電磁波・光工学

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 電磁波・光工学
科目番号 0148 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 電波がわかる本 (なるほどナットク!)、後藤 尚久著、オーム社
担当教員 才田 聡子

到達目標

1. 電気磁気学を理解している。
2. 1 をふまえて、マクスウェル方程式から電磁波が発生する仕組みを説明できる。
3. 電磁波を表現する各種の量 (周波数、波長、周期、速度、偏波)、屈折と反射を理解している。
4. 3 をふまえて、電磁波を放射するアンテナの種類と特徴、周波数の違いに対する伝搬特性について説明できる。
5. 電磁波による情報の伝送について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限必要な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
電磁気学電場・磁場の性質を理解した上で電磁波の発生する仕組みを自分の言葉で説明できる。さらにそれらの知識を使って光の速度を導くことができる。電場・磁場の性質を理解し、そこから電磁波の発生する仕組みを自分の言葉で説明できる。電場・磁場の性質を理解し、そこから電磁波の発生する仕組みを教科書などを参考に導くことができる。電場・磁場の性質を理解しておらず電磁波の発生する仕組みを説明できない。
波の性質波の性質を理解した上で電磁波の基本的な特性を自分の言葉で説明できる。さらに周波数帯ごとの電磁波の特性とそれに合わせた用途を示すことができる。波の性質を理解した上で電磁波の基本的な特性を自分の言葉で説明できる。波の性質を理解した上で電磁波の基本的な特性を教科書などを参考に導くことができる。波の性質を理解していない。電磁波の基本的な特性を説明できない。
電磁波電気力線と磁力線の移動するイメージを理解している。そこから電磁波が伝わる様子を説明することができる。さらに電磁波が放射・反射する条件を定性的に示すことができる。電気力線と磁力線の移動するイメージを理解している。そこから電磁波が伝わる様子を自分の言葉で説明することができる。電気力線と磁力線の移動するイメージをつかんでいる。そこから電磁波が伝わる様子を教科書などを参考に導くことができる。電気力線と磁力線の移動するイメージをつかんでいない。電磁波が伝わる様子も説明できない。
アンテナ半波長ダイポールアンテナから電磁波が放射する仕組みを自分の言葉で説明できる。さらに半波長ダイポールアンテナ以外の種類のアンテナの原理と利点を説明できる。半波長ダイポールアンテナから電磁波が放射する仕組みを自分の言葉で説明できる。半波長ダイポールアンテナから電磁波が放射する仕組み教科書などを参考にして説明できる。半波長ダイポールアンテナから電磁波が放射する仕組みを理解していない。
様々な変調方法様々な変調法や多元接続の原理を理解し説明できる。情報を特定の宛先に正確に届ける技術について理解し説明できる。様々な変調法や多元接続の原理を理解し説明できる。様々な変調法や多元接続の原理を理解し教科書などを参考に説明することができる。様々な変調法や多元接続の原理を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 A② 自主的・継続的な学習を通じて、基礎科目に関する問題を解くことができる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SA② 自主的・継続的な学習を通じて、共通基礎科目に関する問題を解決できる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。

教育方法等

概要:
携帯電話や地上デジタルテレビ放送などに使われる電磁波 (電波) は我々の社会に必要不可欠なものである。本授業では、情報通信技術を支えている電磁波 (電波) に関する基礎的な理論と、その通信への応用技術について学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書を使った講義を中心に授業を進める。教科書の内容から離れることもあるので、各自学習ノートを充実させること。授業の理解度やノートの取り方を確認しながら進めていくために毎回簡単な小テストを授業の中盤以降に実施する。この小テストは各自のノートを参照しながら解答してよい(カメラなどで撮影された画像は除く)。
注意点:
著しく授業を妨害する行為(騒音や授業の内容とは関係のない内容の雑談等)、小テストでの不正が観察された場合には教室から退室させ、その回の授業で行う小テストや質疑応答による評価は総合成績に加算しない。
[オフィスアワー]
水曜日15:30-17:00、金曜日13:00-17:00

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 授業の進め方・評価方法について理解する
2週 前提となる知識の確認 電気磁気学の復習
3週 電磁波の発生 電磁波の発生を理解する
4週 近接作用と光の速度 電場・磁場の近接作用と光の速度を理解する
5週 波の性質 波を表現する各物理量について理解する
6週 電磁波の伝搬特性 電波の特性と用途について知る
7週 中間試験
8週 電力の搬送 導体板モデルで電気力線と磁力線が移動する様子を理解する
4thQ
9週 電磁波の放射と反射1 導体板から放射される電気力線と磁力線のイメージを把握する
10週 電磁波の放射と反射2 導体板モデルで反射が起きる条件を理解する
11週 アンテナの原理1 半波長ダイポールアンテナの原理を理解する
12週 アンテナの原理2 半波長ダイポールアンテナ以外のアンテナの仕組みを理解する
13週 電波に情報を乗せる1 振幅変調・振動数変調を使った情報の伝送を学ぶ
14週 電波に情報を乗せる2 位相変調をつかったデジタル信号の伝送を学ぶ。多元接続について知る。
15週 光ケーブルと光通信 光ケーブルによる通信方法を理解する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。2後5
横波と縦波の違いについて説明できる。2後5
波の重ね合わせの原理について説明できる。2
波の独立性について説明できる。2後5
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。2後12
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。2後11
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。2後15
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。2後13
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。2
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。2後3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。2
ジュール熱や電力を求めることができる。2

評価割合

定期試験小テスト質疑応答取組姿勢合計
総合評価割合604000100
基礎的能力4025±5±4065
専門的能力15100025
分野横断的能力550010