システム制御工学

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 システム制御工学
科目番号 0167 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 初めて学ぶ現代制御の基礎、江口弘文、大屋勝敬、東京電機大学出版局
担当教員 浜松 弘

到達目標

1. システムの状態空間表現と時間応答を求めることができる。B①②C①、SB①②SB①
2. 制御系の過渡特性について説明できる。B①②C①、SB①②SB①
3. 安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。B①②C①、SB①②SB①
4. 極配置による状態フィードバックによりシステムを安定化できる。B①②C①、SB①②SB①

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1状態空間表現の式をたて、解くことにによって時間応答を求めることができる。状態空間表現の式をたてることができる。状態空間表現の基本となる式を理解してない。
評価項目2応答計算を多種類の方法で解くことができる。状態遷移行列を用い、応答計算ができる。状態遷移行列を理解していない。
評価項目3極と安定性の関係を式で説明でき、安定判別計算ができる。安定判別の計算が多種類の方法でできる。安定判別の計算ができない。
評価項目4状態オブザーバを含めて、制御設計ができる。極を配置して制御設計ができる。状態フィードバックについて意味を理解してない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業では、時間領域における制御系の基本的な解析・設計法を学習することを目的とする。授業では、古典制御理論では設計の難しかった多変数制御システムのシステム制御(現代制御) 理論を用いた設計法について学ぶ。
状態方程式を用いて時間領域で解析をすることでシステムの内部の状態や構造を活用した設計をする。システム制御の基礎をなす線形フィードバック制御を設計するための理論と計算方法という観点から基本的な考え方を理解する。単元終了時に演習問題を解くことで実力の養成を図る。
授業の進め方・方法:
例題の解説や演習問題を実施することで理解を深める。
注意点:
ラプラス変換やベクトル・行列論が基本となるので、4年次の「基礎制御工学」や「線形代数学」を復習・理解しておくこと。演習の課題は、期日までに提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
システム制御とは
古典制御とシステム制御の違いを理解する。
2週 システム制御の事例 多入力・多出力の制御であることを理解する。
3週 線形代数の復習(行列とベクトル) 行列とベクトルの計算をができる。
4週 線形代数の復習(行列式) 行列式と行列の違いを理解し、行列式の計算ができる。
5週 線形代数の復習(逆行列) 行列式、余因子行列を理解し、逆行列の計算ができる。
6週 線形代数の復習(固有値、固有ベクトル) 固有値、固有ベクトルを計算できる。
7週 線形代数の復習(対角化) ジョルダン標準形を理解し、対角化できる。
8週 中間試験 1〜7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解と定着を図る。
2ndQ
9週 中間試験内容についての解説
状態変数と状態方程式
中間試験の内容を理解する
状態変数と状態方程式を理解する。
10週 システム方程式 状態方程式と出力方程式を導出できる。
11週 システム方程式から伝達関数表示 伝達関数に変換できる。
12週 伝達関数からシステム方程式表示 実現問題を理解し、システム方程式に変換できる。
13週 状態方程式の解 状態遷移行列を理解できる。
14週 システム応答 ラプラス変換による方法で応答が算出できる。
15週 前期末試験 9〜14週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解と定着を図る。
16週 前期末試験内容についての解説 前期末試験の内容を理解する。
後期
3rdQ
1週 極による安定判別 極を求め、安定判別できる。
2週 フルヴィッツの安定判別 フルヴィッツの方法により、安定判別できる。
3週 可制御可観測の判別 可制御行列、可観測行列により可制御・可観測の判別ができる。
4週 状態フィードバック(1次システム、原点への漸近安定化) 極配置による設計ができる。
5週 状態フィードバック(1次システム、位置dへの漸近安定化) 状態変数を定義し、極配置による設計ができる。
6週 状態フィードバック(2次システム、原点への漸近安定化) 2次系の極配置による設計ができる。
7週 状態フィードバック(2次システム、位置dへの漸近安定化) 2次系の状態変数を定義し、極配置による設計ができる。
8週 中間試験 17〜23週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解と定着を図る。
4thQ
9週 中間試験内容についての解説
出力フィードバック
中間試験の内容を理解する。
10週 状態オブザーバ 状態オブザーバを理解する。
11週 状態オブザーバ(極配置) 状態オブザーバの極を配置し、設計ができる。
12週 状態オブザーバによる制御 状態オブザーバを使ったフィードバック制御を理解する。
13週 最適制御 評価関数を理解し、最適制御を理解する。
14週 リカッチ方程式 リカッチ方程式を解ける。
15週 学年末試験 25〜30週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解と定着を図る。
16週 学年末試験内容についての解説 学年末試験の内容を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3前10
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3前10

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000