概要:
各種物理現象や工学問題の数学的表現は微分方程式となることが多く、技術者にとってはこれら微分方程式の理解が極めて重要である。本講義ではオイラーの公式からスタートし、具体的問題をとりあげながら,1階常微分方程式,2階常微分方程式,1次元偏微分方程式の基本的事項と工学分野での応用について学ぶ。
授業の進め方・方法:
体系的な学習のため、1.数学、物理法則からの式の導出、2.一般解、初期条件,境界条件による特殊解の理解、3.方程式から得られた解の物理的工学的解釈 、4.グループ学習・ピア学習による理解の促進、5.グローバルエンジニア育成としての英語による解説、試験も行われる。融合複合工学におけるエンジニアとして、これらの複数の観点から学習に臨むことが重要である。
注意点:
補助教材として動画資料やグループ学習用大判プリント教材(LSH)、課題プリントなどを活用しながら継続的に学習していくことが重要である。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
オイラーの公式と自然対数の底ネイピア数について、三角関数と双曲線関数について、総合演習LSH利用 |
オイラーの公式を用いて三角関数と双曲線関数について基本的計算ができる。グループ学習討議
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2週 |
粘性抵抗及び慣性抵抗による物体の減速:1階定係数常微分方程式と指数関数を用いた解法 |
1階定係数常微分方程式を指数関数を用いて解くことができる。
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3週 |
R-C回路の過渡応答 他方程式の形が同じになる例 |
R-C回路の過渡応答を求めることができる
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4週 |
質量-ばね系の振動:2階定係数微分方程式と複素指数関数を用いた解法 |
2階定係数微分方程式を複素指数関数を用いた解くことができる。
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5週 |
強制振動と変位共振・速度共振 |
強制振動の微分方程式を解き、変位共振・速度共振を求めることができる。
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6週 |
過渡応答とラプラス変換について |
ラプラス変換の方法を理解してと基本的な計算ができる。
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7週 |
ラプラス変換についての演習、総合演習LSH利用 |
ラプラス変換の諸定理の証明と基本的な計算ができる。グループ学習討議
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
連立微分方程式① 相互誘導結合回路の例 |
連立微分方程式としての相互誘導結合回路を解くことができる。
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10週 |
連立微分方程式② 3つのばねと2つのおもりからなる振動系 |
連立微分方程式としての3つのばねと2つのおもりからなる振動系を解くことができる。
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11週 |
連立微分方程式③ 連成振り子 |
連立微分方程式として連成振り子を解くことができる。
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12週 |
連立常微分方程式とその解法,固有値,固有ベクトル |
連立常微分方程式の解法として,固有値,固有ベクトルを利用することができる。
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13週 |
波動の偏微分方程式とその解法 |
偏微分方程式として波動方程式の解法を示し、解を導出することができる。
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14週 |
弦の振動と境界条件,波動の偏微分方程式とその解法 |
偏微分方程式として波動方程式を境界条件を含み解を導出することができる。
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15週 |
固有値,固有関数,固有関数による展開、総合演習LSH利用 |
微分方程式において固有値,固有関数,固有関数による展開して解を求めることができる。グループ学習討議
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16週 |
学年末試験 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 整式の加減乗除の計算ができる。 | 4 | 後1,後4 |
公式等を利用して因数分解ができる。 | 4 | 後4 |
分数式の加減乗除の計算ができる。 | 4 | 後6 |
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の基本的な計算ができる。 | 4 | 後5 |
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。 | 4 | 後5 |
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。 | 4 | 後4 |
2次方程式を解くことができる(解の公式も含む)。 | 4 | 後1,後4 |
因数分解を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。 | 4 | 後4 |
基本的な連立方程式を解くことができる。具体的には、1次式と2次式の連立方程式を解くことができる。 | 4 | 後9,後10 |
基本的な無理方程式・分数方程式を解くことができる。 | 4 | 後2,後4 |
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。 | 4 | 後4,後5 |
分数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 4 | 後2,後5 |
基本的な関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。 | 4 | 後2 |
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。 | 4 | 後1,後5 |
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 4 | 後1 |
指数関数を含む基本的な方程式を解くことができる。 | 4 | 後1 |
対数を利用した計算ができる。 | 4 | 後1 |
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 4 | 後1 |
対数関数を含む基本的な方程式を解くことができる。 | 4 | 後1 |
角を弧度法で表現することができる。 | 4 | 後1 |
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 4 | 後1 |
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。 | 4 | 後1 |
三角関数を含む基本的な方程式を解くことができる。 | 4 | 後1 |
行列の定義を理解している。 | 4 | 後12,後15 |
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。 | 4 | 後12,後15 |
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。 | 4 | 後12,後15 |
線形変換の定義を理解している。 | 4 | 後15 |
合成変換と逆変換を求めることができる。 | 4 | 後15 |
平面内の回転を表す線形変換を求めることができる。 | 3 | 後15 |
いろいろな関数の極限を求めることができる。 | 4 | 後2 |
微分係数の意味を理解し、求めることができる。 | 4 | 後2,後3 |
積・商の導関数の公式を使うことができる。 | 4 | 後2,後3 |
合成関数の導関数を求めることができる。 | 4 | 後2,後3 |
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。 | 4 | 後2,後3 |
逆三角関数を理解している。逆三角関数の導関数を求めることができる。 | 4 | 後1 |
関数の増減表をかいて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。 | 4 | 後2 |
関数の最大値・最小値を求めることができる。 | 4 | 後2 |
基本的な関数の接線の方程式を求めることができる。 | 4 | 後2,後3 |
2次以上の導関数を求めることができる。 | 4 | 後2,後3 |
関数の媒介変数表示を理解し、その導関数を計算できる。 | 4 | 後2,後3 |
不定積分の定義を理解している。 | 4 | 後14 |
置換積分および部分積分を用いて、不定積分を求めることができる。 | 4 | 後3 |
定積分の定義を理解している(区分求積法)。 | 4 | 後3 |
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分の計算ができる。 | 4 | 後3 |
2変数関数の定義域やグラフを理解している。 | 4 | 後13 |
合成関数の偏微分法を利用した計算ができる。 | 4 | 後13,後14 |
基本的な関数について、2次までの偏導関数を計算できる。 | 4 | 後13,後14 |
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。 | 4 | 後13,後14 |
微分方程式の意味を理解している。 | 4 | 後2,後3,後4 |
基本的な1階線形微分方程式を解くことができる。 | 4 | 後2 |
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。 | 4 | 後3,後4 |