単位操作

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 単位操作
科目番号 0145 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 多田豊 「化学工学(改訂第3版)-解説と演習-」朝倉書店
担当教員 前田 良輔,後藤 宗治

到達目標

1.物質の流れと物質収支についての計算ができる。
2.温度変化などに伴う熱収支の計算ができる。
3.温度、圧力、液位、流量などの計測方法、および計算に必要な物性値について理解している。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物質収支式を用いて装置設計、評価ができる物質収支式より物質量を求めることができる物質収支式の説明ができない
評価項目2熱収支式を用いて装置の設計、評価ができる熱収支より装置の温度などを予測できる熱収支式が説明できない
評価項目3計算に必要な物性値を探してこれる計算に必要な物性値を与えられたものの中かた選択できる計算に必要な物性値の説明ができない

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 A① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 C① 実験や実習を通じて、問題解決の実践的な経験を積む。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SA① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する共通基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SC① 専門工学の実践に必要な知識を深め、実験や実習を通じて、問題解決の経験を積む。

教育方法等

概要:
物質を生産する上で基本となる化学プロセスの各要素を学習する。配管内の流体輸送、熱の伝わり方、熱交換器の設計、蒸留操作、吸収操作の基礎的な理論と計算方法を学び、生産設備の設計、合理化、運転管理、スケールアップ等で必要となる能力を身につける。
授業の進め方・方法:
教科書に沿って理論の解説、式の誘導を行う。演習を多く取り入れ適宜小テスト等で理解の確認を行う。
注意点:
演習で内容の理解を深めることが大切である。式の持つ意味と使い方をしっかり理解しよう。数学、物理、物理化学の基礎が必要になる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
化学工学における単位操作の位置づけ
2週 Newtonの粘性の法則
層流と乱流
Newtonの粘性の法則および層流と乱流の相違や判定法を理解できる。
3週 円管内の速度分布 円管内の速度分布について層流、乱流それぞれの場合について理解できる。
4週 Fanningの摩擦係数 Fanningの摩擦係数を理解し、計算に用いることができる。
5週 Bernoulliの式 Bernoulliの式を理解できる。
6週 輸送管のエネルギー収支 輸送管のエネルギー収支を理解できる。
7週 圧力、流量、流速の測定
流体輸送機器
流体輸送における圧力、流量、流速の測定原理を理解し、ポンプの揚程計算ができる。
8週 中間試験 2~7週までの授業内容を網羅した試験により、授業内容の理解、定着を図る。
2ndQ
9週 試験解説
さまざまな伝熱機構
伝導伝熱(平板・円筒・球殻)
中間試験の内容を理解する
伝熱の機構を理解し、平板、円筒および球殻の伝導伝熱の基礎を理解できる。
10週 伝導伝熱(多重平板・多重円筒) 多重平板および多重円筒における伝導伝熱の基礎を理解できる。
11週 対流伝熱 対流伝熱の基礎を理解できる。
12週 総括熱伝達係数 総括熱伝達係数を理解し、計算に適用することができる。
13週 放射伝熱 放射伝熱の基礎を理解できる。
14週 熱交換器 熱交換器の基本的な設計法を理解できる。
15週 期末試験 1~7週までの授業内容を網羅した試験により、授業内容の理解、定着を図る。
16週 試験解説 期末試験の内容を理解する
後期
3rdQ
1週 蒸留
蒸発装置
蒸発装置の基礎を理解できる。
2週 気液平衡 Raoultの法則、Antoine式を用いてし理想溶液の気液平衡曲線を作成できる。
3週 気液平衡 Antoine、Willsonの式を用いて実在の気液平衡曲線を作成できる。
4週 単蒸留 単蒸留における蒸留後の留出液、缶出液量と組成を求めることができる。
5週 フラッシュ蒸留 フラッシュ蒸留における蒸留後の留出液、缶出液量と組成を求めることができる。
6週 精留塔 精留塔の留出液、缶出液量と組成を求めることができる。
7週 精留塔 精留塔の理論段数、塔高、直径を計算できる。
8週 中間試験 1~7週までの授業内容を網羅した試験により、授業内容の理解、定着を図る。
4thQ
9週 試験解説
気液平衡と吸収装置
中間試験の内容を理解する。
Henrryの法則と吸収装置の理論を理解できる
10週 吸収
吸収装置の物質収支
吸収装置の吸収液、被吸収ガスの量、組成を計算できる。
11週 吸収
吸収装置の設計(高さ)
吸収装置の高さを計算できる。
12週 吸収
吸収装置の設計(直径)
吸収装置の直径を計算できる。
13週 膜分離
透析、限外濾過
透過係数、分離係数、透析効率などを求めることができる。
14週 膜分離
電気泳動
膜内のイオン濃度、限界電流を求めることができる。
15週 定期試験 9~14週までの授業内容を網羅した試験により、授業内容の理解、定着を図る。
16週 試験解説 定期試験の内容を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。4
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。4
化学工学SI単位への単位換算ができる。4
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。4
流れの物質収支の計算ができる。4
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。4
流体輸送の動力の計算ができる。4
熱交換器の構造、熱収支について説明できる。4
熱伝導による熱流量について説明できる。4
熱交換器内の熱流量について説明できる。4
放射伝熱について説明できる。4
蒸発装置について説明できる。4
蒸発缶の物質収支と熱収支の計算ができる。4
蒸留の原理について理解できる。4
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。4
温度、圧力、液位、流量の計測方法と代表的な測定機器(装置)について理解している。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000100100
基礎的能力0000000
専門的能力90000100100
分野横断的能力0000000