量子物理化学

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 量子物理化学
科目番号 0079 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 【教科書】「量子化学 - 基礎からのアプローチ」, 化学同人, 真船文隆 著, 【参考書】「量子化学入門(上)」, 化学同人, 米沢貞治郎他著, 「初等量子化学」, 化学同人, 大岩正芳 著
担当教員 松嶋 茂憲

到達目標

1. 1次元波動方程式を解くことができる。
2. 水素原子に関する線スペクトルとボーアモデルの関係を理解することができる。
3. 多電子原子の電子配置と周期律を理解することができる。
4. 重なり積分,クーロン積分、共鳴積分を理解することができる。
5. 量子化学に基づいて分子の運動を理解することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目11次元波動方程式を解くことができ、応用できる。1次元波動方程式を解くことができる。1次元波動方程式を解くことができない。
評価項目2水素原子に関する線スペクトルとボーアモデルの関係を理解することができ、応用できる。水素原子に関する線スペクトルとボーアモデルの関係を理解することができる。水素原子に関する線スペクトルとボーアモデルの関係を理解することができない。
評価項目3多電子原子の電子配置と周期律を理解することができ、応用できる。多電子原子の電子配置と周期律を理解することができる。多電子原子の電子配置と周期律を理解することができない。
評価項目4重なり積分,クーロン積分、共鳴積分を理解することができ、応用できる。重なり積分,クーロン積分、共鳴積分を理解することができる。重なり積分,クーロン積分、共鳴積分を理解することができない。
評価項目5量子化学に基づいて分子の運動を理解することができ、応用できる。量子化学に基づいて分子の運動を理解することができる。量子化学に基づいて分子の運動を理解することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
最先端化学分野では、量子化学に基づいた物性発現機構の解明、化合物設計や反応シミュレーションが盛んに行われている。本授業では、量子化学を基本とした物理化学理論を示し、統計熱力学的手法によりマクロな物性との関係について理解することを目的とする。
授業の進め方・方法:
量子物理化学では、初等的でない物理や数学を扱う機会が多い。納得した理解を得るために、教科書記載の数式の導出や量子数学に関する練習問題を解く。
注意点:
量子物理化学では、本科で履修した数学的内容以外に、群論,特殊関数やフーリエ変換等の知識も不可欠である。少なくとも、本科で履修した数学,物理,理論化学をよく復習しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 水素原子の線スペクトル,ボーアの仮説と原子モデル
2週 光及び電子の粒子性と波動性,物質波とド・ブロイの式,波動方程式
3週 時間に依存しないシュレーディンガー方程式,ハミルトニアンと固有値,井戸型ポテンシャルの中の自由粒子
4週 波動関数,固有値,直交性,期待値,演算子
5週 三次元極座標,水素原子のシュレーディンガー方程式
6週 3つの量子数
7週 エネルギー固有値
8週 水素原子の基底状態と励起状態,波動関数の広がり
2ndQ
9週 水素分子のシュレーディンガー方程式
10週 等核
2原子分子の電子配置、結合次数
11週 異核二原子分子、分子の極性
12週 異核二原子分子、分子の極性
13週 調和振動子の固有エネルギーと波動関数、分子の振動と赤外吸収スペクトル、剛体回転子のエネルギー固有値
14週 原子・分子の回転スペクトル、分子の電子状態、振動状態、回転状態
15週 原子・分子の回転スペクトル、分子の電子状態、振動状態、回転状態
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000