応用化学工学実験

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 応用化学工学実験
科目番号 0141 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 自作実験書:参考書(化学工学、朝倉書店発行 ISBN978-4-254-25033-6)
担当教員 後藤 宗治,前田 良輔,山本 和弥

到達目標

物質収支を理解し、流量・流速の計測、など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法、計算方法を理解する。
熱収支の計算を理解し、伝熱における境膜伝熱係数、総括伝熱係数、乾燥における熱伝達係数の計算ができる。
化学プラントの評価に必要なデータを計算、または文献等により収集し、装置の評価ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物質収支より得られた値より装置の性能評価ができる物質収支式を用いて 実験データの処理ができる。物質収支式内の各項目の内容を説明できない
評価項目2熱収支より得られた値より装置の性能評価ができる熱収支式を用いて実験データの処理ができる。熱収支式内の各項目の内容を説明できない
評価項目3必要な物性値を文献等から探すことができる実験データの処理に必要な諸物性値を選択できる実験に必要な物性値の説明ができない

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
準学士課程の教育目標 C① 実験や実習を通じて、問題解決の実践的な経験を積む。
準学士課程の教育目標 C② 機器類(装置・計測器・コンピュータなど)を用いて、データを収集し、処理できる。
準学士課程の教育目標 C③ 実験結果から適切な図や表を作り、専門工学基礎知識をもとにその内容を考察することができる。
準学士課程の教育目標 C④ 実験や実習について、方法・結果・考察をまとめ、報告できる。
準学士課程の教育目標 E② 日本語で論理的に記述し、報告・討論できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SC① 専門工学の実践に必要な知識を深め、実験や実習を通じて、問題解決の経験を積む。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SC② 機器類(装置・計測器・コンピュータなど)を用いて、データを収集し、処理できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SC③ 実験結果から適切な図や表を作り、専門工学知識をもとに分析し、結論を導き出せる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SC④ 実験や実習について、方法・結果・考察を的確にまとめ、報告できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SE② 実験・実習・調査・研究内容について、日本語で論理的に記述し、報告・討論できる。

教育方法等

概要:
化学工学の知識は独創性や応用面への活用が必要で学習には実験と実習が欠かせない。装置に直接触れて、その操作法を理解すると共に、理論および計算式を実験データと比較して理解できるようにする。
授業の進め方・方法:
単位操作に関する9」テーマを主体とし、工作実習についても併せて実験する。全体を5」名程度から成る班に分け、10テーマについて10週かけて実験を行う(毎週1テーマ)。レポートの提出日、及び後日に各人に対して試問を行う。最終週では実験に関する試験を実施する。
注意点:
工場に存在する装置の小型版を使用するので、作業着を着用。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 オリエンテーション 3週から7週目までの実験内容の理論、目的の説明および注意事項を行うので、理論、目的を理解する。
2週 オリエンテーション 9週から13週目までの実験内容の理論、目的の説明および注意事項を行うので、理論、目的を理解する。
3週 流動実験
オリフィスメーター、ピトー管の圧力差より流量、摩擦損失を計算できる。
4週 境膜伝熱係数の測定 熱交換器の各部分の温度を測定し、境膜伝熱係数、総括伝熱係数を計算できる。
5週 分級実験 粒子の分級方法を理解し、粒度分布図を作成できる。
6週 熱風乾燥 恒率乾燥速度、限界含水率を求めることができる。
7週 恒圧濾過 濾過速度から濾材抵抗、濾滓抵抗を求めることができる。
8週 レポート整理(試問含む) 提出されたレポート内容に関する試問に答えることができる。
4thQ
9週 機械工作 ポンプの原理、構造を理解し、分解、構築ができる。
10週 伝導伝熱 試料の温度差より伝熱係数を求めることができる。
11週 蒸留、精留 気液平衡曲線が作成でき、精留塔のNog、Hog、理論段数を求めることができる。
12週 濡れ壁塔 空気中の水分濃度を測定し、物質移動係数を求めることができる。
13週 粉砕 Rittingerの法則を理解し、粒子径と粉砕時間の関係を説明できる。
14週 レポート整理(試問含む) 提出されたレポート内容に関する試問に答えることができる。
15週 総合評価 実験内容に関するテスト
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】有機化学実験蒸留による精製ができる。4
吸引ろ過ができる。4後3
物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。4後3
化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。4
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。5後3
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。4

評価割合

試験発表レポート(試問含む)態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10090000100
基礎的能力0000000
専門的能力10090000100
分野横断的能力0000000