高分子材料工学

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 高分子材料工学
科目番号 0183 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 新高分子化学序論
担当教員 山本 和弥

到達目標

1. 高分子の平均分子量と分子量分布の概念が理解できる。
2. 高分子溶液の特性について理解できる。
3. 高分子の結晶構造・高次構造について理解できる。
4. 高分子の熱的性質が理解できる。
5. 高分子の力学的性質、粘弾性について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1高分子の平均分子量と分子量分布の概念を理解し説明することができる。高分子の平均分子量と分子量分布の概念が理解できる。高分子の平均分子量と分子量分布の概念が理解できない。
評価項目2高分子溶液の特性を理解し、高分子物性と関連づけることができる。高分子溶液の特性を理解できる。高分子溶液の特性を理解できない。
評価項目3高分子の結晶構造・高次構造を理解し、高分子物性と関連づけることができる。高分子の結晶構造・高次構造について理解できる。高分子の結晶構造・高次構造について理解できない。
評価項目4高分子の化学構造・凝集構造と熱的性質の関係性を理解し、説明できる。高分子の熱的性質が理解できる。高分子の熱的性質が理解できない。
評価項目5高分子の力学的性質、粘弾性について理解し、説明できる。高分子の力学的性質、粘弾性について理解できる。高分子の力学的性質、粘弾性について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。

教育方法等

概要:
高分子材料を開発し応用化を図るための基礎となる高分子の構造と物性を理解し、両者の関係を把握することを目的とする。授業前半において高分子の分子構造と溶液物性について、後半において高分子の固体構造と物性について学習する。また、実際の高分子材料の実用化例を取り上げて、材料の構造と性質の関係についてさらに理解を深めることを目指す。
授業の進め方・方法:
講義が中心であるが、高分子の性質・機能が如何なる構造により発現するかを考えさせるように授業を進め、小テスト等により理解度の確認を行う。「高分子材料工学」の関連科目として、4 年次に学習した「高分子化学」があり、この教科を復習することにより高分子材料工学についての理解を深めることができる。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 高分子の分子構造
平均分子量・分子量分布
高分子の分子構造や平均分子量・分子量分布が理解できる。
2週 高分子の形・大きさ
高分子鎖の広がり
高分子の形・大きさを理解できる。
3週 高分子鎖の広がり 高分子鎖の広がりを理解できる。
4週 高分子の固さ・排除体積効果 高分子の固さ・排除体積効果を理解できる。
5週 高分子の分子物性と希薄溶液物性 高分子の分子物性と希薄溶液物性を理解できる。
6週 高分子の分子物性と希薄溶液物性 高分子の分子物性と希薄溶液物性を理解できる。
7週 中間試験
8週 答案返却・解説
2ndQ
9週 高分子の固体構造 高分子の固体構造を理解できる。
10週 高分子固体構造の測定 高分子固体構造の測定法・原理を理解できる。
11週 高分子の結晶構造・高次構造 高分子の結晶構造・高次構造を理解できる。
12週 高分子の力学的性質 高分子の力学的性質を理解できる。
13週 高分子の粘弾性 高分子の粘弾性を理解できる。
14週 高分子の熱的性質 高分子の熱的性質を理解できる。
15週 総括 講義内容について要点を整理し、理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性ミラー指数を用いて格子方位と格子面を記述できる。4
X線回折法を用いて結晶構造の解析に応用することができる。4
有機材料高分子の定義と分子間力による集合の仕方、性質について説明できる。4
低分子と高分子の違いを理解し説明できる。4
分子量を計算し、官能基や構造から分子の性質を予測できる。4
高分子の結晶性・非晶性に基づき力学的性質について説明できる。4
高分子の平均分子量を理解し、平均分子量と重合度の関係を説明できる。4
鎖状構造や官能基の立体配置(立体配座)による高分子の構造と性質を理解し説明できる。4
高分子を構成する分子鎖の構造およびその集合法と性質の関連性を説明できる。4
高分子材料に求められる機能について理解し、基本的な骨格と官能基の機能性について説明できる。4
高分子の結晶、非晶、結晶化度について説明できる。4
ミセル、単結晶、球晶など高分子の形態について説明できる。4
高分子の熱的性質について説明できる。4
高分子の力学的性質について説明できる。4
高分子の粘弾性について説明できる。4
高分子溶液の概念について説明できる。4
高分子の溶解性について説明できる。4
数平均分子量、重量平均分子量、Z平均分子量、粘度平均分子量について説明できる。4
分子量分布を理解し、重合法の違いによる分子量分布のあり方について説明できる。4
化学・生物系分野有機化学高分子化合物がどのようなものか説明できる。4
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4
高分子の熱的性質を説明できる。4

評価割合

試験発表小テスト態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80020000100
基礎的能力0000000
専門的能力80020000100
分野横断的能力0000000