構造解析学

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 構造解析学
科目番号 0180 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 【教科書】  構造解析学、朝倉書店、唐津孝著 , 【参考書】  入門機器分析、三共出版、庄野利之他著
担当教員 小畑 賢次

到達目標

1.光吸収について理解し、代表的な分析方法について理解している。
2.無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法を理解している。
3.特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析をすることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1光吸収について理解し、代表的な分析方法について理解しており、応用できる。光吸収について理解し、代表的な分析方法について理解している。光吸収について理解し、代表的な分析方法について理解していない。
評価項目2無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法を理解しており、応用できる。無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法を理解している。無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法を理解していない。
評価項目3特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析をすることができ、応用できる。特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析をすることができる。特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析をすることができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
準学士課程の教育目標 C① 実験や実習を通じて、問題解決の実践的な経験を積む。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SC① 専門工学の実践に必要な知識を深め、実験や実習を通じて、問題解決の経験を積む。

教育方法等

概要:
本講義では、最も良く使用される5つの機器分析法、 紫外-可視、 赤外、 核磁気共鳴分光法、 質量分析法及びX線結晶解析法に関する基本原理、 測定法、 データ解析法を理解し、化合物の構造決定のために必要なデータ解析の技術を身に付けることを目的とする。各種の機器分析によって得られたデータから分子の化学構造を推定する方法を学習する。
授業の進め方・方法:
最も重要な5つの機器分析の基本原理、 測定法、 データ解析法を説明し、得られる測定データの情報から分子の構造の何が解るかを解説する。
注意点:
光エネルギーと光吸収との関係性を理解しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 分子の構造を知るには
2週 紫外-可視分光法の基本原理 ・紫外—可視分光法の基本原理について説明できる。
・発色団と助色団による特徴的な吸収について説明できる。
・吸収極大から共役構造の予測をする経験則を説明できる。
・吸収の加成性・等吸収点について説明できる。
・溶媒効果について説明できる。
・蛍光とリン光について説明できる。
3週 紫外-可視分光法の測定法 ・紫外—可視分光法の測定法について説明できる。
4週 紫外-可視分光法のデータ解析法 ・紫外—可視分光法のデータ解析法について説明できる。
5週 赤外分光法の基本原理 ・赤外分光法の基本原理について説明できる。
・振動の種類と赤外吸収の位置が説明できる。
・ある結合の伸縮振動の吸収位置をHookの法則を応用して計算できる。
・官能基の特性吸収帯が説明できる。
6週 赤外分光法の測定法 ・赤外分光法の測定法について説明できる。
7週 赤外分光法のデータ解析法 ・赤外分光法のデータ解析法について説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 プロトン核磁気共鳴分光法の基本原理 ・NMRの原理について説明できる。
・化学シフトについて説明できる。
・核のまわりの電子による磁気遮蔽について説明できる。
・π電子による磁気異方性効果について説明できる。
・13C-NMRの基本原理について説明できる。
・13C-NMRの測定法について説明できる。
10週 プロトン核磁気共鳴分光法の測定法 ・NMRの測定法について説明できる。
11週 プロトン核磁気共鳴分光法のデータ解析法 ・NMRのデータ解析法について説明できる。
12週 質量分析法の基本原理 ・質量分析法の基本原理について説明できる。
・イオン化法について説明できる。
・分子イオンピーク・フラグメントイオンピークについて説明できる。
13週 質量分析法の測定法 ・質量分析法の測定法について説明できる。
14週 質量分析法のデータ解析法 ・質量分析法のデータ解析法について説明できる。
15週 X線結晶解析の基本原理と測定法 ・X線結晶解析の基本原理について説明できる。
・X線結晶解析の測定法について説明できる。
16週 X線結晶解析のデータ解析法 ・X線結晶解析のデータ解析法について説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。4後1
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。4後2
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4後2,後3,後5,後6,後9,後10,後12,後13,後15
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。4
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4後4,後7,後11,後14,後16
物理化学年代測定の例として、C14による時代考証ができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000