生物化学

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 生物化学
科目番号 0073 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 なし
担当教員 水野 康平,園田 達彦,大川原 徹

到達目標

1.細胞内のエネルギー代謝を糖、脂質などの生体高分子の反応経路に沿って説明できる。
2.細胞内の情報伝達について、リン酸化などのシグナルについて理解して説明できる。
3.細胞内の様々な生理現象を可視化する技術や材料(蛍光標識など)について理解して説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1糖、脂質、アミノ酸、核酸の代謝を図を書いて説明できる。糖、脂質、アミノ酸、核酸の代謝を事例をもとに、説明できる。糖、脂質、アミノ酸、核酸の代謝の説明ができない。
評価項目2細胞内の情報伝達について、リン酸化などのシグナルについて理解して原理を含めて説明できる。細胞内の情報伝達について、リン酸化などのシグナルについて理解して説明できる。細胞内の情報伝達について、リン酸化などのシグナルについて理解して説明できない。
評価項目3細胞内の様々な生理現象を可視化する技術や材料(蛍光標識など例を挙げて)について理解して説明できる。細胞内の様々な生理現象を可視化する技術や材料(蛍光標識など)について理解して説明できる。細胞内の様々な生理現象を可視化する技術や材料(蛍光標識など)について理解して説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生命活動の根本にある生体分子の性質を生体内合成や代謝メカニズムの点から学習する。また、近年の分野横断的な生体材料化学、生命活動の可視化(バイオイメージング)などにつながる幅広い工学的基礎となる生物化学として学ぶ。
授業の進め方・方法:
生体内代謝経路を中心に学習し、さらに、材料工学的な応用についてバイオテクノロジーの視点から学習する。したがって、生物化学の知識は必要不可欠となる。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・ガイダンス ・シラバスから科目の重要点のとらえ方を理解する。
2週 ・生命の単位、細胞の概要 ・細胞の一般構造と機能を理解する。
3週 ・代謝の概要
・エネルギー物質ATP
・糖代謝を解糖系、TCAサイクル、電子伝達系の流れで説明する。
4週 ・糖の代謝
・グルコースからの酸化還元サイクルの観点からATP生成を理解する。
5週 ・TCA回路と電子伝達系
・代謝からみる生命の概要
・ピルビン酸から完全酸化に至る過程と呼吸鎖でのATP合成を理解する。
代謝活動から生命を捉える。
6週 ・細胞内での情報伝達1 ・細胞が情報伝達の集積回路であることを理解する。
7週 ・環境に応答する細胞メカニズム ・2成分調節などの環境応答因子について理解する。
8週 ・中間試験 ・1〜7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る。
2ndQ
9週 ・試験内容についての解説 ・中間試験の内容を理解する。
10週 ・細胞内での情報伝達2 ・リン酸化を指標とした伝達の仕組みを理解する。
11週 ・細胞の構造1
・生体膜を構成する分子
・生体膜についてその構造を理解する。
12週 ・細胞の構造2
・生体材料分子
・生体を模倣した分子を材料として応用することを理解する。
13週 ・バイオイメージング
・生体分子相互作用の応用
・生体分子の相互作用を利用して標識した分子で生命活動を可視化することを学ぶ。
14週 ・バイオイメージングと医療
・生体分子相互作用の応用2
・生体活動の可視化を医療へ応用することを学ぶ。
15週 ・期末試験 ・9〜14週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る。
16週 ・期末試験内容についての解説 ・期末試験の内容を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。3
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。3
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。3
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。3
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。3
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。3
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。3
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。3
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。2
分化について説明できる。2
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。2
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。3
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。3
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。3
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。3
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。3
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。3
単糖と多糖の生物機能を説明できる。3
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。3
グリコシド結合を説明できる。3
多糖の例を説明できる。3
脂質の機能を複数あげることができる。3
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。3
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。3
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。3
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。3
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。3
タンパク質の高次構造について説明できる。3
ヌクレオチドの構造を説明できる。3
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。3
DNAの半保存的複製を説明できる。2
RNAの種類と働きを列記できる。3
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。3
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。3
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。3
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。2
解糖系の概要を説明できる。3
クエン酸回路の概要を説明できる。3
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。3
各種の光合成色素の働きを説明できる。2
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。2
炭酸固定の過程を説明できる。2
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。3
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。3
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。2
微生物の育種方法について説明できる。2
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。2

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合501000400100
基礎的能力000040040
専門的能力5010000060
分野横断的能力0000000