酵素工学

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 酵素工学
科目番号 0187 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 酵素 科学と工学(生物工学系テキストシリーズ)掘越 弘毅、虎谷 哲夫、北爪 智哉、青野 力三 著、講談社サイエンティフィック
担当教員 竹中 繁織

到達目標

酵素の活性と構造の相関に関して理解できる。
酵素反応速度論に関して理解できる。
酵素の工学応用、環境浄化への応用を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1酵素の活性と構造の相関に関して正しく詳細に説明できる。酵素の活性と構造の相関に関して正しく説明できる。酵素の活性と構造の相関に関して正しく説明できない。
評価項目2酵素反応速度論に関して正しく詳細に説明できる。酵素反応速度論に関して正しく説明できる。酵素反応速度論に関して正しく説明できない。
評価項目3酵素の工学応用、環境浄化への応用について複数例をあげて説明できる。酵素の工学応用、環境浄化への応用について一つ例をあげて説明できる。酵素の工学応用、環境浄化への応用について例をあげて説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 A① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 A② 自主的・継続的な学習を通じて、基礎科目に関する問題を解くことができる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SA① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する共通基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。

教育方法等

概要:
生体を構成する高分子に関して概説する。その中で特に酵素については、物理化学的性質や反応機構等を詳しく解説する。最終的に酵素の工学応用・医療応用・環境浄化への応用について説明する。
授業の進め方・方法:
授業の前半は総論として生体高分子の概説を行う。その後、酵素についての基礎事項を解説し、続いて性質やその応用について説明を行う。
注意点:
酵素反応速度論の理解には、数学の基礎知識は必要となる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 総論 生体高分子(核酸、たんぱく質、糖)、セントラルドグマについて理解する。
2週 たんぱく質立体構造(1) 天然アミノ酸の構造、略号を理解する。高次構造形成の力:疎水的、静電的相互作用等の力を理解する。
3週 たんぱく質立体構造(2) 1次、2次、3次、高次構造を理解する。
4週 触媒機構(1) 遷移状態理論を理解する。
5週 触媒機構(2) 遷移状態理論を定量的に数式で理解する。
6週 触媒機構(3) 補酵素を理解する。
7週 後期中間試験
8週 後期中間試験の内容の解説
4thQ
9週 アロステリック制御 アロステリック制御の機構を理解する。カスケードについても理解する。
10週 酵素の特異性 酵素の反応特異性、構造特異性、立体特異性を理解する。
11週 酵素反応速度論 ミカエリス・メンテンの式を理解する。
12週 阻害剤 阻害剤の作用機構を理解する。拮抗阻害、非拮抗阻害、不拮抗阻害を説明できる。
13週 酵素の精製と分析 抽出、精製、物理化学測定法を理解する。
14週 酵素と医療 酵素免疫測定法、酵素阻害剤について理解する。
15週 酵素と環境 難分解性物質の分解、環境浄化について理解する。
16週 後期定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4後1
生物化学酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4後4
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4後5,後10,後11
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4後6

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ小テストや取り組み合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000