熱システム工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 熱システム工学Ⅰ
科目番号 0128 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「熱工学 (機械系基礎工学5)」 鳥飼 欣一, 鈴木 康一, 岡田 昌志, 飯沼 一男, 須之部 量寛 (朝倉書店)
担当教員 樫村 秀男

到達目標

気体の状態方程式を用いて、仕事と状態変化の関係が計算できる。
各種ガスサイクルの概念が説明でき、得られる仕事や効率等が計算できる。
ガソリン機関の構造や動作原理が説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1仕事と状態変化の関係について応用的問題が計算できる。仕事と状態変化の関係について基礎的問題が計算できる。気体の状態方程式を用いて、仕事と状態変化の関係が計算できない。
評価項目2得られる仕事や効率について応用的問題が計算できる。得られる仕事や効率について基礎的問題が計算できる。各種ガスサイクルの概念が説明できず、得られる仕事や効率等の計算ができない。
評価項目3ガソリン機関の構造や動作原理について自ら作図のうえ、説明できる。掲示された図を用いて、ガソリン機関の構造や動作原理が説明できる。ガソリン機関の構造や動作原理が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
熱と機械的仕事のエネルギー変換について学び、これらの基礎的な学問がどのように生かされているかについて理解を深めることを目的とする。また、授業では、熱エネルギーの応用として内燃機関に焦点をあてる。
授業の進め方・方法:
主として前期に熱力学、後期にガスサイクルと熱機関の基礎的事項について学習する。簡単な演習問題を授業の最後に行うので、電卓を必要とする。対数計算や微分積分など、数学での既学習内容を理解していることが前提となる。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 気体の状態量 絶対温度および絶対圧力を理解できる。
2週 気体の状態方程式 状態方程式を理解し、計算できる。
3週 気体の状態変化(1) 等圧変化、等温変化、等容変化 等圧、等温、等容変化の概念を理解し、計算できる。
4週 気体の状態変化(2) 断熱変化 断熱変化の概念を理解し、計算できる。
5週 気体の状態変化(3) ポリトロープ変化 気体の状態変化をpv線図上に作図でき、ポリトロープ変化の概念を理解できる。
6週 熱量、内部エネルギー、絶対仕事 絶対仕事の概念および熱量、内部エネルギーとの関係を理解できる。
7週 状態変化における仕事(1) 等圧変化、等容変化 等圧、等容変化における絶対仕事を計算できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 答案返却および解説 状態変化における仕事(2) 等温変化、断熱変化 等温、断熱変化における絶対仕事を計算できる。
10週 状態変化における仕事(3) ポリトロープ変化 ポリトロープ変化における絶対仕事を計算できる。
11週 ポリトロープ指数の決定 pv線図上でポリトロープ曲線を作図できる。
12週 エントロピー エントロピーの概念を理解できる。
13週 状態変化におけるエントロピーの変化 各種状態変化におけるエントロピーの変化を計算できる。
14週 ガスサイクル(1) カルノーサイクル カルノーサイクルの概念を理解し、熱効率を計算できる。
15週 前期定期試験
16週 答案返却および解説
後期
3rdQ
1週 ガスサイクル(2) 逆カルノーサイクル 逆カルノーサイクルの概念を理解し、成績係数を計算できる。
2週 ガスサイクル(3) クラウジュースの積分 クラウジュースの積分の概念を理解できる。
3週 ガスサイクル(4) オットーサイクル オットーサイクルの概念を理解し、熱効率を計算できる。
4週 ガスサイクル(5) ディーゼルサイクル ディーゼルサイクルの概念を理解し、熱効率を計算できる。
5週 ガスサイクル(6) サバテサイクル サバテサイクルの概念を理解し、熱効率を計算できる。
6週 絶対仕事と工業仕事 絶対仕事、工業仕事の概念を理解し、pv線図上に区別して描ける。
7週 ガスサイクル(7) ジュールブレイトンサイクル ジュールブレイトンサイクルの概念を理解し、pv線図上に描ける。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 答案返却および解説、内燃機関(1) 4サイクルガソリン機関の構造 4サイクルガソリン機関の構造を理解できる。
10週 内燃機関(2) 4サイクルガソリン機関の動作原理 4サイクルガソリン機関の動作原理および弁開閉時期線図を理解できる。
11週 内燃機関(3) 4サイクルガソリン機関の性能 4サイクルガソリン機関の図示出力、正味出力を計算できる。
12週 内燃機関(4) 2サイクルガソリン機関 2サイクルガソリン機関の構造、動作原理、弁開閉時期線図を理解できる。
13週 気体の流動(1) 摩擦なしの流れ 断熱熱落差の概念を理解し、流速が計算できる。
14週 気体の流動(2) 摩擦ありの流れ 速度係数の概念を理解し、流速が計算できる。
15週 後期定期試験
16週 答案返却および解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。3
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。3
熱力学の第一法則を説明できる。3
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。3
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。3
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。3
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。3
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。3
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。3
熱力学の第二法則を説明できる。3
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。3
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。3
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。3
固体、液体および理想気体におけるエントロピーの変化量を計算できる。3
サイクルをT-s線図で表現できる。3
熱の有効エネルギーを説明できる。3
水の等圧蒸発過程を説明できる。3
飽和蒸気、湿り蒸気、過熱蒸気の状態量を計算できる。3
蒸気の状態量を蒸気表および蒸気線図から読み取ることができる。3
伝熱の基本形態を理解し、各形態における伝熱機構を説明できる。3
フーリエの法則および熱伝導率を説明できる。3
平板および多層平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱抵抗を計算できる。3
対流を伴う平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱通過率を計算できる。3
ニュートンの冷却法則および熱伝達率を説明できる。3
自然対流と強制対流、層流と乱流、温度境界層と速度境界層、局所熱伝達率と平均熱伝達率を説明できる。3
平板に沿う流れ、円管内の流れ、円管群周りの流れなどについて、熱伝達関係式を用いることができる。3
黒体の定義を説明できる。3
プランクの法則、ステファン・ボルツマンの法則、ウィーンの変位則を説明できる。3
単色ふく射率および全ふく射率を説明できる。3

評価割合

試験演習問題・課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000