物理学特論I

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 物理学特論I
科目番号 0033 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 なし。
担当教員 菊地 真吏子

到達目標

古典物理学の困難、前期量子論の事柄、量子論の古典論との違いについて理解し、説明することができる。
原子核壊変、放射能の現象が理解でき、原子核反応における放射エネルギーや放射能減衰等について求めることができる。
SI単位系と自然単位系を例に物理単位の決め方について理解し、任意の単位系についてレポートする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
量子論 古典物理学の困難、前期量子論の事柄、古典論との違いについて説明できる。基本的な式やグラフを書くことができる。 前期量子論についての説明の正誤判断ができる。基本的な式やグラフが示す物理現象を理解している。 量子論が理解が浅く、基本的な式やグラフと物理現象を結びつけることができない。
原子核 原子核壊変、放射能の現象が理解でき、数値的にも求められる。 原子核壊変、放射能の現象が理解できる。 原子核壊変、放射能の現象が理解できない。
物理単位SI単位系等の原理、定義について説明できる。任意の単位系について調べ、レポートできる。物理単位系についての基本的な問に答えらる。任意の単位系について調べ、レポートできる。物理単位系についての基本的な問に答えられない。任意の単位系について調べ、レポートできない。

学科の到達目標項目との関係

専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SA①  数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する共通基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SA②  自主的・継続的な学習を通じて、共通基礎科目に関する問題を解決できる。

教育方法等

概要:
 理学・工学系学士が身につけておくべき教養としての現代物理学について学習する。特に、前期量子論、原子核、特殊相対性理論、SI単位系の基礎を扱う。直接目にすることがない現象であるので、課題演習で更に理解を得る。また、放射線に関する安全についても理解する。
授業の進め方・方法:
 座学中心の授業である。ウェブで閲覧可能資料を使用してかなり早いペースで授業を行う。更に詳しく学びたい学生のために文献は授業中に紹介する。
注意点:
 学修状況の確認のため、定期的に課題を出す。課題取組状況は成績評価に反映させる。また、単位の学習に関しては調べ学習の課題も課す。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバス配布、科目概要説明
現代物理学についての導入
科目概要と、予習復習、課題への対応についての理解。
2週 前期量子論①
黒体放射、プランクの量子仮説、原子の不安定性、ボーアの量子条件
古典物理の破れとしての黒体放射をどのように解決したかを理解する. 原子の不安定性の問題をどのように解決したかを理解する.
3週 前期量子論②
光の1重性、光電効果、コンプトン散乱
光の波的性質を復習する. 光の粒子的性質を証明する光電効果やコンプトン散乱を理解する. エネルギーと振動数の関係を理解する.
4週 不確定性原理、確率解釈 量子力学における不確定性原理、確率解釈を理解し、簡単な確認問題を解くことができる.
5週 特殊相対性理論①
ガリレイ変換、ローレンツ変換
ガリレイ変換、ローレンツ変換について学ぶ. ガリレイ変換の簡単な問題を解くことができる.
6週 特殊相対性理論②
ローレンツ変換、時計の遅れ、ローレンツ収縮
ローレンツ変換を理解し, 時間の遅れやローレンツ凝縮を計算できる.
7週 原子核①
原子核の構成、核力、結合エネルギー
原子核の構成、核力、結合エネルギーについて理解する. 原子核の結合エネルギーの大きさを計算できる.
8週 原子核②
原子核の崩壊、放射線
原子核の崩壊、放射線について種類や特徴を学ぶ.
2ndQ
9週 原子核③
核エネルギー
原子核の結合エネルギー、原子核反応における放射エネルギー、欠損質量について計算できる。
10週 中間試験 前期量子論、特殊相対性理論、原子核の学習内容を理解している.
11週 単位①
イントロダクション
中間試験の復習.
物理と単位の関係性、様々な単位系があることを理解する.
12週 単位②
SI単位系(m, kg, s)
SI単位系のm, kg, sの原理, 定義等について理解する.
13週 単位③
SI単位系(K, A, mol, cd)
SI単位系のK, A, mol, cdの原理, 定義等について理解する.
14週 単位④
自然単位系
自然単位系の単位について学ぶ. 自然単位系とSI単位系の単位の関係を理解する.
15週 単位④
単位発表会
研究分野に関係する単位系・単位についてレポートし, 発表する.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート相互評価態度演習・課題その他合計
総合評価割合501000400100
基礎的能力0000000
専門的能力501000400100
分野横断的能力0000000