御系のシミュレーション 離散時間系に変換してシミュレーション計算ができる。
15週 定期試験
16週 試験の解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
電子回路利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。3
演算増幅器の特性を説明できる。3
計測A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。2
制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。4
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4

評価割合

試験演習課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000