環境資源工学特論

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 環境資源工学特論
科目番号 0084 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 適宜プリントを配布
担当教員 前田 良輔

到達目標

1.社会的視点、技術的視点で環境や資源を俯瞰できる。
2.日本が有する資源を理解できる。
3.大気、陸地、海水を化学的に理解できる。
4.資源の回収・精製技術を理解し説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1社会的視点、技術的視点で環境や資源を俯瞰でき、各自の考えを説明できる。社会的視点、技術的視点で環境や資源を俯瞰できる。社会的視点、技術的視点で環境や資源を俯瞰できない。
評価項目2日本が有する資源を理解でき、各自の考えを説明できる。日本が有する資源を理解できる。日本が有する資源を理解できない。
評価項目3大気、陸地、海水を化学的に理解し、簡潔に説明できる。大気、陸地、海水を化学的に理解できる。大気、陸地、海水を化学的に理解できない。

学科の到達目標項目との関係

専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB①  共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。

教育方法等

概要:
地球上における人類の繁栄は、さまざまな資源やエネルギーの大量消費によるところが大きい。資源やエネルギーの大量消費は地球規模での環境問題の直接的・間接的要因になっている。これらの問題は国際的な枠組みの中で解決に向けた取り組みが進められている。本授業では、できる限り最新のデータに基づく環境、資源、エネルギー事情を捉えた上で我が国が有する資源を眺める。続いて、地球を構成する大気、海水について、化学的な視点で述べる。最後に、さまざまな資源の回収、精製技術を化学工学的な観点から考える。講義では様々な情報を提供するが、あくまで課題発掘のための端緒であり、日頃から環境、資源、エネルギーを意識できるマインドの醸成が最重要である。また、この科目では、企業で化学プロセスの設計、効率化等を行っていた教員がその経験を活かし、随所に化学工学的な視点を盛り込んだ講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
環境問題や資源問題は切り口が多岐に及ぶため、適宜プリント類を配布する。期間の前半で各自に別々のレポート用のテーマを設定する。期間後半において、レポートの内容を聴講生間で共有するため10分程度のプレゼンを行い、相互評価を加える。
注意点:
授業には化学の基本的知識を必要とするが、内容の大部分は高校化学のレベルを想定している。また質の高いレポート作成にはきめ細かな情報収集が必要である。そのためにはインターネットだけではなくテレビ、新聞、雑誌等からも得ることができる。これには日常におけ高い意識が必要であり、国際的な取り組みや統計資料などは、英語のみで提供されていることも多い。レポートやプレゼンテーションは、受講者数に応じて個人もしくはグループで一つのテーマとする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
受講にあたっての動機づけを確認し、授業内容を理解する。
2週 環境、資源、エネルギーに関する動向(海外) 広い視野で海外における諸問題を説明できる。
3週 環境、資源、エネルギーに関する動向(国内) 広い視野で国内における諸問題を説明できる。
4週 我が国の資源事情1 既存の埋蔵資源、輸入される資源について理解できる。
5週 我が国の資源事情2 シェールガス、メタンハイドレート、都市鉱山などの未利用資源について理解できる。
6週 トピックス紹介 企業の動向や新聞記事などを紹介し、最新の情報を共有し、時に科学技術的知見をもとに理解できる。
7週 大気と海水の科学 オゾン層、PM2.5、大気汚染等について理解できる。
海水中の溶存物質の回収や海水の淡水化技術等について説明できる。
8週 レポートに関するディスカッション(テーマの策定や内容の設定方針について) 各自のレポートのテーマ、コンセプト、進捗等を説明できる。
2ndQ
9週 水素エネルギー 水素の化学的性質とその精製法を理解できる。
10週 バイオマスエネルギー バイオマスをエネルギーに変換する技術を理解できる。
11週 金属資源の精製技術 レアメタルなどの有用金属の分離、精製技術を理解できる。
12週 生物資源の精製技術 セルロース、キチン等多糖類やタンパク質の精製技術を理解できる。
13週 廃棄物のマテリアル化技術 廃棄物に付加価値を与え、新しいマテリアルを産み出すプロセスを説明できる。
14週 プレゼンテーション わかりやすいデジタル資料を作成し、明快な発表および質疑応答ができる。
15週 期末試験 期末試験を実施し、知識の定着を確認する。
16週 期末試験の解説 期末試験の内容を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合5010200200100
基礎的能力0000000
専門的能力5010200200100
分野横断的能力000000