生物工学特論

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 生物工学特論
科目番号 0017 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「指定なし(自作プリント、及びスライド)」
担当教員 川原 浩治,井上 祐一

到達目標

本授業では、細胞や遺伝子等を用いた生物生産に関して、物質探索技術、生産技術、法令や規則に沿った生産について、具体的な事例を含め最近のトピックなども触れながら解説し、実際的な知識を体得することを目的とする。重ねて、生命倫理、技術者倫理などにも触れて、多面的に生物生産の基準について理解することも目的とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1細胞の機能と生物生産の技術とを関連させて、具体的な生物生産事例を挙げて説明できる。細胞の構造、機能を説明し、生物生産がその機能を利用していることを説明できる。細胞の構造や機能を説明できない。生物生産による製品開発が行われていることを説明できない。
評価項目2様々な生物工学技術の原理や応用事例を詳細に説明できる。様々な生物工学技術の原理や応用事例を簡単に説明できる。生物工学技術の原理や応用事例を説明できない。
評価項目3実際の生物生産で適用される基準について、生産環境、運用について説明できる。生物生産には基準があることを説明できる。生物生産の基準が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。

教育方法等

概要:
本授業では、細胞や遺伝子等を利用した生物生産に関して、技術と課題、目指すこと、を通して工学的に理解できることを目的とする。生命現象の理解を元に、利用できる知識を整理しながら、現代のトピックと組み合わせて、理解を進めるようにする。
授業の進め方・方法:
生物工学技術の原理を背景に、研究開発、事業の事例や総説的な内容を取り上げて説明する。生物生産の実現を可能にしてきた知識や時代背景も併せて解説、議論する。
注意点:
細胞の構造や機能、遺伝子等の一般的な生物学の基礎があることが望ましい。ただし、分析機器、製造機器なども関連しており、情報理論や機器、化学一般の知識があれば受講可能である

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 生物工学のアウトライン 生産技術としての生物工学を説明できる
生物工学の歴史的背景を説明できる
2週 生物工学の歴史 生産を可能にした細胞観察技術、生体物質の分析技術、細胞培養技術を開発年代に沿って説明できる
3週 細胞の構造と機能、および細胞培養 動物細胞を中心に細胞の構造と機能を説明できる
細胞の血清培養、無血清培養、高密度培養技術について培地を含めて説明できる
4週 細胞を利用した細胞融合による有用物質生産技術 細胞融合技術を用いた有用物質生産の原理を説明できる
モノクローナル抗体生産について具体的に解決すべき課題とメリットを説明できる
5週 細胞を利用した組み換えによる有用物質生産技術 遺伝子組み換え技術を用いた有用物生産の原理を説明できる
抗体やサイトカイン生産について具体的に解決すべき課題とメリットを説明できる
6週 細胞機能を制御した物質探索技術 免疫系細胞を題材に生体細胞の機能を利用した有用物質探索手法を説明できる
7週 物質探索技術を用いて同定された成分の生理的な意義 機能性食品素材を題材に細胞機能と生体反応の相違の観点から有用性を説明できる
8週 生物工学技術の標準化・規制 生物生産に伴う優良製造規範について概要を説明できる
優良製造規範を設備面、人材面から説明できる
2ndQ
9週 遺伝子組み換え技術 遺伝子組換え技術の原理や応用事例について説明できる
10週 遺伝子導入技術 遺伝子導入技術の原理や応用事例について説明できる
11週 ゲノム編集技術 ゲノム編集技術の原理や応用事例について説明できる
12週 トランスジェニック生物 トランスジェニック生物の作製法や応用事例について説明できる
13週 バイオリアクター バイオリアクターの原理や応用事例について説明できる
14週 再生医学 再生医学の定義や応用事例について説明できる
15週 バイオテクノロジーの課題 遺伝子組み換え技術のリスクと安全策について説明できる
自然環境への影響や生命倫理に関する課題について説明できる
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力0000000
分野横断的能力80200000100