到達目標
本講義を履修することによって,原子核工学の幅広い基礎知識を習得し,原子核工学の更に高度な専門科目の理解に応用することを目標とする。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
放射線 | 放射線の性質,人体影響そして,放射線測定について理解し,説明ができる。 | 放射線の性質,人体影響そして,放射線測定について理解している。 | 放射線の性質,人体影響そして,放射線測定について理解できない。 |
原子力安全性 | 原子力の基本事項,原子炉の種類,原子炉の安全性について理解し,説明ができる。 | 原子力の基本事項,原子炉の種類,原子炉の安全性について理解している。 | 原子力の基本事項,原子炉の種類,原子炉の安全性について理解できない。 |
核燃料サイクルと放射性廃棄物 | 核燃料サイクルと放射性廃棄物について理解し,説明ができる。 | 核燃料サイクルと放射性廃棄物について理解している。 | 核燃料サイクルと放射性廃棄物について理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SA① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する共通基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SA② 自主的・継続的な学習を通じて、共通基礎科目に関する問題を解決できる。
教育方法等
概要:
本講義では,原子工学の分野として核分裂炉システム及び核融合炉開発を取り上げる。初めに,原子核の基礎的性質,核崩壊と放射線,核反応の物理について解説する。続いて,原子炉(核分裂炉)の臨界,動特性,燃焼特性を解説するとともに原子炉熱流動,原子炉システムの安全性及び核燃料サイクルについて解説する。
授業の進め方・方法:
座学中心の授業である。ウェブで閲覧可能資料を使用して授業を行う。更に詳しく学びたい学生のために文献は授業中に紹介する。
注意点:
講義を受けるのに、基礎的な科学の知識を有することが望ましいが、これらの分野についての専門的な知識は必須ではない。
課題レポートによる評価となるので、それぞれの締め切りを守ること。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス |
この科目の授業範囲について理解する。
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2週 |
放射能・放射線 |
放射能・放射線の発見の歴史とその本質についての理解ができる。 代表的な放射線としてα線、β線、γ線中性子線を取り上げ、これらが物質とどのように相互作用するかを理解できる。
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3週 |
自然界の放射能・放射線 |
自然界には有史以前から、放射能・放射線が存在していて、今も存在している。これらの成り立ちと、現在、人体内、大地、宇宙から、空気中の4つの経路から人が被爆していることが理解できる。
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4週 |
放射線の人体影響(1) |
放射線の人体に対する影響は身体的影響と遺伝的影響に大別できる。これらを定量的に説明し、かつ、我々が受けるレントゲン等の医療被曝の量と程度について理解できる。
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5週 |
放射線の人体影響(2) |
放射線の人体に対する影響は身体的影響と遺伝的影響に大別できる。これらを定量的に説明し、かつ、我々が受けるレントゲン等の医療被曝の量と程度について理解できる。
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6週 |
放射線を測る(1) |
放射線を測る(放射線計測)の方法は、大別して、気体を用いて測る、光を用いて測る、半導体を用いて測るという3種の方法があるいは、これらをその原理等に基づき説明できる。
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7週 |
放射線を測る(2) |
放射線を測る(放射線計測)の方法は、大別して、気体を用いて測る、光を用いて測る、半導体を用いて測るという3種の方法があるいは、これらをその原理等に基づき説明できる。
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8週 |
原子力の基礎(1) |
原子力を理解するためには核分裂のメカニズムの学習が不可欠である。ウラニウム自身の性質、連鎖反応維持のための臨界量の概念、核燃料に関する基礎知識を習得できる。
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4thQ |
9週 |
原子力の基礎(2) |
原子力を理解するためには核分裂のメカニズムの学習が不可欠である。ウラニウム自身の性質、連鎖反応維持のための臨界量の概念、核燃料に関する基礎知識を習得できる。
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10週 |
原子炉の種類(1) |
原子力発電に用いられる軽水型原子炉に、加圧水型(PWR)と沸騰水型(BWR)の2種類があることを学び、かつ、これらの原子炉の詳細な機構を学習できる。
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11週 |
原子炉の種類(2) |
重水型原子炉、黒鉛型原子炉、高速増殖炉などについて、これらの特徴、構造、用途を学習できる。また、核融合炉について、その反応、構成、問題点の理解を深めることができる。
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12週 |
原子炉の安全性(1) |
原子力発電の立地、設計時に問題となる原子炉の安全性を、設計の実際の安全原則、耐震性等の面から論じ、かつ、原子炉事故時の対応と対策についても知見を得ることができる。
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13週 |
原子炉の安全性(2) |
原子力発電の立地、設計時に問題となる原子炉の安全性を、設計の実際の安全原則、耐震性等の面から論じ、かつ、原子炉事故時の対応と対策についても知見を得ることができる。
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14週 |
核燃料サイクルと放射性廃棄物(1) |
原子炉で使用される核燃料は、精錬-濃縮-加工-原発-再処理-加工-…とリサイクルされながら利用されていく。何故、プルトニウムのリサイクルが有効なのか、この過程から発生する放射性廃棄物の有効な処理・処分法はあるのか、等について学習できる。
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15週 |
核燃料サイクルと放射性廃棄物(2) |
原子炉で使用される核燃料は、精錬-濃縮-加工-原発-再処理-加工-…とリサイクルされながら利用されていく。何故、プルトニウムのリサイクルが有効なのか、この過程から発生する放射性廃棄物の有効な処理・処分法はあるのか、等について学習できる。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 4 | |
慣性の法則について説明できる。 | 4 | |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 4 | |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 4 | |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 4 | |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 4 | |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 4 | |
評価割合
| レポート | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 |
専門的能力 | 100 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 |