コンピュータ制御論

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 コンピュータ制御論
科目番号 0091 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 ディジタル制御の講義と演習、中溝高好超、日新出版
担当教員 山田 健仁,白濵 成希

到達目標

・離散時間系の応答を求め特性を解析することができる。
・離散時間システムにおける状態フィードバック制御と状態観測器の設計・解析ができる。
・連続時間演算の離散時間近似ができ、ディジタルPID制御器の設計ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1任意の離散時間系の応答をいろいろな方法で求めることができ、系の特性解析ができる。代表的な離散時間系の応答計算ができ、系の特性を説明できる。離散時間系の応答計算ができない。
評価項目2任意のシステムに対し、状態フィードバック制御と状態観測器を組み合わせた制御系が構築できる。状態フィードック制御系、状態観測器の設計ができる状態フィードバック制御、状態観測器の極配置問題が解けない。
評価項目3連続時間演算の離散時間近似ができ、ディジタルPID制御器を導出し、働き、設計法が説明できる。ディジタルPID制御器の構造・働き・設計法が説明できる。ディジタルPID制御器の構造を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SD① 専攻分野における専門工学の基礎に関する知識と基礎技術を総合し、応用できる。

教育方法等

概要:
家電製品、自動車、ロボットなどいろいろな機械・装置の制御系では、コンピュータを組み込みディジタル制御が広く利用されるようになっている。ここでは、ディジタル制御を行うための離散時間系の記述・応答解析から、離散時間制御系の設計までの基本的事項を習得する。
授業の進め方・方法:
連続時間系における制御理論は習得しているものとして講義をスタートする。
連続時間制御系と対比しながら、離散時間系の制御理論(ディジタル制御論)の講義を行う。
ラプラス変換、古典制御理論、行列論については理解を深めておくこと。
注意点:
自学自習で予習・復習をしっかり行うこと。次の授業で進むところの教科書の内容(説明・例題)を見て予習して授業にのぞむこと。授業でその取り組みを問う質問等をすることがある。授業で学んだ内容は教科書の例題・問題を解くことにより復習し、理解を深めること。一部は宿題として演習課題を課し答案を提出させる。途中、理解度を確認するため試験を実施することもある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 離散時間システム制御系の概念 連続時間制御系と離散時間制御系の違いを理解し、A/D変換、サンプリング定理、ディジタル信号のインパルス列表現が説明できる。
2週 z変換法 z変換の定義・性質を理解し、信号・関数列のz変換・逆z変換の計算ができる。
3週 連続時間システムの離散化 0次ホールドの役割を理解し、連続時間系の伝達関数、状態方程式を0次ホールドを用いて離散化することができる。
4週 離散時間システムの応答 離散時間系の過渡応答、周波数応答を求めることができ、系の特性を把握することができる。
5週 離散時間システムの応答 フィードバック制御系の過渡応答、定常偏差を求め、フィードバック制御系の特性を把握することができる。
6週 離散時間システムの安定性 離散時間系の安定条件を導き、安定判別ができる。
7週 離散時間システムの構造・可制御・可観測性 可制御・可観測性の意味を理解し、システムの構造を調べることができる。
8週 システムの正準形と等価変換 可制御正準形・可観測正準形を理解し、一般のシステムの状態方程式表現を可制御正準形、可観測正準形に等価変換できる
4thQ
9週 状態フィードバック制御 可制御正準形の対象を状態フィードバック制御する場合のフィードバックゲインを極配置問題により求めることができる。
10週 状態フィードバック制御 可制御正準形でない対象を状態フィードバック制御する場合のフィードバックゲインを極配置問題により求めることができる。
11週 デッドビート制御 デッドビート応答を理解し、状態デッドビート制御系、出力デッドビート制御系を設計できる。
12週 状態観測器 状態観測器の働き・構造を説明できる。観測器ゲインを極配置問題により求めることができる。
13週 状態観測器に基づいた制御系 任意のシステムに対し、状態観測器と状態フィードバック制御を組み合わせた制御系を設計できる。
14週 ディジタルPID制御 連続時間演算を離散時間近似することができ、ディジタルPID制御器の構造と設計法を説明できる。
15週 定期試験
16週 定期試験の解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。5後1
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。5後1
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。5後4
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。5後5
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。5後4
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。5後6

評価割合

試験演習・レポート小テスト等発表相互評価合計
総合評価割合8020000100
基礎的能力000000
専門的能力8020000100
分野横断的能力000000