無機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 無機化学Ⅱ
科目番号 0155 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 【教科書】 「無機化学 その現代的アプロ-チ」 東京化学同人、平尾一之他著 【参考書】 シュライバー「無機化学」上・下 東京化学同人、玉虫怜太他著
担当教員 松嶋 茂憲

到達目標

1.パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。
2. 元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質について説明できる。
3.錯体の命名法の基本を説明できる。
4.固体材料の構造と基礎物性について理解することができる。
5.現代を支える代表的な新素材を例に、その機能と合成方法、材料開発による環境や生命(医療)等、現代社会への波及効果について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができ、応用できる。パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができない。
評価項目2元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質について説明でき、応用できる。元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質について説明できる。元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質について説明できない。
評価項目3錯体の命名法の基本を説明でき、応用できる。錯体の命名法の基本を説明できる。錯体の命名法の基本を説明できない。
評価項目4固体材料の構造と基礎物性について理解することができ、応用できる。固体材料の構造と基礎物性について理解することができる。固体材料の構造と基礎物性について理解することができない。
評価項目5現代を支える代表的な新素材を例に、その機能と合成方法、材料開発による環境や生命(医療)等、現代社会への波及効果について説明でき、応用できる。現代を支える代表的な新素材を例に、その機能と合成方法、材料開発による環境や生命(医療)等、現代社会への波及効果について説明できる。現代を支える代表的な新素材を例に、その機能と合成方法、材料開発による環境や生命(医療)等、現代社会への波及効果について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。

教育方法等

概要:
無機化学Ⅱでは、量子的立場から、2年次で履修した無機化学Ⅰ(基礎編)を深く本質的に捉え直すとともに、配位化学,固体状態及び環境問題と無機化学との関連について学習する。
授業の進め方・方法:
適宜、演習や復習を実施し、無機化学的センスを培っていく。
注意点:
3年次までに学習した「基礎化学演習Ⅰ~Ⅲ」,「無機化学Ⅰ」,「分析化学」,「物理化学」及び数学科目の知識を前提として進める。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 量子力学
2週 電子配置
3週 イオンの生成,原子の大きさ
4週 共有結合と分子軌道法
5週 化学結合と分子の構造,イオン結合
6週 原子価結合理論
7週 原子価結合理論
8週 中間試験
2ndQ
9週 結晶場理論
10週 結晶場理論
11週 配位子場理論
12週 錯体の電子状態と分光学
13週 錯体の構造
14週 錯体の反応
15週 錯体の反応
16週 期末試験
後期
3rdQ
1週 結晶構造
2週 結晶構造
3週 結晶構造
4週 結晶構造
5週 固体の電子構造と電気伝導
6週 固体の電子構造と電気伝導
7週 中間試験
8週 固体の電子構造と電気伝導
4thQ
9週 固体の電子構造と電気伝導
10週 誘電性的性質と誘電材料
11週 誘電性的性質と誘電材料
12週 磁気的性質と磁性材料
13週 地球環境における無機物質
14週 地球環境における無機物質
15週 地球環境における無機物質
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。4前1
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。4前2
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4前2
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。4前3
イオン結合と共有結合について説明できる。4前4,前5
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。4前4,前5
金属結合の形成について理解できる。4前4,前5
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。4前4,前5,前6,前7
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。4後1,後2,後3,後4
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。4前9,前10
錯体の命名法の基本を説明できる。4前12
配位数と構造について説明できる。4前13
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。4前12,前14,前15
セラミックス(ガラス、半導体等)、金属材料、炭素材料、半導体材料、複合材料等から、生活及び産業を支えるいくつかの重要な無機材料の用途・製法・構造等について理解している。4後5,後6,後8,後9,後10,後11,後12
現代を支える代表的な新素材を例に、その機能と合成方法、材料開発による環境や生命(医療)等、現代社会への波及効果について説明できる。4後13,後14,後15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000